19 / 59
絆
第19話
しおりを挟む
「どこだ!どこにいる!!」
「みんな、気をつけて・・・・」
5人が村に着いた途端、妖気が全体に広がっていることを感じた。
だが、村人たちには何も起きていなかった。
「どういうことだ。誰も襲われていないなんて・・・・」
5人より少し遅れて村に入ってきたヨシは思わず呟いた。
「そうですね・・・これはおかしいですね」
「でもみんな感じてるよな?この村の中に妖気を。」
「気のせいなのかな・・・」
と、ケンは首を傾げる。
「そんなはずは・・・」
と、ジュン。
「まだまだ未熟だな。あんた達の能力も俺の事言える立場じゃないんだな」
何故か苛立ちを感じて来たヨシ。
そこへ、
「旅のお方たちですか?どうぞ我が館へ来てください。今夜の宿にぜひ」
「・・・・そうですね。今日はみなさん疲れてますから。あなたの所で、ありがたく休ませていただきます」
と、ご厚意に甘えることにした。
そして、
「あの?つかぬ事を聞きますが、さっき変なやつらきませんでしたか?」
「変なやつらとは?」
村人たちに聞き返され、
「いや、気のせいですね・・・きっと」
と、ゴウはそれ以上答えずにいたが・・・・
少し違和感を感じていた。
「ねぇ兄さん、もう休みますよ?」
なぜか寝ようとしないゴウに、ジュンが声をかけた。
「もう少し起きてるよ。何があるかわからねぇし」
「あれ?ヨシさんは?しってる?」
「あぁ、あの人なら1人でさっさと自分の部屋にはいっちゃいましたよ。本当に、人と話すのが苦手なんだな」
と、マサさん。
「ところがさ、あの人・・・女王様の前じゃ全然違うぜ?気づいたヤツいる?」
「女王様って、もしかしてレイナ様のこと?」
「俺も気づいたよ。あの人の前だとなんか顔が違うんだよなぁー 。だけど、あの人がヨシさんを変えてくれる人なんだよ、きっと。俺も旅に出る前に約束してきたからさ」
マサは切なそうな顔をして言った。
「必ず生きて戻るってね」
「マサさんはその約束した人が、大切な人なの?」
「そうだよ。結婚を約束した人だ。ケンカばかりだったけど、やっとお互いの気持ちを分かり合えたから・・・・・」
「そっか!すっごくいい話だね!じゃあさ、ヨシさんもそういう人いないのかな。それがあの女王様ならなおさら素敵だね!僕にもこう見えているんだよ?守ってあげなきゃいけない人・・・。だから、絶対強くなって戻るんだ!」
と、ケンはワクワクした気持ちで答えていた。
ケンの決意を微笑ましく聞きつつ・・・
「そう言えばなんですが、ヒロさんは?聞いてる途中でしたっけ?たしか、行方不明の恋人がいるとか」
「えっ?そうでしたっけ・・・。もう、何ヶ月も前の話ですが・・・・」
そういうヒロさんも、せつない顔をした。
「そういう顔をするってことは、その人が大切で、忘れられないってことだよね?」
と、ケンがまた、興味津々に聞き出す。
「えぇ、もちろん。でも、いまどこにいるのかわかりませんから・・・」
すっかり話し込んでいることを忘れている5人は・・・・
「あの・・・・」
「あっ、すいません、起こしてしまいましたか?こんな遅くまで・・・・」
「旅のお方ですよね?」
ドアの前にいたのは、1人の少女だった。
「どうかされましたか?」
「おかしいんです」
「おかしい?何がおかしいんですか?僕らで良ければ話してください」
「さっきまであったんです」
「まさか、さっきの妖気が・・・」
「そうですね、その可能性はあります」
「あのクリスタルで魔物を追い払っていたのですが・・・盗られてとなると」
「なるほど・・・たしかに・・・村を守るクリスタルがなくなれば、皆さんの命も危ないですね」
「どうする?ヒロさん」
「妖気は微かに残っているのに実体がないなんておかしくないか?」
5人は悩んでいた。
そしてその頃ヨシも、眠れずにいて・・・。
「あの妖気が消えていない。それに、村人たちが襲われていない。もしこれが奴らの作り出した世界だとしたら?」
ヨシは、そう考えた。
そしてそれは正しかった。
しかしヨシは安心しきっていた。
彼らには、わかるだろうと。
僕なんかより力あるし・・・・。
「ミュウ!ミュウ!」
「どうした?ミュウ・・・・」
「外が騒がしいぞ?」
「曲者だ!この村に曲者がいる!!」
「きっと奴らはクリスタルを盗んだに違いない!」
「なんだ?何事だ?」
ゴウ達が休んでいる部屋に村人たちが乗り込んできた!
