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今日は楽しいお勉強の日!ではなく、ザインハルト様とお茶会の日。
レムナント侯爵夫人付きという最悪な状況だし、お母様も急遽予定が入って一緒にいけないと言っていた。
僕付きの侍従もいるけど、一侍従だから貴族に何か物も失せる訳でもないし…
一人で対処しなければいけないと考えると胃痛がしてきた。
「ネヴィレント様馬車の準備ができました」
侍従に呼ばれて僕は胃痛と共に部屋から出た。
屋敷から出て、馬車の所に行けば馬車の近くにお母様がいた。
「お母様ご用事があるのではないのですか?」
「用事はありますが、愛しい息子を見送る程の時間はありますよ」
ドレスが汚れることも気にせずに膝をついて、両手を広げて僕を呼んでくれた。
僕はそれに応える為にお母様の腕の中におさまった。
インクの匂いがして僕が家を出るまでに仕事をしていたのがわかった。
「レムナント侯爵夫人がいる中で一人行かせるのは心元ないです」
僕を抱きしめるお母様の腕に力が入って少し苦しい。
お母様がとっても心配してくれるのがわかるけど力は緩めてほしいぃ…
腕から解放されて、お母様に視線を合わせるととても心配している表情が見てとれた。
「お母様大丈夫です。いい子にして無事にお茶会を終わらせてきます!」
大丈夫ってアピールするように両手をグーにしてガッツポーズをする。
「気をつけて行ってきてくださいね」
「はい!お母様」
お母様にぎゅっと一回抱きつくと、僕は侍従が容易した馬車に乗り込んだ。
馬車がゆっくりと進み始め、一定の速度まで出るとそこからは滑らかに進み始めた。
馬車なのに揺れることがなく進んでいて、魔法でこんなこともできるなんてと初めて馬車に乗った時には驚いた。
今は乗り慣れて景色を楽しむことに気を向けている。
「お茶会無事に終われたらいいな」
景色を楽しみながら、今日のお茶会を心配した。
レムナント侯爵夫人は相変わらずみたいで、昨日届いたザインハルト様の手紙にレムナント侯爵夫人の愚痴が綴られていた。
この愚痴のおかげでレムナント侯爵夫人に対しての対策も、今朝のうちにある程度対策が立てられた。
対策といっても話をそらし続けるってだけなんだけど…
数十分もすれば指定されたカフェテリアに馬車が到着した。
扉を開けてもらい、手を支えてもらいながら馬車から降りると、僕のところとは違う侍従がカフェテリアの前に待っていた。
「ネヴィレント・ツェーリア様でいらっしゃいますでしょうか?」
「はい、僕がネヴィレント・ツェーリアです。そちらは?」
「申し遅れました、私はレムナント侯爵家に仕えるゼントと申します。奥様から案内を仰せつかっております」
侍従に案内されたのは個室部屋だった。
カフェテリアといっても、貴族専門のカフェテリアと平民と貴族が利用できる混合型のカフェテリアの二種類があるけど、今回指定されたのは貴族専用のカフェテリアで、その中でも個室部屋は高位貴族しか利用できないようになっているところだった。
「こちらで奥様とザインハルト様がお待ちでいらっしゃいます」
侍従が扉を開くとザインハルト様とレムナント侯爵夫人が座って待っていた。
二人の前には紅茶と沢山のお菓子がテーブルに並べられていた。
「それでは私は失礼いたします」
侍従が扉を閉めるとシンっとした雰囲気になった。
挨拶をしないのは礼儀に欠くから、僕はレムナント侯爵夫人の前に立った。
「本日はお招き頂きありがとうございます。楽しきお茶会になることを心より願っております。ザインハルト様、本日はお日柄もよくご機嫌は如何でしょうか?」
「とってもいいよ」
ザインハルト様に機嫌を聞くと、とてもいい笑顔で返事をもらえた。
こんなに可愛い子が将来はあんな甘い顔のイケメンになるとは思えない。
