悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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「ラグザンドがこんな状態であるから婚約を破棄してしまうと、何が起こるか私たちですら分からないから破棄はネヴィレントの為にやめた方がいいだろう。ただそれですらただの先延ばしになるだろうが…」

「先延ばしになるとは…」

「メルトお前ならよくわかっているだろう。種族の寿命の壁は越えることが難しい。相手が亡くなれば合法的にネヴィレントを手に入れることができる。こいつは最悪そこまで考えている」

「すぐに手に入れられるなら直ぐに手に入れますよ」

さらっと僕を物扱いの如き発言をしないで。

「吸血衝動を完全にコントロールできているから危険性は低いが…。今回と同じ事があれば先にネヴィレントの自我がおかしくなるだろうから、基本的には近づくこと禁ずるつもりだが…」

またお腹苦しくなってきた。
ぎゅってしないで、中身出ちゃう…

ぺちぺち叩いても力が緩む様子がない。

「ラグ、力抜いて…吐いちゃう…」

「ごめんね」

力を抜いて貰って、2回目のリバース仕掛けもなんとか回避できた。
なんで僕今日だけで2回吐きそうになってるんだ。

少し疲れたからぼーっとしてると、お母様とレギストス大公夫人の会話もどこか遠く聞こえる。
そのままぼんやりしてたら眠たくなって、そのまま僕は寝てしまったみたいだ。


ーーーーーーーーー

あまり嗅ぎ慣れない匂いで目を覚ますと僕はベッドの上にいた。
あの食事会から僕は眠ってしまったみたい。

横を見るとラグザンドが眠っていた。
レギストス大公夫人が許したとは思えないんだけど。

ラグザンドの側から離れようと思ったけど、腰に手を回されていて離れる事ができない。

「ネヴィ私から離れるつもり?」

ぐいっと引き寄せられてラグザンドの胸元に顔が当たった。
少し堅かったけど勢いは強くなかったからぽすっとした感じ。

「今日はお母様にお許しを貰ってネヴィと一緒に寝ることを許されたんだよ」

嬉しそうに微笑むラグザンドは昔のラグザンドの表情そのままだった。

「昔の様に一緒に寝られるの嬉しい」

そのままぎゅうっと抱きしめられて、ちょっと息苦しく感じるけどそこまで強い力ではなくてびっくりした。
食事会の時の強い力は何処へ?

「このまま成長しないままの状態で閉じ込めたいけど…」

けどなんだろう。
気になるけどそれを聞く自信はなくて、ずっと黙っていると小さな息の音が規則正しく聞こえてきた。

どうやら寝てしまったみたい。
まだ夜も深いから僕も寝ようとするけど、食事会の時から今まで寝ていたからかなりの睡眠が取れて直ぐに寝れない。

何もできる事がなくてラグザンドの胸元に擦り寄る。
ふわっと香るムスクの匂いに懐かしさも感じる。

出会ったあの時も一緒に寝てくれたし、お父様お母様と会えなくて悲しくて泣いた時とかにもずっとそばにいてくれた。
今のラグザンドは確かに怖いけど、あの時一緒に過ごしてくれたラグザンドの事も覚えてる。

ラグザンドの胸元に顔を埋めつつ僕は眠りについた。
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