君の鼓動を感じて~BLUEストーリー~

藤原葉月

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出会い

第4話

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「クゥーン」

ある雨の日である。
雨の中なのに、通学途中の土手に捨てられた子犬をよしよしする青年がいた。

それは武くん先輩。

⤴もはや君付け。


そう半年前の俺と先輩の出会いを話そうか。


「ごめんやで?飼ってあげたいんやけど、うち、ペット禁止なんやわ」


と子犬によしよししながら話しかけ、

「せめてこれで雨を凌いでな?」

と、自分の傘を子犬の入ったダンボールにおいて走り去っていった。



そしてその様子を見ていたのは・・・

「へぇ?あんな人もいるんや。よかったなぁ」
武くんが高校2年生、みっちーが中学3年生の冬の始まりの日だった。
2人はまだこの時は面識なし。



「こんな雨ん中、濡れたら自分も風邪ひくやんな?」

同じくその子犬をよしよしして・・・抱き抱えた。


「でもあの人はお前を風邪ひかんようにするやなんて優しいよなぁ・・・」
「クゥーンυ´• ﻌ •`υ」

「そうや!お前・・・、俺ん家に来るか?俺ん家ならペット可能やし・・・ちょうど飼いたいなぁって思てたとこやし・・・」

とその子犬を抱き上げて、連れて帰ったんや。

「ワン」

嬉しそうな顔をしてくれた。



ところがや・・・
次の日、その場所に子犬がいることを覚えていた武くんはいつものように子犬の相手をしようとしていたみたいやけど・・・

「あれ?俺・・・傘置いていったよな?犬ごとおらへんやん・・・」

とその場をウロウロしていて・・・

「おーい!武くーん!大ちゃーん」

遠くから誰かが武くんを呼んでいて?

「武くん・・・はよ行こ?おいてくで?友、行ってしもたわ」

「おーい!2人とも!早く早く!!」


「友、待ってや!今行くから!もう、はよ行き過ぎやわ」



「おかしいなぁ。犬もおったはずやのに犬ごとおらんやなんて・・・・」

ずっと傘と子犬を気にする武くんがそこにはいた。


「もうええやん。そこにおらんってことは、誰かが連れて帰ったんちゃうの?元飼い主とかさ・・・」

「けどさぁ・・・それやったら・・・」

傘は置いてくやろ?

「傘も一緒に持っていったんやなその人は。けど、だからこそ、もしかしたらその犬を飼ってくれたりして・・・」


「・・・・・・」

「もしかしたらさぁー、その【誰か】って人が傘を返しに来てくれるかもしれやんやん?それが、運命の出会いかもしれやんやん!男か女かわからんけど」

「なんでや」

「あれ?そこ喜ぶとこやけど?」
不機嫌そう。
喜べよ!そうやなって!


「なんでや!なんで傘まで持ってくんや」


「いやいや怒るとこそこかよ」



納得がいかないみたいや。
別にええやん。傘くらいと大ちゃんはその時思っていた。




そして・・・

「これあの人の傘やんな?壊れてへんし・・・困っとるかな」

傘を丁寧に折りたたみ、登校するみっちーの姿があった。
今日はこんなに天気ええのになんで傘もってるんや。




「その傘どうしたん?みっちーには似合わん傘やな。ってか、そんな色持ってた?あと、今日は傘いらんのに」
そこに現れたのはみっちーの親友 長山 健。


「うわっ、ひどっ。ってか俺のとちゃうからな?
あっ、でも綺麗なスカイブルーやな」

「えー?みっちーのやないんや。っていうか天気ええのになんで傘を持ってるんや(2回目)」

「・・・ええやん、別に」



「ほら、はよ行くで?」
と先に歩き出したのは健。


「って言うかさ・・・聞かないのかよ」
彼を追いかけながら


「えっ?何を?」
「なんで傘もってるかとかさ」


「別に聞いても大したことやないやろ?(その言い方やと聞いて欲しいんやな?)」


「それが、大したことあるんよ。持ち主を俺は知ってるから。きっと困ってると思ってさ。こうして子犬がいた場所で待ってたら来るんやないかなぁーって思ってさ」

でも移動してません?


「あー・・・もしや昨日、犬の相手してた人?」
「な、なんや。見てたんかいっ」


「顔はよく見えやんかったけどな。ってか傘なんてさ何本もあるやろうから困るとかないんちゃうの?」
「犬・・・助けた人やし」

「でも男だったじゃん」

「やっぱ見てたんやん!」

「なぁ?もしかしてさみっちー・・・その男が好きなん?」

⤴また好きって、言われてる(笑)

「いや、あのなぁ・・・【好き】とかやなくて・・・俺はその人にちゃんと返して・・・」

と話しているところに・・・

「あの・・・」


「えっΣ(゚д゚;)Σ(゚д゚;)」

2人して振り返ると


あの人は話しかけてきたんや。

しかも顔は怒ってる?


そうこれが初めての出会いと言ってもええかもしれやん。

⤴初対面なので当然名前は知りません。



声をかけてきたのは・・・紛れもない、傘の持ち主や・・・。

 「なんであんたが俺の傘もってるんや」


その人は機嫌が悪いのかなぜか怒った顔をしている。

視線は俺が持ってるスカイブルーの折りたたみの傘。

「そ、それはその・・・(今からあなたに返そうとして・・・)」
「それ・・・犬にあげたはずの傘なんやけど?」

と睨みつけられたような?
「あ、あの違うんや・・・」
「何が違うんや!違わんやろ!!人のやつを盗んだのと一緒やないか!傘返して」

と、傘を奪われる。

「あっ・・」

「ふん」

「そ、そんな言い方」

「そうやん、武くん、どうしたん?」
と先輩の友達らしき人2人も一緒にいる。

「この子の言う通りや。そんな言い方せんでもええやん。ごめんなぁ?」


一緒に居たふたりは助け舟を出してくれたけど・・・
「人のもん持ってくやなんて最低なやつがするやつや。下手すると窃盗やで?」


とまだ怒りモードが消えないようで?

な、なんなん?俺なんか悪いことしたか?

「えーっとあの?おっしゃってることが・・・あとそれは盗んだんやなくて・・・」

と、俺が説明しようとしたけどちゃんと言葉に出来ずにいて・・・。

「もうええわ!」
と言われてしまった。

「(さらに逆切れするやなんて。説明させろや)」
「ごめんなぁ?彼ちょっとイラついとるんや」

「たった今、大失恋してしもてな」

「えっΣ(゚д゚;)大失恋?」

それで俺に八つ当たり?😡
失恋くらいでなんで八つ当たりされなあかんのや


「ほな、僕らはこれで・・・武くん、待ってや!」


「・・・・・」
「ごめんな?」

あの人は俺の事を見なかった。
見なくてもええけどさぁ。


「・・・・・・なんなん?あの人!!(優しいだなんて前言撤回やわ!ましてや好きやなんて!!)」



俺はその時の先輩の顔を忘れられない。

なんなんや!

優しい気持ちを持った俺はなんなんや!!



そう!これがたけ先輩との最初の出会いや。

思い出したらイラついてきた!

「とあの先輩とはそんな出会い方しててさ」


「マジで?」

「マジで」




「・・・・・」


「・・・・」

黙って聞いていた2人は最初はワクワクしていたけどなんだか黙ってしまい


「なぁ?これのどこが運命の出会いなん??」
と呆れる聖也くん。

「・・・・キュンとせんかったな」
と同意する恭一。

そう俺と武くん先輩は最悪な出会いをしていたからや。


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