「立って話すなんてはしたない。さっさとそこにかけなさい」
「ありがとうございます」
レムナント侯爵夫人に促されてやっと僕は座ることができた。
僕の家の方が家格が下だから、家格が上のレムナント侯爵夫人に座る許可がされたやっと座ることができる。
「それで?其方の母親はどちらに?」
「お母様は本日急用が入りましたため、お茶会の参加をすることが叶いませんでした。お母様に代わり謝罪いたします」
頭を下げると機嫌良さげに鼻を鳴らし、僕の頭を扇子で叩いた。
もしかすると小説のネヴィレントの性格が捻じ曲がったのは、レムナント侯爵夫人が大きな一因であると思う。
「お、お母様…ネヴィレント殿を、叩くのをお辞めください…」
ザインハルト様が震えた声でレムナント侯爵夫人に僕を叩くのを止めるように言葉をかけてくれる。
「ザインハルト、下の者にはこうやって分からせねばなりません。これが正しい行いとして覚えなさい」
数分叩かれ続けてやっと解放された時には頭が痛くて堪らなかった。
それでも笑顔を絶やさずになんとか対面を保っているけど、すっごいむかつく。
お菓子を食べ、紅茶を啜り、レムナント侯爵夫人から発せられる悪意ある発言を聞き流す。
「母親にも父親にも愛されない子供とはなんと情けない。母親にも本当は見捨てられたのではなくて?そんな情けない貴方を貰ってあげるザインハルトに感謝なさい」
この言葉に黒い感情が込み上げてきた。
両親は僕をとっても愛してくれるし、今日のお母様の急用も僕にすら言えない内容であるから機密事項であることもわかっている。
だからこそ僕を守る為に動いてくれる両親の事をネタにして僕を蔑むのも大概にして欲しい。
だけど、いい子でいると決めた僕は何も言わずただただにっこりと表面上は笑っている。
ただ行動はどうしても不快感が現れてしまったみたいで、カップをソーサーに置く時に盛大に音を立ててしまった。
レムナント侯爵夫人が僕を睨んでくるけど、僕はにっこりと笑顔を返した。
「教養もないなんて、本当に見捨てられた見たいね」
最後の一言に僕は笑顔を無くしてしまった。
礼儀だけ守っていればそれでいい。
こんな失礼な奴に笑いかけてやる必要はない。
「なんなのですかその態度は!」
「その態度とは何をお指しになるのでしょうか?僕は礼儀を守っております」
レムナント侯爵夫人が振り上げた手には扇子が握られている。
これは痛いだろうなと覚悟して目を瞑った。
バシンっと頬を叩かれ、ジンっとした痛みが後からくる。
そっと叩かれた頬に手を当てると、少し手が濡れた気がした。
手を見てみると、指に血がついており扇子の一部で頬が切れたみたい。
こうも簡単に手を出すなんて、教養がないのはそちらでは?と言いたくなる。
「興が削がれましたわ。ザインハルト帰りますわよ」
「え、あの…」
ザインハルトの手を引っ張りながら帰るレムナント侯爵夫人。
ハンカチーフを渡すでもなく、侍従を呼ぶでもなく僕をカフェテリアの個室に残して去っていく。
こんな親元に生まれなくてよかったと思うと同時に、僕が高等部に上がった時に起こる出来事が問題なく進むことを願ってしまった。
ポケットからハンカチーフを取り出し、叩かれた頬に当てながら個室からでた。
僕の侍従が驚いた表情をしていたけど、何も言わずにそっと僕をエスコートしてくれた。
何も聞かずにいてくれる優しさに助かった。
「お待ちください!」
店員が僕たちに声をかけてきた。
余程のことがない限り貴族には声をかけないように訓練している店員が、声をかけてくるとは何事なのだろうか?
「何か御用でしょうか?」
僕の代わりに侍従が店員に聞いてくれる。
「それが、先ほどのお客様がお会計は後のものがするとおっしゃられておりまして…」
レムナント侯爵夫人、僕がお金を持っていなければどうするつもりだったのかな?
