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「立ち話もなんだから座ってお話ししよう」
手を引っ張られお気に入りの四阿に入ると、日向ぼっこが大好きだった僕の為にと設置されていた椅子に座らされた。
僕の隣に当たり前の様に座り、逃げないようにとでもだろうか僕の手を握ってくる。
暖かい筈なのに背中が寒くて仕方がない。
「そういえばあのレムナント侯爵令息から無碍に扱われていた事だけど婚約破棄になった?」
一番触れて欲しくなかった内容を最初に切り込まれて咽せた。
なんとか落ちつて、話せる状況になって伝える事にした。
「婚約破棄になってないよ。侯爵夫人の生まれが絡んで今回の一件では破棄にするが難しいって事だったの」
「そうなんだ。じゃあアイツ殺せば婚約の維持なんてできないよね?」
あまりの発言に僕はバッとラグザンドの方に向くと先ほどと変わらず明るい表情のままだった。
ああ、違和感の正体はこれだったのか。
ラグザンドは既に人を手にかけてしまっているんだ。
僕はギリギリを綱渡で生きていたけど、ラグザンドは環境が原因なのかそれとも過去にそうせざるを得ない状態になったのか。
それは僕には分からないけど彼を大きく変えた要因はここにあるんだろう。
「ラグザンドがそんな事をする必要はないよ。これは僕とハルトとの問題…うぐっ…」
話している最中に頬を掴まれて無理矢理目を合わせられる状態にされた。
全く痛くないけどやっぱりこの状況はただ恐怖心しか煽られない。
「私と一緒にいる間は他の男の名前を口にしないで。嫉妬してどうにかなってしまいそうだ」
口調は優しいけどこれは脅しだ。
「ああ、それと私を呼ぶ時はラグと呼んで。ネヴィにだけ特別だよ?」
呼ばないという選択はない。
頬から手が離されてやっと話せるようになった。
「ね、ネヴィ」
「はい、ラグ…」
僕は何を間違えてしまったのだろうか。
ラグザンドと出会ってしまった事自体が間違いだったのだろうか。
恐怖のせいでどうしても考え事がは悪い方にいってしまう。
お昼ごろになるまでラグザンドと会話をしていたけど生きた心地は一切しなかった。
ラグザンドも学院を抜け出してきたのもあったから、午後の授業には出ないといけないからとやっと帰ってくれた時は地獄から生還した気分だった。
少しの間四阿から動けなかった。
やっと動ける時にはお昼の時間はかなり過ぎていて、僕付きの侍従が探している所を発見された。
様子がおかしい事を聞かれたけど話すとその後何が起こるか分からなくて口を閉ざすことしかできなかった。
お昼はあまり食べれなくてかなりの量を残してしまった。
そういえばラグくんをお庭に置いてきてしまった事を思い出して、行きたくない気持ちを抑え込んでラグくんを落とした所まで行くがそこにラグくんの姿はなかった。
四阿までいくと椅子に一枚の紙が置いてあった。
紙を拾うと何か文字が書いてあって読むと、ラグくんをラグザンドが持って帰ったと書いてあった。
それ以外に何も書いてなくて僕は思いっきり紙を破った。
侍従が慌てふためくけどそんな事は知らない。
字が読めなくなるほど破くとそのまま地面に投げ捨てた。
僕の大切なラグくんを誘拐するなんて許せない。
「精霊!!」
『はーい、ってそんなおこってどうしたの~?』
『こわーい』
きゃっきゃっと笑う精霊の声も今はとても煩わしく聞こえる。
「今すぐ僕のラグくんを取り返して」
『らぐくんってあのぬいぐるみの~?』
『とりかえしたらなにしてくれる~』
「お菓子をあげる。ただし、取り返した子にだけね」
お菓子という言葉に反応して精霊達はパッと僕の周りから全員が消えた。
お菓子という名前で言っているけど、ただ僕の魔力をあげるだけだ。
僕の魔力は精霊にとってはお菓子も同然なほど甘いんだとか。
そんなことはどうでもよく、僕は精霊を部屋で待つことにした。
侍従は僕の態度の代わりようにビクビクと怯えている。
ああ、取り繕うことができなくて怖がらせてしまったみたい。
本来は宥めなきゃいけないけど、それはラグくんを取り返してからだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
普段ならもっと早くに帰ってくるのに、夕方になっても精霊達が戻ってこない。
窓を開け放って精霊を待っていると、急にかなりの人数の精霊が泣きながら帰ってきた。
『びええええええ!!あのにんげんこわいぃぃぃいい!!!』
『もういきたくない!!』
口々に泣き言を言って僕に精霊達がひっついている。
「ラグくんは?」
『むりだよ!!あいつこわい!!』
1人の精霊がそう叫んだ後、誰も彼もが泣き叫んで話にならない状態になった。
ラグくんを取りに行くどころか、精霊が見えないラグザンドに追い返された。
見えないのにどうやって対処したんだと思うと同時に、9年振りにラグくんがいない日を過ごすと思うと悲しくなって精霊と一緒に大泣きした。
やっと落ち着いた頃には日が暮れ始めていた。
