灰色の冒険者

水室二人

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第4章 臆病者の砦

冒険者の仕事 地図作成

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 この世界の事を、知る必要が出来ました。

 今いる大陸以外が、滅んでいるというのは、正直異常です。それも、侵略者の手で滅んだとなると、今どうなっているのかが、想像出来ません。

 一応、銀河帝国に問い合わせてみましたが、解らないという答えでした。だからこそ、私への調査の依頼との事です。

 始穣香に聞いてみると、命を感じないという返事でした。実際見てはいないけど、生きた命を感じられないという応えでした。




「生きていない命なんて、あるのですか?」

「ゾンビとか、悪霊とか、この世界だと、普通にいるかな、南の大陸は、凄い物がいるかな」




 と言う答えが返ってきました。悪霊に対して有効なものを作る必要が出来ました、

 それ以前に、前回みたいな呪い対策も必要です。




 やるべき事が多すぎるので、一つずつはじめます。

 最初は、冒険者の基本の旅支度なのですが、資金の用意と、素材の準備がまだなので、準備が出来次第行動します。

 準備が出来るまでに、地図を作成する事にします。

 情報は大切です。地図は、国家機密になるほど重要なものです。この世界の地図は、かなり大雑把なものしか市販されていません。

 冒険ギルドには、詳細な地図があるとの事ですが、普通の人は見る事ができません。

 最低でも、この大陸の地図が必要です。無音ヘリでは小さいので、偵察機を作成しました。

 小型の飛行機に、カメラとセンサーをつけただけの物ですが、魔法陣を組み込んであるので、自動で地図を作成してくれる優れものです。

 もっとも、既に偵察機はこの大陸のデータの収集を終え、今は確認作業中です。

「出来ました」

「ありがとう」

 情報の扱いに関して、三姉妹の腕はかなり上昇しています。データから、色々な事が見えてきました。




 まず、拠点としたメトロ・ギアですが、付近に広範囲の未開地が広がっています。

 北には、山脈がありこれを超えるのは徒歩や、この世界の乗り物では不可能でしょう。

 山脈の向こうは、巨大な湖があります。湖を中心に、半径30キロの円状に山脈があります。

 かなり巨大な物体が、星に衝突した跡です。中心地の湖のそこには、謎の物体があります。メトロ・ギアをここに決めたのは、その物体が目的だからです。山脈の向こうに何かあると思っていたので、出来るだけ早めに、調査をしましょう。

 この大陸の広さは、かなり広いです。大陸の中心に、聖王国があります。全土の4分の一はこの国が支配しています。ただ、国土の半分近くが未開の地になっています。これは、過去の侵略の結果、増える魔物に対抗できなくなっているからだと思われます。

 大陸の東側に、銀河帝国は存在しています。この国は、子の世界にしては珍しく、街と街が道路でつながっています。

 転移の魔法陣の存在で、道路の整備が行われていない場所が多いのに、このことに疑問を感じました。

 賢者の国は、大陸の南側にあります。メトロ・ギアは、その賢者の国と銀河帝国との国境沿いにあります。

 黒の国の場所は、不明です。ただ、賢者の国の周辺に、同じような小国が3つあるのが気になりました。

 それらの4つの国は、聖王国に対して、防壁のような物を作っていません。銀河帝国の国境に向けては、防壁や砦を作っています。聖王国の属国扱いなら、それらを作らせない力が働いていても不思議ではありません。

 ただ、賢者の国は聖王国に対して何か抱えています。何もしていないという事に、疑問を感じました。




「どう思いますか?」

「気になるのは、ここです」

 さんが、地図を拡大します。そこには、滑走路のようなものがありました。

「滑走路ですぅか?」

「違います。私の予測ですと、これは地下に何か隠している施設の入り口です」

 さんの推理は、予知に匹敵する効果を発揮する事があります。今は、その時みたいです。

「危険なものが、地下にありそうですか?」

「その付近で、以前ここから逃げ出したノノと言う人の反応がありました」

「ギルドの関係施設の可能性ですか・・・」

 ギルドの本部は、聖王国にあるはずです。てっきりそこにいると思ったのですが、違うみたいです。

 賢者の国ではなく、勇者の国と名乗っている場所です。異世界人排斥運動の中心地でもあります。

「この場所は、重点的に監視をしてください」

「了解しました」




 他にも、色々と滅んだ国の跡を発見しています。メトロ・ギアの側にも、一つ滅んだ国がありました。

「回収作業、終りました」

「ご苦労様」

 にいとよんに、資材の回収をお願いしておきました。改良した猫鎧参型のテストも兼ねています。

 猫人となったことで、複雑な操縦が出来るようになったので、参型は思いっきて改良しました。

 研究室が進化したことで、出来る事が大幅に増え、複雑な機構も再現でき、魔力バッテリーの改良と、プラズマエンジンによる魔力の供給で、諦めていた事が、可能になりました。