念の為と思って侍従に持たせていたお金でお会計を済ませたけど、殆どのお金が吹っ飛んでいった。
どれだけ高いものを僕が到着する前に頼んだんだ。
僕が食べていた物も、飲んでいた紅茶もそこまで高価な物ではないと知っていた。
だから先に高価な物を食べたり飲んだりしていたのであろう。
呆れた意味を込めて盛大にため息を吐き、僕は侍従のエスコートで馬車に乗り込んだ。
家に着く頃には頬の痛みは和らいだけど、最初に叩かれた頭の痛みは引くことを知らずお母様たちに会う前には体調が悪化してしまった。
翌日には酷い熱を出し、お母様とお父様がレムナント侯爵に抗議文を出したと知ったのは元気になった時だった。
レムナント侯爵夫人付きという最悪な状況だし、お母様も急遽予定が入って一緒にいけないと言っていた。
僕付きの侍従もいるけど、一侍従だから貴族に何か物も失せる訳でもないし…
一人で対処しなければいけないと考えると胃痛がしてきた。
「ネヴィレント様馬車の準備ができました」
侍従に呼ばれて僕は胃痛と共に部屋から出た。
屋敷から出て、馬車の所に行けば馬車の近くにお母様がいた。
「お母様ご用事があるのではないのですか?」
「用事はありますが、愛しい息子を見送る程の時間はありますよ」
ドレスが汚れることも気にせずに膝をついて、両手を広げて僕を呼んでくれた。
僕はそれに応える為にお母様の腕の中におさまった。
インクの匂いがして僕が家を出るまでに仕事をしていたのがわかった。
「レムナント侯爵夫人がいる中で一人行かせるのは心元ないです」
僕を抱きしめるお母様の腕に力が入って少し苦しい。
お母様がとっても心配してくれるのがわかるけど力は緩めてほしいぃ…
腕から解放されて、お母様に視線を合わせるととても心配している表情が見てとれた。
「お母様大丈夫です。いい子にして無事にお茶会を終わらせてきます!」
大丈夫ってアピールするように両手をグーにしてガッツポーズをする。
「気をつけて行ってきてくださいね」
「はい!お母様」
お母様にぎゅっと一回抱きつくと、僕は侍従が容易した馬車に乗り込んだ。
馬車がゆっくりと進み始め、一定の速度まで出るとそこからは滑らかに進み始めた。
馬車なのに揺れることがなく進んでいて、魔法でこんなこともできるなんてと初めて馬車に乗った時には驚いた。
今は乗り慣れて景色を楽しむことに気を向けている。
「お茶会無事に終われたらいいな」
景色を楽しみながら、今日のお茶会を心配した。
レムナント侯爵夫人は相変わらずみたいで、昨日届いたザインハルト様の手紙にレムナント侯爵夫人の愚痴が綴られていた。
この愚痴のおかげでレムナント侯爵夫人に対しての対策も、今朝のうちにある程度対策が立てられた。
対策といっても話をそらし続けるってだけなんだけど…
数十分もすれば指定されたカフェテリアに馬車が到着した。
扉を開けてもらい、手を支えてもらいながら馬車から降りると、僕のところとは違う侍従がカフェテリアの前に待っていた。
「ネヴィレント・ツェーリア様でいらっしゃいますでしょうか?」
「はい、僕がネヴィレント・ツェーリアです。そちらは?」
「申し遅れました、私はレムナント侯爵家に仕えるゼントと申します。奥様から案内を仰せつかっております」
侍従に案内されたのは個室部屋だった。
カフェテリアといっても、貴族専門のカフェテリアと平民と貴族が利用できる混合型のカフェテリアの二種類があるけど、今回指定されたのは貴族専用のカフェテリアで、その中でも個室部屋は高位貴族しか利用できないようになっているところだった。
「こちらで奥様とザインハルト様がお待ちでいらっしゃいます」
侍従が扉を開くとザインハルト様とレムナント侯爵夫人が座って待っていた。
二人の前には紅茶と沢山のお菓子がテーブルに並べられていた。
「それでは私は失礼いたします」
侍従が扉を閉めるとシンっとした雰囲気になった。
挨拶をしないのは礼儀に欠くから、僕はレムナント侯爵夫人の前に立った。
「本日はお招き頂きありがとうございます。楽しきお茶会になることを心より願っております。ザインハルト様、本日はお日柄もよくご機嫌は如何でしょうか?」
「とってもいいよ」
ザインハルト様に機嫌を聞くと、とてもいい笑顔で返事をもらえた。
こんなに可愛い子が将来はあんな甘い顔のイケメンになるとは思えない。
「立って話すなんてはしたない。さっさとそこにかけなさい」
「ありがとうございます」
