悪役に好かれていますがどうやって逃げれますか!?

菟圃(うさぎはたけ)

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教会の教理の一つとして人は人として扱う。
当たり前の事でありながらも、人種差別があるこの世界では貴い考えとされていた。

それを教会の頂点にも近い聖女が人を物の様に扱う発言をしたとなれば想像を絶する程の発言になるだろう。

「私は家族として育った人を、物として扱われる発言をされた挙句私からその人を奪うという様な発言もされました。その結果私自身が魔王を生み出してしまったのです」

ラグにぎゅっと肩を抱かれる。
何が起こってもすぐに対応するという事だ。

だが予想を裏切って神官達は動きを見せない。

「最初私の意識はありませんでした。私の意識が戻ったのは魔王によって意識を浮上させられ、私がツェーリア伯爵邸にいる事を知りました。その後は私自身の知恵と魔力操作のおかげで魔王の精神と魔王の力たる根源を切り離す事ができ、現在魔王は精神のみで無害な状態にしております」

無害化?そんな事が可能なのか?そんな内容が僕の耳に聞こえてくる。

「そして聖女愛を牢屋に拘束した理由でございますが、二度に渡って私を殺そうとする存在を貴賓として扱う事ができないという、伯爵家の判断によって地下牢に拘束をいたしました。地下牢に関しましては劣悪な環境ではなく貴族専用の地下牢ではございますので、劣悪とは言い難い場所になるでしょう。私からの意見は以上でございます」

僕は最後にそう言い終わるとラグと共に椅子に座った。
神官達の反応は様々で、愛の事を盲信している神官は僕の事を絶対悪だと信じ込んでいる。

公平性を持っている神官は僕の話を聞いてかなり困惑している様子だった。

「双方の意見相わかった。かなり意見が異なる故判断に時間がかかるかと思われたが…」

教皇がゆったりと立ち上がり、急に手を鳴らした。
教皇の元に真っ白な服装で音もなく教皇の元に馳せ参じた存在が見えた。

精霊達に魔法が打たれたら止めるようにと言っていた存在だったが、どうやら教皇の元にだけ使える存在だったようだ。
真っ白な白い服を着た人が教皇に錫杖を渡すとすぐに姿を消して、精霊が慌てふためいている所に戻って行った。

その錫杖を見た大神官達は顔色を真っ青にしていた。
神官達はその錫杖をみて、驚愕の表情を浮かべていた。

全く飾り気のないその錫杖に何か意味があるのだろうか。

「この錫杖を知らぬ者もおるから説明をしよう。この錫杖は教皇にのみ触る事が許されている嘘を見抜く魔法が付与された錫杖である。此度の会話も我が子飼いによって全ての結果を確認させてもらっていた」

愛の表情を見れば顔を真っ青にしている。
愛はあの錫杖の正体を知っていたんだろう。

そしてその錫杖が本当にその効力を持っている事が表情で語られている。

「まず聖女愛の意見だが、全て嘘であると証明された」

教皇がそう宣言した結果、愛を信じていた神官達は床に崩れ落ちた。
愛側の席についている神官達は大神官並みに顔色を真っ青にしている。

「そしてネヴィレント・ツェーリア伯爵令息の意見は全て本当であると証明された」

僕にとって勝利宣言に等しいその言葉に涙が溢れそうになった。
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