 参型は、今ままで違い段階は踏んで乗り込む必要をなくしました。複雑な作業をする為に、人の形へ変形する機能を搭載してあります。また、戦闘時に安定した射撃を可能にするために、戦車形態への変形と言う3段変形の凄いやつになりました。

 高速移動の猫型、射撃戦の戦車、作業用の人型と、使い分ける事ができます。

 そのほかの変更点として、色が統一されました。黒と白の別々の色から、同じ配列の同じ白黒のカラーリングに変更してあります。

「機神の残骸がかなりありました」

「その割りに、破壊された場所は少ないです」

 名前の残っていない国でした。調査の結果、400年前に滅んだ可能性があるということです。死体は無く、始穣香の言う生きていない命と言うのは、確認できませんでした。

「これだけ、機神の残骸があるのに、何故他の人達はあそこを調査しなかったのでしょうか?」

 二人が集めてきた機神の残骸は、かなりの量でした。これがあるなら、貴族を罠にはめて、機神を奪うという回りくどい事をしなくても良い筈です。

「あの場所、強力な結界がありました」

「参型は、通れましたが、普通の人だといけない可能性があります」

「誰が作った結界なのか、解りますか?」

「恐らく、作ったのは無名です。果て無き迷宮が、あの国を隠しています」

「他にも、同じような場所はありますか?」

「現在調査中です」

「見つけたら、教えてください」

 大雑把な地形と配置は確認できましたが、細かい調査はこれからです。

 ただ、機神の残骸が手に入った事で、資材の目処がついたのは助かります。このまま変換機で素材にすれば、色々なものが作れます。




 と言うわけで、早速一つ作ってみました。

 直径20メートルの円形の物体です。機神に使われている金属は、魔法陣を刻むのに適しています。魔法銀と呼ぶにふさわしい金属です。

 平らな物体で、厚さは1メートルになります。中心部に、魔力バッテリーを搭載する装置があり、それを起動させると、これは浮かび上がります。

「高度500メートルで固定」

「了解しました」

 これは、位置を固定する魔法により、メトロ・ギアの500メートル上空で停止します。

「もう一つ、うち上げます」

 その下に、同じものを用意します。

「高度500メートルまで上昇」

 二つ目が上に上がると、その上のものも同じ様に上昇します。

「成功です」

「了解」

 最初の円盤は、高度1000メートルに達しました。刻んである魔法陣を作動させ、そこに移動します。

「流石に、これは怖いですね・・・」

 念のため、剛炎で武装してあります。宇宙服としても機能するので、高所での作業服にもなります。

「8方向に展開、距離1000メートルで固定」

 続けて8枚の円盤を展開します。水平方向に移動させた後、角度をつけて、索敵範囲を広げます。

「そちらの様子はどうですか?」

「カメラの機能は正常です。広範囲をカバーできます」

「集音装置も、正常に作動しました。絞り込みも良好です」

「どの辺りまでカバーできますか?」

「この大陸の、4分の一ぐらいです」

「了解しました」

 上空に展開した円盤で、周辺を監視する事に成功しました。

 今は、映像と音ですが、魔法の発動を察知できる様にしたいです。巨大な魔法の作動には、時間がかかる事が多いので、事前に察知できれば対処できます。

 守りは、手堅いほうがいいです。過剰かもしれませんが、監視できる体制は重要です。

 欠点は、人員不足です。三姉妹の負担が増えすぎです。

 そろそろ、猫化した二人が目覚めそうですし、彼らにお願いするのもいいでしょう。

「月並みですが、アマテラスとでも名付けますか・・・」

 最終的には、星全体を包み込むシステムを作りたいものです。

 アマテラスと名付けたこのシステム、最悪を回避できたのは、このシステムのおかげでした。





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 小説家になろうでも投稿中。
 3日に1度ぐらいのペースで更新予定です。

 第11回ファンタジー小説大賞に参加しています。
 


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