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今日のご飯もとっても美味しい。
よくある転生ものではご飯が不味いことが有名だったけど、僕が転生した世界のご飯はとっても美味しかった。
だから僕に取ってご飯は楽しみの一つだった。
前世みたいに楽しめるところはとっても少ないから、楽しめるものは楽しめの主義になった。
「そういえばお母様はどこにいかれたのですか?」
「メルトは多分急ぎの用事ができたのだと思うよ?それよりネヴィ、今日の授業はどうだった?お父様に聞かせてもらえないかい?」
お肉の切り端をむぐっと口に入れて、ごくんと飲み込むと今日の授業の話を始めた。
「今日は領土のお話と、お父様がどれだけ凄いかのお話を聞きました!お父様って凄い強かったのですね!!」
お父様が恥ずかしそうにしているけど、とっても嬉しそうに見えた。
沢山お父様の凄い事を話すと、もう辞めてくれて言わんばかりにお父様にほっぺをむにむにとされた。
「沢山お勉強してくれたようでよかったよ。明日もしっかりと勉強を頑張ろうね」
最後に優しく撫でられて、お父様は自分の席についた。
お母様も少ししたら戻ってきて、お勉強の話をしたら嬉しそうに聞いてくれた。
夕食を食べ終わってから自分の部屋に戻ると、いつも一緒にいるラグくんをベッドに置いて机の所に向かった。
椅子に腰掛けると机の引き出しから一冊のノートを取り出した。
項を捲ると今まで書いていた日記が見えたけど、それよりもあとに誰にもわからないように書いた【日本語】で書かれた注意事項まで項を捲った。
僕が日本語で書いた内容は好きで読んでいた恋愛小説の内容だった。
僕がこの世界が恋愛小説の中だったと気がついたのは4歳の時だった。
気がついたきっかけは魔法の花の名前だった。
かなり変わった花の名前で、アザリア・ララババイという花だ。
この花はとっても不思議な効力を持っていて、この花から抽出した香料は人を魅了する力を持っていた。
ただし魅了の香料にするにも魔力を通しながら抽出するから必要があり、その抽出作業にもかなりの技術が必要だから悪用するにも難しい花である。
その花のおかげで僕は小説の世界に転生したのがわかった。
そして僕はとっても危うい立場にいる。
僕は小説の中では子悪党令息という立場にいて、ザインハルト様に一目惚れし常日頃ザインハルト様に引っ付き回り、ザインハルト様に近づく令嬢、令息をこつき回す役回りだった。
そしてザインハルト様が自ら拾った恋愛小説の主人公に一目惚れし、婚約者である僕を蔑ろにし始める。
そりゃ婚約者たる僕を蔑ろにすれば、その分恋愛小説の主人公を責めるってもんだよね。
僕はザインハルト様に一切恋をしていないから、こつき回すとかいじめたりとかはしない。
そんな事をする必要も今の僕にはないのだから。
だから、僕のせいで本来起こる最悪の未来を回避しなければいけない。
小説の僕のせいでお父様とお母様はお亡くなりになられたのだから。
「お父様と、お母様は絶対に亡くならせない」
ぎゅっと手を握りしめると、今後起こるべき事に対処するために覚えている限りの小説の内容を続きから書き始めた。
今世の僕には勿体無いほどの両親なんだ。
優しくて、僕を沢山愛してくれる両親を失いたくない。
その一心で今日もノートに小説の内容を書き記す。
やっと最後の一文を書くと、そっとノートを上に掲げた。
恋愛小説の主人公は本来心優しくて、次期聖女とまで言われるほどの魔力持ち主でもあった。
でも、僕という異分子が存在しているのだから恋愛小説の主人公も同じとはいえない。
もしかすると僕と同じように小説の内容を知っている人が転移してくる可能性があるのだから。
「大丈夫。僕はいい子だから」
自分に言い聞かせるように呟いて、掲げていたノートを下ろして引き出しの中に入れた。
ベッドに駆け寄りそのまま飛び込むと近くにいたラグくんを抱きしめた。
「大丈夫、僕は大丈夫だから」
ぎゅっとラグくんを抱きしめて、僕は眠りにつくように頑張った。