レムナント侯爵夫人に促されてやっと僕は座ることができた。
僕の家の方が家格が下だから、家格が上のレムナント侯爵夫人に座る許可がされたやっと座ることができる。
「それで?其方の母親はどちらに?」
「お母様は本日急用が入りましたため、お茶会の参加をすることが叶いませんでした。お母様に代わり謝罪いたします」
頭を下げると機嫌良さげに鼻を鳴らし、僕の頭を扇子で叩いた。
もしかすると小説のネヴィレントの性格が捻じ曲がったのは、レムナント侯爵夫人が大きな一因であると思う。
「お、お母様…ネヴィレント殿を、叩くのをお辞めください…」
ザインハルト様が震えた声でレムナント侯爵夫人に僕を叩くのを止めるように言葉をかけてくれる。
「ザインハルト、下の者にはこうやって分からせねばなりません。これが正しい行いとして覚えなさい」
数分叩かれ続けてやっと解放された時には頭が痛くて堪らなかった。
それでも笑顔を絶やさずになんとか対面を保っているけど、すっごいむかつく。
お菓子を食べ、紅茶を啜り、レムナント侯爵夫人から発せられる悪意ある発言を聞き流す。
「母親にも父親にも愛されない子供とはなんと情けない。母親にも本当は見捨てられたのではなくて?そんな情けない貴方を貰ってあげるザインハルトに感謝なさい」
この言葉に黒い感情が込み上げてきた。
両親は僕をとっても愛してくれるし、今日のお母様の急用も僕にすら言えない内容であるから機密事項であることもわかっている。
だからこそ僕を守る為に動いてくれる両親の事をネタにして僕を蔑むのも大概にして欲しい。
だけど、いい子でいると決めた僕は何も言わずただただにっこりと表面上は笑っている。
ただ行動はどうしても不快感が現れてしまったみたいで、カップをソーサーに置く時に盛大に音を立ててしまった。
レムナント侯爵夫人が僕を睨んでくるけど、僕はにっこりと笑顔を返した。
「教養もないなんて、本当に見捨てられた見たいね」
最後の一言に僕は笑顔を無くしてしまった。
礼儀だけ守っていればそれでいい。
こんな失礼な奴に笑いかけてやる必要はない。
「なんなのですかその態度は!」
「その態度とは何をお指しになるのでしょうか?僕は礼儀を守っております」
レムナント侯爵夫人が振り上げた手には扇子が握られている。
これは痛いだろうなと覚悟して目を瞑った。
バシンっと頬を叩かれ、ジンっとした痛みが後からくる。
そっと叩かれた頬に手を当てると、少し手が濡れた気がした。
手を見てみると、指に血がついており扇子の一部で頬が切れたみたい。
こうも簡単に手を出すなんて、教養がないのはそちらでは?と言いたくなる。
「興が削がれましたわ。ザインハルト帰りますわよ」
「え、あの…」
ザインハルトの手を引っ張りながら帰るレムナント侯爵夫人。
ハンカチーフを渡すでもなく、侍従を呼ぶでもなく僕をカフェテリアの個室に残して去っていく。
こんな親元に生まれなくてよかったと思うと同時に、僕が高等部に上がった時に起こる出来事が問題なく進むことを願ってしまった。
ポケットからハンカチーフを取り出し、叩かれた頬に当てながら個室からでた。
僕の侍従が驚いた表情をしていたけど、何も言わずにそっと僕をエスコートしてくれた。
何も聞かずにいてくれる優しさに助かった。
「お待ちください!」
店員が僕たちに声をかけてきた。
余程のことがない限り貴族には声をかけないように訓練している店員が、声をかけてくるとは何事なのだろうか?
「何か御用でしょうか?」
僕の代わりに侍従が店員に聞いてくれる。
「それが、先ほどのお客様がお会計は後のものがするとおっしゃられておりまして…」
レムナント侯爵夫人、僕がお金を持っていなければどうするつもりだったのかな?
念の為と思って侍従に持たせていたお金でお会計を済ませたけど、殆どのお金が吹っ飛んでいった。
どれだけ高いものを僕が到着する前に頼んだんだ。
僕が食べていた物も、飲んでいた紅茶もそこまで高価な物ではないと知っていた。
だから先に高価な物を食べたり飲んだりしていたのであろう。
呆れた意味を込めて盛大にため息を吐き、僕は侍従のエスコートで馬車に乗り込んだ。
家に着く頃には頬の痛みは和らいだけど、最初に叩かれた頭の痛みは引くことを知らずお母様たちに会う前には体調が悪化してしまった。
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