悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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レギストス大公家で過ごして早二日が経過した。
僕が小さいから服などないかと思っていたけど、ラグザンドの幼少期の服が残っていたからといってそれを貸し出してくださった。

それでも僕からしたらかなり大きめで、袖口はブカブカで指しか出ない状態になっているけどそこまで不便ではない。
何かあれば袖を捲って手を出せば問題なく行動できる。

この二日間で一番びっくりした事と言えば、ラグザンドが純粋な吸血鬼である事だった。
王は必ず多種族の第二子を皇后に迎える事を定められており、純粋な種族は生まれにくいとされている。

大公殿下は吸血鬼の前王と、鬼人族の前皇后から生まれている。
確か近年の歴史書によると大公殿下は吸血鬼の能力の方が強いけど、鬼人族の能力を備えているとあったはず。

既に大公殿下で混ざっているので、ラグザンドも純粋な種族としても生まれにくいとされていたけど、みんなの期待を良い意味で裏切って純粋な吸血鬼として生まれたみたい。
ラグザンドからプレゼントとして貰ったライオンのぬいぐるみをもちもちしている。

「ネヴィレントどうしたの?」

「ちょっとだけ考え事…」

「どんな考え事?私でよければ聞くよ?」

「ラグザンドがどうしてお昼でも活発で動けているかって事。純粋な吸血鬼って陽の光の耐性が著しく低くなるって他種族の勉強をしたから…」

「ああ、私が何故日の元で行動できるかという事だね?」

「うん…、でも能力に関わる事なら話さないでいてくれた方がいいけど…」

「ネヴィレントには聞いて欲しい。私はデイ・ウォーカーの能力がある。その能力のお陰で私に陽の光が通用がしない。だからこうして私はネヴィレントと共に行動ができている」

デイ・ウォーカーなんて言葉は聞いた事がない。
勉強で習わなかったのか、それとも特殊な能力故に記述をされていなかったのか。

「私は今日ほどこの能力を持っていて喜ばしかったことはない。ネヴィレントとこうして日中を過ごすことができるんだから」

最高の口説き文句が飛んでくる。
本当にどストレートすぎて僕がすっごく恥ずかしい。

顔が暑くなっている気がして、ライオンくんで顔を隠した。

「ネヴィレント?」

「な、なんでもないから!」

ラグザンドが心配そうに声をかけてくれるけど、当分の間顔を上げられそうにないや。



少し落ち着いてから、顔を挙げると一瞬でわかるほどしょんぼりしたラグザンドが見えた。

「ラグザンドどうしたの?」

「ネヴィレントが顔を上げてくれなくて…私のことを嫌ったのではないかと思うと辛くなって」

「嫌ってないから!ちょっと恥ずかしくて顔を隠していただけだから!!」

「本当に?」

ずいっとラグザンドが顔を近づけてくる。

「本当だから!あんまり顔を近づけないで…恥ずかしいから…」

ライオンくんを無理矢理間に挟み、これ以上近づけないようにしたけど。
すぐに下に下げられた。

「隠さないで」

「やだ」

頑張って顔を下に向けて見えないようにした。
小ささが優位に働いて、顔を見れないようにすることに成功した。

ラグザンドは大公殿下の言いつけをしっかり守っていて、僕に触れてくることはないから無理矢理顔を見られることはない。
本当は触っちゃいけないとかはないけど、ラグザンドには交流の中に触れ合いも含まれているみたい。

「ネヴィレントがそういうなら仕方ないね。大丈夫になったら可愛い顔を見せて」

ほら、こんなことを言うから恥ずかしくて仕方ないの。
こんな8歳なんて僕は知らない。

ぺちぺちと弱い力でラグザンドの足を叩くけど、ラグザンドは笑って受け入れてくれた。
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