灰色の冒険者

水室二人

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第3章 1週間

改名と改良と命名

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 意識を失ったメリアムを、取りあえず治療器の中に放り込む。出番がるまで、この中で保管する事にします。

「扱い、酷くないかにゃ?」

「この子、かなり極悪非道な経歴ありますよ。現時点で、殺害数三桁の悪人です」

「この子が?」

「えぇ、同情できる部分もありますが、できない部分もかなりあります」

「刈谷さんがそう決めたなら、それに従うにゃ」

 十色は、私の行動に従うといってくれます。三姉妹も、同じようです。

「ここで、一つお願いがあります」

 この際です、私は今まで思っていた事を相談する事にしました。

「改名?」

「はい。私は、正直今までの名前は好きではありません。もちろん、親からもらった名前は大切です。でも、今の私には、かなり重い名前になっています」

「そこまで、気にする事なのですか?」

 にぃたちには、あまりぴんと来ない話のようです。

「貴方たちも、改名しますか?」

 ごろあわせと言うか、数字そのままの名前を付けたのは、我ながら酷いとも思っています。

「私は、このままでいいです。主任から最初にもらったものだから」

「私も」

「ん」

 はにかみながら、そう言う三姉妹を見ると、少し心が痛みます。

「私は、十色と言う名前は好きだから、このままでいいにゃ。刈谷さんは、色々と考えすぎにゃ」

「正義なんて名前だと、色々と考えてしまうものですよ、きっと」

 正義の意味とか、歴史とか、色々とひねくれた子供時代だったと思います。それを経て、今の私がいるのは事実ですが、そろそろ、この世界で生きていく覚悟と、今までの常識を捨てましょう。