よくある転生ものではご飯が不味いことが有名だったけど、僕が転生した世界のご飯はとっても美味しかった。
だから僕に取ってご飯は楽しみの一つだった。
前世みたいに楽しめるところはとっても少ないから、楽しめるものは楽しめの主義になった。
「そういえばお母様はどこにいかれたのですか?」
「メルトは多分急ぎの用事ができたのだと思うよ?それよりネヴィ、今日の授業はどうだった?お父様に聞かせてもらえないかい?」
お肉の切り端をむぐっと口に入れて、ごくんと飲み込むと今日の授業の話を始めた。
「今日は領土のお話と、お父様がどれだけ凄いかのお話を聞きました!お父様って凄い強かったのですね!!」
お父様が恥ずかしそうにしているけど、とっても嬉しそうに見えた。
沢山お父様の凄い事を話すと、もう辞めてくれて言わんばかりにお父様にほっぺをむにむにとされた。
「沢山お勉強してくれたようでよかったよ。明日もしっかりと勉強を頑張ろうね」
最後に優しく撫でられて、お父様は自分の席についた。
お母様も少ししたら戻ってきて、お勉強の話をしたら嬉しそうに聞いてくれた。
夕食を食べ終わってから自分の部屋に戻ると、いつも一緒にいるラグくんをベッドに置いて机の所に向かった。
椅子に腰掛けると机の引き出しから一冊のノートを取り出した。
項を捲ると今まで書いていた日記が見えたけど、それよりもあとに誰にもわからないように書いた【日本語】で書かれた注意事項まで項を捲った。
僕が日本語で書いた内容は好きで読んでいた恋愛小説の内容だった。
僕がこの世界が恋愛小説の中だったと気がついたのは4歳の時だった。
気がついたきっかけは魔法の花の名前だった。
かなり変わった花の名前で、アザリア・ララババイという花だ。
この花はとっても不思議な効力を持っていて、この花から抽出した香料は人を魅了する力を持っていた。
ただし魅了の香料にするにも魔力を通しながら抽出するから必要があり、その抽出作業にもかなりの技術が必要だから悪用するにも難しい花である。
その花のおかげで僕は小説の世界に転生したのがわかった。
そして僕はとっても危うい立場にいる。
僕は小説の中では子悪党令息という立場にいて、ザインハルト様に一目惚れし常日頃ザインハルト様に引っ付き回り、ザインハルト様に近づく令嬢、令息をこつき回す役回りだった。
そしてザインハルト様が自ら拾った恋愛小説の主人公に一目惚れし、婚約者である僕を蔑ろにし始める。
そりゃ婚約者たる僕を蔑ろにすれば、その分恋愛小説の主人公を責めるってもんだよね。
僕はザインハルト様に一切恋をしていないから、こつき回すとかいじめたりとかはしない。
そんな事をする必要も今の僕にはないのだから。
だから、僕のせいで本来起こる最悪の未来を回避しなければいけない。
小説の僕のせいでお父様とお母様はお亡くなりになられたのだから。
「お父様と、お母様は絶対に亡くならせない」
ぎゅっと手を握りしめると、今後起こるべき事に対処するために覚えている限りの小説の内容を続きから書き始めた。
今世の僕には勿体無いほどの両親なんだ。
優しくて、僕を沢山愛してくれる両親を失いたくない。
その一心で今日もノートに小説の内容を書き記す。
やっと最後の一文を書くと、そっとノートを上に掲げた。
恋愛小説の主人公は本来心優しくて、次期聖女とまで言われるほどの魔力持ち主でもあった。
でも、僕という異分子が存在しているのだから恋愛小説の主人公も同じとはいえない。
もしかすると僕と同じように小説の内容を知っている人が転移してくる可能性があるのだから。
「大丈夫。僕はいい子だから」
自分に言い聞かせるように呟いて、掲げていたノートを下ろして引き出しの中に入れた。
ベッドに駆け寄りそのまま飛び込むと近くにいたラグくんを抱きしめた。
「大丈夫、僕は大丈夫だから」
ぎゅっとラグくんを抱きしめて、僕は眠りにつくように頑張った。
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