「旅の人達、あんた達がクリスタルを盗んだんだな?」
「どういうことですか?ぼくたちは先程その女性からクリスタルがある場所を教えて貰ったばかりです。」
「そうだよ!この村にクリスタルがあることを初めて聞いたんだ。盗むわけないよ」
「俺たちはあんたたちを助けに・・・・」
だが、村人たちは聞く耳を持たず、
「いいから自分たちの荷物を全部出せ。」
「なんだ?何が起きてるんだ?」
5人は訳もわからず連れ去られてゆく。
「・・・・えっ?」
ヨシは、慌ててしたにおりてみんなを追いかけようとした。
「お前、あの者たちの仲間じゃないのか?」
「えっ!?」
ヨシの目の前に立っていたのは、綺麗な女の人だった。
「みんな、気をつけて・・・・」
5人が村に着いた途端、妖気が全体に広がっていることを感じた。
だが、村人たちには何も起きていなかった。
「どういうことだ。誰も襲われていないなんて・・・・」
5人より少し遅れて村に入ってきたヨシは思わず呟いた。
「そうですね・・・これはおかしいですね」
「でもみんな感じてるよな?この村の中に妖気を。」
「気のせいなのかな・・・」
と、ケンは首を傾げる。
「そんなはずは・・・」
と、ジュン。
「まだまだ未熟だな。あんた達の能力も俺の事言える立場じゃないんだな」
何故か苛立ちを感じて来たヨシ。
そこへ、
「旅のお方たちですか?どうぞ我が館へ来てください。今夜の宿にぜひ」
「・・・・そうですね。今日はみなさん疲れてますから。あなたの所で、ありがたく休ませていただきます」
と、ご厚意に甘えることにした。
そして、
「あの?つかぬ事を聞きますが、さっき変なやつらきませんでしたか?」
「変なやつらとは?」
村人たちに聞き返され、
「いや、気のせいですね・・・きっと」
と、ゴウはそれ以上答えずにいたが・・・・
少し違和感を感じていた。
「ねぇ兄さん、もう休みますよ?」
なぜか寝ようとしないゴウに、ジュンが声をかけた。
「もう少し起きてるよ。何があるかわからねぇし」
「あれ?ヨシさんは?しってる?」
「あぁ、あの人なら1人でさっさと自分の部屋にはいっちゃいましたよ。本当に、人と話すのが苦手なんだな」
と、マサさん。
「ところがさ、あの人・・・女王様の前じゃ全然違うぜ?気づいたヤツいる?」
「女王様って、もしかしてレイナ様のこと?」
「俺も気づいたよ。あの人の前だとなんか顔が違うんだよなぁー 。だけど、あの人がヨシさんを変えてくれる人なんだよ、きっと。俺も旅に出る前に約束してきたからさ」
マサは切なそうな顔をして言った。
「必ず生きて戻るってね」
「マサさんはその約束した人が、大切な人なの?」
「そうだよ。結婚を約束した人だ。ケンカばかりだったけど、やっとお互いの気持ちを分かり合えたから・・・・・」
「そっか!すっごくいい話だね!じゃあさ、ヨシさんもそういう人いないのかな。それがあの女王様ならなおさら素敵だね!僕にもこう見えているんだよ?守ってあげなきゃいけない人・・・。だから、絶対強くなって戻るんだ!」
と、ケンはワクワクした気持ちで答えていた。
ケンの決意を微笑ましく聞きつつ・・・
「そう言えばなんですが、ヒロさんは?聞いてる途中でしたっけ?たしか、行方不明の恋人がいるとか」
「えっ?そうでしたっけ・・・。もう、何ヶ月も前の話ですが・・・・」
そういうヒロさんも、せつない顔をした。
「そういう顔をするってことは、その人が大切で、忘れられないってことだよね?」
と、ケンがまた、興味津々に聞き出す。
「えぇ、もちろん。でも、いまどこにいるのかわかりませんから・・・」
すっかり話し込んでいることを忘れている5人は・・・・
「あの・・・・」
「あっ、すいません、起こしてしまいましたか?こんな遅くまで・・・・」
「旅のお方ですよね?」
ドアの前にいたのは、1人の少女だった。
「どうかされましたか?」
「おかしいんです」
「おかしい?何がおかしいんですか?僕らで良ければ話してください」
「さっきまであったんです」
「まさか、さっきの妖気が・・・」
「そうですね、その可能性はあります」
「あのクリスタルで魔物を追い払っていたのですが・・・盗られてとなると」
「なるほど・・・たしかに・・・村を守るクリスタルがなくなれば、皆さんの命も危ないですね」
「どうする?ヒロさん」
「妖気は微かに残っているのに実体がないなんておかしくないか?」
5人は悩んでいた。
そしてその頃ヨシも、眠れずにいて・・・。
「あの妖気が消えていない。それに、村人たちが襲われていない。もしこれが奴らの作り出した世界だとしたら?」
ヨシは、そう考えた。
そしてそれは正しかった。
しかしヨシは安心しきっていた。
彼らには、わかるだろうと。
僕なんかより力あるし・・・・。
「ミュウ!ミュウ!」
「どうした?ミュウ・・・・」
「外が騒がしいぞ?」
「曲者だ!この村に曲者がいる!!」
「きっと奴らはクリスタルを盗んだに違いない!」
「なんだ?何事だ?」
ゴウ達が休んでいる部屋に村人たちが乗り込んできた!
「旅の人達、あんた達がクリスタルを盗んだんだな?」
「どういうことですか?ぼくたちは先程その女性からクリスタルがある場所を教えて貰ったばかりです。」
「そうだよ!この村にクリスタルがあることを初めて聞いたんだ。盗むわけないよ」
「俺たちはあんたたちを助けに・・・・」
だが、村人たちは聞く耳を持たず、
「いいから自分たちの荷物を全部出せ。」
「なんだ?何が起きてるんだ?」
5人は訳もわからず連れ去られてゆく。
「・・・・えっ?」
ヨシは、慌ててしたにおりてみんなを追いかけようとした。
「お前、あの者たちの仲間じゃないのか?」
「えっ!?」
ヨシの目の前に立っていたのは、綺麗な女の人だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる