灰色の冒険者

水室二人

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第5章 館炎上

よだかのゆめ

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攻撃空母ニャウ

 全長50メートル

 全幅80メートル

 全高30メートル

 こんな形で、飛べるの?と思ってしまいますが、魔法陣を組み込む事で、ほぼ垂直離陸と、高速移動が可能なハイスペックな輸送機が完成しました。

 両翼に、2連式の魔導砲を装備して、攻撃面でも優秀です。下腹部に、爆弾を搭載しているので、爆撃も出来ます。

 魔力バッテリー搭載で、稼働時間に限りがありますが、充電はアマテラスから受けられます。

 格納庫には、リバティを2機、アンディを5台収納しています。

 南極大陸調査隊は、少数で向かいます。元々、人員の少ない組織です。

 十色は、メトロ・ギアで留守番です。

 解析が得意なにぃを連れて行きたかったのですが、今回はさんを連れて行きます。

 何が起きるかわからないので、推理に長けたさんの出番です。

 ニャウの艦長は、さんが担当します。

 補佐に、ライトを連れて行きます。プログラマーで、臨機応変でプログラムを組めるので、何が起きるかわからないので、連れて行くことにしました。

 私の護衛に、奄美連れて行きます。サイボーグで、戦闘訓練を受けているので、念の為です。

 経験を積むために、久賀さんも連れて行きます。彼女の仲間の、百合騎士団から5人連れて行きます。

 彼女達は、アンディ要員で、現地で色々と動き回ってもらう予定です。

 リバティは、今回は私が運用します。1機は、予備です。

 このメンバー以外は、メトロ・ギアで通常の任務をします。

 農作物の生産が、かなり増えたのでその処理や、近隣の魔物の討伐、道路工事など、色々とやる事は増えています。




「すぐに飛び立ちたいのですが・・・」

「これ、どうするにゃ?」

 こちらに向かっていた盗賊の集団が、予定通りやってきました。

「私は、正当なる聖王国の皇女、シーリアじゃ。貴方たちに、正当なる血筋の奪還の協力をお願いすべく、やってきましたのじゃ」

 そう言うのは、10代前半の少女です。後ろに、強そうな騎士っぽい格好の男たちを引き連れての登場です。

 話があるということで、メトロ・ギアから少し離れた場所で会談中です。

 私は、1人で対応しています。他のメンバーは、色々と支持を出してあるので、お互いの仕事に励んでいます。

「それにしても、盗賊が王家を名乗りますか・・・」

 この集団の行動は、前からチェックしていました。

 アマテラスで、地上を監視しながら、色々と情報を集めています。

 その中に一つに、人の死を調査しています。

 条件を設定するのが難しく、色々と苦労していますが、人の死ぬ場所には、色々と理由があります。

 ノーフェイスの監視で、生命が消えたことを判別できる目を作りました。

 膨大な量のデータから、個別に監視するのは無理なので、大まかに動きがあった場所を見つける訓練をしました。

 その結果、戦場、事故現場、何か不思議な事が起きている場所などが判明しました。

 盗賊の襲撃も、その中に含まれます。

 短時間で、多くの命が失われています。

 この世界の出来事で、全てを救えるとは思っていません。

 盗賊が正しいとは思いませんが、生きていく事の選択肢の一つで、この世界に存在しています。

 なので、こちらに害が無ければ、手を出す事はしていません。

 それでも、念のため存在をマークして、何かあったら対応出来るようにしてあります。

 この集団は、その中の一つです。個別の判断は出来ませんが、集団の半数の人員が、先日遠くの村を壊滅しています。

「聖王国は、偽り王の下、世界の秩序を乱しています。今こそ、正当なる我が、正しき道を示すべきです」

「それは、誰に聞いたことですか?」

 子供いう言葉ではありません。誰かに、教え込まされているのでしょう。

「爺の教えである。聖王国の筆頭貴族だった爺は、我にいろいろと教えてくれたのじゃ」

「その、爺と言うのは?」

「爺は、館で我を待っているのじゃ」

「そうですか。所で、正当なる姫様は、何故盗賊をしているのですか?」

「姫を、愚弄するのか!」

 後ろに控えていた男たちが、剣に手を掛けます。

「略奪を繰り返す集団ですよね?」

「それが、何か?」

「ほう・・・」

「正しき血統をを維持するために、犠牲は必要なのじゃ。我に従わないものなど、存在する価値は無い」

「解りました。結局、時間の無駄でしたか」

 何かに、利用されているだけの集団です。

 色々と、情報を引き出そうかと思いましたが、止めておきます。

「どういう意味なのじゃ?」

「ギルドの差し金ですよね?そこに人は、ギルド本部で見た事あります」

 男集団の中に、以前訪れたギルドで見た人物がいました。

「色々と、趣向を凝らしていますが、これで冒険ギルドは、私達の敵でいいですよね?」

「この数に、勝てると思うのか?」

「この子は、どうしたのですか?」

