悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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明日から一週間掛けてテストが行われる事になった。
今日は明日の為に丸一日自習の時間になった。

ノートに書けなかった注意事項をみんなで全部写せたから、これからは個人で勉強する時間にした。
勉強を図書館でしようと思って、図書館に向かったけど勉強スペースは全部埋まっていた。

カフェテリアは勉強禁止だから渋々教室に戻る事にした。
教室には誰もいなくて静かな状態。

カバンから教材とノートを取り出した復習を始めた。
午前中は筆記教科を全般に復習するけど、自身のない貴族史を中心に自身のある教科は最悪部屋に戻ってから少しの時間だけする予定。

「貴族史ってなんでこんなにめんどくさいの…。同じような名前ばっかりで覚えるの辛いよ」

頭を抱えながら貴族史を復習している。
工夫しながら覚えていっているけど、全部覚えられる自信がない。

これを覚えられるみんなが凄いよ。
少し頭が痛くなってきたから気分転換で、窓の外を眺める為に席を立って窓の近くに行った。

窓の外には小さな小さな人が浮いていた。
…は?

「なん、なんで、浮いて!?」

窓を開けると、その小さな人がわらわらと教室の中に入ってきた。
大半が僕の周りに漂い続けてる。

『やっとぼくたちのことみえたんだ~』

『もっといたずらしようとおもってたのに~』

『えへへ~』

囁き声ではあるがかなりの数になるのかさまざまな声が流れてきた。
耳を塞いでも脳内で響いているように、声の大きさが全く変わらない。

「うるさい」

『そんなこといわれてもやめないよ』

『みえなかったおまえがわるいんだから』

そう口々に、囁き声は次第に酷く煩い笑い声に変わっていく。
耳を塞いでも響く声に頭がおかしくなりそう。

「うるさい!黙ってよ!」

叫んだ途端小さな人の声が一気に静まり返った。
全員が全員口を押さえながらニヤニヤと笑っている。

嫌な気がした。
後ろを振り返ったら、ハルト様が傷ついた顔をして立っていた。

「その、うるさくてごめん…」

「ちが、ハルト様は何も悪くない…」

「ネヴィが嫌がっているなんて、気が付いてなくてごめんなさい」

ハルト様の目からボロボロと大粒の涙がこぼれ落ちる。
後ろからくすくすと嫌な笑い声が聞こえる。

わかってて嵌めたんだあいつらは。
ラグくんを床に落とし、ハルト様にガバリと抱きついた。

こんな顔をさせたくなかった。
気がつけなかったとはいえ、傷つけるつもりなんて毛頭なかった。

「ハルト様、いや…ハルトのことを僕が嫌うわけない。今僕には理解も正体も分かってないけど、さっきの言葉はハルトに言っていない」

上を向けばまだ涙が溢れている。

「僕はハルトが好きだよ。嫌なこともない。嫌ってなんかない」

「本当に?僕の事好き?」

まだヒックヒックと言っていて、しゃくりあげているハルト。
後ろでずっとくすくすと聞こえる笑い声に苛立ちを感じる。

「好きだよ」

「ん、分かった」

ぐすぐすと泣き続けてるけど、顔は少し晴れやかになった気がする。
誤解をどうにか解けたようで少し安心した。

今だに後ろでくすくすと笑う声がかなり苛立たしい。
それらの対処に困っていた。
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