「私は、この世界で有数の力を得てしまいました。こんな狂った世界で生きていくために、一つの覚悟を決めたいのです」

「それが、名前かにゃ?」

「これは、おまけです。出来ることなら、取り返しのつかない痛い事をして、過去の古傷を、あえて自分でえぐるのです」

「過去の古傷?」

「刈谷さん、もしかして中二病経験者ですかにゃ?」

「軽度だと思いたいですけどね。ただ、異世界転移なんて、憧れの場所に、チートな力、いろいろなものが解放されそうですよ」

「それは、重度だにゃ」

「ただ、実際命のやり取りをすると、覚悟の違い、色々と知識不足も痛感します」

「それは、私も同じだにゃ。守護獣の経験と知識は、今後大いに役立つにゃ」

「それは、期待します。私は、今後ロードスと名乗ります」

「長いにゃ」

「ロードスですか?」

「冒険者登録も、それで出してありますからね」

「苗字は、どうするにゃ?」

「この際ですから、トウゴウとします」

「東郷十色なら、悪くないにゃ。今から、私も、そう名乗るにゃ」

「勝手に決めないでください」

「お前たちは、にぃ・トウゴウ、さん・トウゴウ、よん・トウゴウだにゃ」

「「「はい」」」

 ちなみに、このトウゴウは、有名なコミックのスナイパーさんの偽名のトウゴウですね。日本軍の提督での良いかもしれません。

「うにゃ、ロードスは長いから、今から、提督と呼ぶことにするにゃ」

「提督は、色々と憧れの呼び名ですが、出来れば、違う呼び方にしてください」

 提督ですと、コレクションっぽいので、避けたほうがいいですね。

「なら、元帥にゃ」

 こうして、私は、ロードス・トウゴウと名乗る事になりました。十色達からは、元帥と呼ばれています。




「さて、次は色々と、ここを改良しますが、その意見を募集します」

 研究室が、研究所へと変わりました。最大の変更点は、今の時点では実行できません。偶然ですが、外の土地を確保できたのが大いに役立ちます。

「改良?」

「はい、猫のままなら、問題なかったのですが、人になるなら、色々と改良します」

「お風呂が欲しいにゃ」

「それは、作りますよ、他には、何かありませんか?」

「食堂が、欲しいにゃ」

「料理は、出来ます?」

「よんは、得意ですよ。ただ、材料が・・・」

「その辺りは、今後改良していきます。他には?」

 その後、色々と改善要求を聞き、今後のプランを立てます。快適な居住空間を目指して、色々とやるべき事が増えてしまいました。

「後一つぐらいは、出来そうですね」

「どうかしました?」

「私は、これから、冒険ギルドに行かなくてはなりません。その前に、貴方たちにお願いしておく事があります」

 十色には、新しいからだの能力を把握してもらう事を、優先してもらいます。何が出来て、何が出来ないのか。

 装備を今後作るうえで、どういうものが欲しいのかも、考えてもらいます。

 三姉妹は、今まで同様、情報収集をお願いしました。他の異世界人との接触も、お願いしておきました。

 今回召喚された、伊藤さん達と、吉良さんたち以外の異世界人。今までは、積極的に関わるつもりはありませんでしたが、方針を変更します。

「後は、これを改良しますか・・・」

 演算機で、今まで作ったものを表示します。その中の一つ、可変式戦闘二輪車、アンディを選択します。

 守護石や、メリアムを解析した結果、色々と出来る事が増えています。

 基本的に、エンジンで動くものではありませんでした。魔力を動力に、タイヤを回転させ、動くと言う本来のバイクとは違う間に合わせの、玩具ともいえうる出来でした。

 今回、エンジンではないですが、魔力を注ぐ事で、動力を生み出す機関を作る事ができました。

 安直ですが、魔導エンジンと命名。バイクと同じような感覚で操作できる物へと変わりました。

 変形機能は、よりスムーズにパワーアーマーへと変化できるようになりました。この状態で、ホバー移動が出来るようになったので、戦闘力が向上しました。

 前輪部分のレーザー砲は、威力の向上が出来ました。後輪部分のミサイルは、小型化に成功したので、弾数が増えました。特殊な、狙撃銃を搭載する事にも成功しています。

 武装を排除した、簡易型を一台作成。始穣香への贈り物にします。これに気づいた十色に文句を言われましたが、今の所あれと敵対するつもりは無いので、必要経費と認めてもらいました。

 今まであったアンディを。変換機に入れて、複製機で製作します。




 CAT-01 アンディ




 この名前で、登録します。私が作るものの、名称として”CAT”(シーエーティー)と言う呼び名を採用しました。

「キャット?」

「シーエーティーです」

「意味は、あるにゃ?」

「custom army tool の頭文字を取って、CAT。強引に言葉を集めて、形にしただけの物ですよ」

「最後は、”weapon”や”arms”のほうが、いいのではにゃいですか?」

「それだと、CATになりませんからね。この辺は、拘りですよ」

「男の人って、変な部分にこだわるにゃ」

「武器に関しては、特に名称を付けませんけどね」

 携帯できる武器として、ショットガンを作成しました。拳銃の場合、訓練をしていない今の私では、命中率は低いでしょう。

 散弾銃なら、命中率の低さをカバーできると思い、作成してみました。子供の頃の、憧れの、レミントンM31ショットガンです。

 これは、モデルガンのデータを元に、魔法で改良した恐ろしいショットガンです。

 ボルトアクションで、スライドすると、弾丸が空間収納されていた場所から補充されます。引鉄を引くと、弾丸が飛び散ります。魔法陣を刻む事で、散弾銃として使えるようになっています。

 弾丸も、通常弾と質量弾があります。質量弾は、小さいけど重さが1Kgにもなる弾が飛び出し、恐ろしい破壊力を生み出します。もっとも、弾丸だけで100Kgになるので、アンディのパワースーツ状態でないと、使用できません。

 後は。接近戦用の武装も作成しました。

 太郎太刀を燃したものを、再現しました。これ、熱田神宮で何度も見たので、倉庫のリストに追加されていました。

 再現して、魔法陣を刻み込み、色々と仕掛けを施してあります。巨大すぎるので、普段は小型化できるようになっています。魔法の力とは、恐ろしいものです。




 とりあえず、今出来る準備はこれくらいでしょう。私は、転移魔法陣を起動して、冒険ギルドへと、出かけます。

 ちなみに、CATにはもう一つ意味があります。




”Copy anime toy”




 記憶にある、玩具を魔法の力で、実現したもの。

 邪道ではありますが、私は、これを使いこの世界で戦う事にします。






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 小説家になろうでも投稿中。
 3日に1度ぐらいのペースで更新予定です。

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