「この手の存在は、いくつも用意してある。少しは、油断するかと思ったが、無意味だったか」

「えっ?」

 流れからして、冒険ギルドは色々と仕込みを各地で行っているみたいです。

 こののじゃ姫は、そう言う設定の下に用意された駒の一つみたいです。

「相手は、1人だ、討ち取れ!」

 男の指示で、兵士たちが襲ってきます。この場にいない集団も、行動を開始しています。

「な、なんで?」

 状況を理解できていないシーリアは、呆然と立ち尽くしています。

 その背後から、攻撃魔法が襲い掛かってきます。シーリアごと、こちらを焼き殺すつもりでしょう。

「言っておいてなんだけど、結構辛いものですね・・・」

 今回の出来事は、色々と予測できたので、手段を色々と打ってあります。

「艦長の、役目です。果たしてください」

 地面から現れ、すれ違いさまにそれだけいい、奄美が駆け抜けます。

「解っています。手はずどおりに、お願いします」

「了解」

 駆け抜けながら、奄美はシーリアを投げ飛ばします。

 黒なら、死を。白なら保護するという計画です。色々と、痛い教育をされているみたいなので、お仕置きをかねて、投げ飛ばすという結果になりました。

 サイボーグ戦士の奄美の力で、投げ飛ばされたシーリアは、十色の手によって無事保護されています。

「な、何が起こっているんだ?」

 冒険ギルドの男は、何が起きているのか理解できないまま、その一生を終えました。

「・・・」

 戦えと命令する事。それは、美化に命を奪えという事です。

 場合によっては、死ぬ事も多々あります。

 その責任が、ずっしりとのしかかってきます。

「調査から帰ってきたら、甘えていいにゃ」

「そうですね。そのときはお願いします・・・」

 ここから少し離れた場所でも、戦闘は起きています。百合騎士団の5名が、アンディで残りの盗賊を駆逐しています。




「作戦は、失敗か・・・」

「はい」

「予想以上の戦力だな」

「どうします?」

「所詮、捨て駒だ。人としての理論や意思を消した場合、戦力として低下するというデータを得られた。今回はこんな所だろう」

 メトロ・ギアより離れた場所。冒険ギルドの実験の館で、幹部たちが話し合っています。

 冒険ギルドは、、豊富な資産と戦力を持った集団です。

 貴重な素材を独占して、莫大な利益を得ています。

 国の干渉を避けられるというには、それだけの力が必要です。

 グランドマスター率いる本部は、正義を信じる集団です。

 ですが、この館に集まっているのは、それに不満を持っている集団です。

 不満があっても、逆らえないのはグランドマスターに力があるからです。

 メトロ・ギアに関しても、手を出してはいけないと厳命されていました。

 しかし、彼らが一番恐れる存在、姿なき暗殺者が消えたという報告があります。

 理由はわかりませんが、ギルドのシステムで生死の確認が出来る装置があります。

 それが、先日死亡を確認しました。これは、チャンスです。

 グランドマスターは、定期的に姿を隠す時期狩ります。今がそのときです。

 単純な戦力なら、この館にもあります。

 洗脳した初心者冒険者たちは、全て失ってしまいましたが、まだまだ手段はあります。

 今回の出来事も、こことの関係を突き止めることは出来ないでしょう。

 資金を武器に、次の手段を考えましょう。

「ん?」

 なんとなく、重苦しい空気が近づいています。これでもここのいるのは一流の冒険者です。

 危険に関してのカンは、かなりのものです。

 そのカンが、最大レベルで発動しています。

「相手のが、上でしたか・・・」

 全てが手遅れ。それが理解できてしまいました。

「夜の闇に紛れる必要、ありますか?」

 誰に向けての言葉なのか、聞き届けたものはいません。




「のじゃ・・・」

 足元に広がる光景を、彼女は呆然と見ています。

「敵には、容赦しない事に決めていますから」

 南極に向かい途中、今夏の黒幕のいる館の上空を通過しました。

 ついでに、絨毯爆撃を行い、館を炎上させました。遠征中に、邪魔をされる可能性もあるので、非情の処置を取っています。

「爺・・・」

「私を、恨みますか?」

「我等がやっていた事を、されただけなのじゃ。これでそちを恨む事はできぬのじゃ」

 そう言ってはいますが、表情は厳しいです。

「我、シーリア・S・サクリサスは、そなたの物になると誓うのじゃ」

「物?」

「好きにして、いいのじゃよ?」

 色々と、誤解している感じがしたので、南極に到着するまでに、色々と話し合いました。

 本人は、色々と誤解していましたが、中々有益な話し合いでした。

 念のため、解析機で解析してみると、驚きの結果でした。

 彼女は、聖王国の王家の血筋でしたし、勇者でもあったのです。





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 小説家になろうでも投稿中。
 3日に1度ぐらいのペースで更新予定です。

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