侍従を呼んで冷たいタオルを持ってきてもらい、夕食までに腫れた目をどうにかする為に冷やした。
手を引っ張られお気に入りの四阿に入ると、日向ぼっこが大好きだった僕の為にと設置されていた椅子に座らされた。
僕の隣に当たり前の様に座り、逃げないようにとでもだろうか僕の手を握ってくる。
暖かい筈なのに背中が寒くて仕方がない。
「そういえばあのレムナント侯爵令息から無碍に扱われていた事だけど婚約破棄になった?」
一番触れて欲しくなかった内容を最初に切り込まれて咽せた。
なんとか落ちつて、話せる状況になって伝える事にした。
「婚約破棄になってないよ。侯爵夫人の生まれが絡んで今回の一件では破棄にするが難しいって事だったの」
「そうなんだ。じゃあアイツ殺せば婚約の維持なんてできないよね?」
あまりの発言に僕はバッとラグザンドの方に向くと先ほどと変わらず明るい表情のままだった。
ああ、違和感の正体はこれだったのか。
ラグザンドは既に人を手にかけてしまっているんだ。
僕はギリギリを綱渡で生きていたけど、ラグザンドは環境が原因なのかそれとも過去にそうせざるを得ない状態になったのか。
それは僕には分からないけど彼を大きく変えた要因はここにあるんだろう。
「ラグザンドがそんな事をする必要はないよ。これは僕とハルトとの問題…うぐっ…」
話している最中に頬を掴まれて無理矢理目を合わせられる状態にされた。
全く痛くないけどやっぱりこの状況はただ恐怖心しか煽られない。
「私と一緒にいる間は他の男の名前を口にしないで。嫉妬してどうにかなってしまいそうだ」
口調は優しいけどこれは脅しだ。
「ああ、それと私を呼ぶ時はラグと呼んで。ネヴィにだけ特別だよ?」
呼ばないという選択はない。
頬から手が離されてやっと話せるようになった。
「ね、ネヴィ」
「はい、ラグ…」
僕は何を間違えてしまったのだろうか。
ラグザンドと出会ってしまった事自体が間違いだったのだろうか。
恐怖のせいでどうしても考え事がは悪い方にいってしまう。
お昼ごろになるまでラグザンドと会話をしていたけど生きた心地は一切しなかった。
ラグザンドも学院を抜け出してきたのもあったから、午後の授業には出ないといけないからとやっと帰ってくれた時は地獄から生還した気分だった。
少しの間四阿から動けなかった。
やっと動ける時にはお昼の時間はかなり過ぎていて、僕付きの侍従が探している所を発見された。
様子がおかしい事を聞かれたけど話すとその後何が起こるか分からなくて口を閉ざすことしかできなかった。
お昼はあまり食べれなくてかなりの量を残してしまった。
そういえばラグくんをお庭に置いてきてしまった事を思い出して、行きたくない気持ちを抑え込んでラグくんを落とした所まで行くがそこにラグくんの姿はなかった。
四阿までいくと椅子に一枚の紙が置いてあった。
紙を拾うと何か文字が書いてあって読むと、ラグくんをラグザンドが持って帰ったと書いてあった。
それ以外に何も書いてなくて僕は思いっきり紙を破った。
侍従が慌てふためくけどそんな事は知らない。
字が読めなくなるほど破くとそのまま地面に投げ捨てた。
僕の大切なラグくんを誘拐するなんて許せない。
「精霊!!」
『はーい、ってそんなおこってどうしたの~?』
『こわーい』
きゃっきゃっと笑う精霊の声も今はとても煩わしく聞こえる。
「今すぐ僕のラグくんを取り返して」
『らぐくんってあのぬいぐるみの~?』
『とりかえしたらなにしてくれる~』
「お菓子をあげる。ただし、取り返した子にだけね」
お菓子という言葉に反応して精霊達はパッと僕の周りから全員が消えた。
お菓子という名前で言っているけど、ただ僕の魔力をあげるだけだ。
僕の魔力は精霊にとってはお菓子も同然なほど甘いんだとか。
そんなことはどうでもよく、僕は精霊を部屋で待つことにした。
侍従は僕の態度の代わりようにビクビクと怯えている。
ああ、取り繕うことができなくて怖がらせてしまったみたい。
本来は宥めなきゃいけないけど、それはラグくんを取り返してからだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
普段ならもっと早くに帰ってくるのに、夕方になっても精霊達が戻ってこない。
窓を開け放って精霊を待っていると、急にかなりの人数の精霊が泣きながら帰ってきた。
『びええええええ!!あのにんげんこわいぃぃぃいい!!!』
『もういきたくない!!』
口々に泣き言を言って僕に精霊達がひっついている。
「ラグくんは?」
『むりだよ!!あいつこわい!!』
1人の精霊がそう叫んだ後、誰も彼もが泣き叫んで話にならない状態になった。
ラグくんを取りに行くどころか、精霊が見えないラグザンドに追い返された。
見えないのにどうやって対処したんだと思うと同時に、9年振りにラグくんがいない日を過ごすと思うと悲しくなって精霊と一緒に大泣きした。
やっと落ち着いた頃には日が暮れ始めていた。
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