voyager~不思議な船旅~

藤原葉月

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旅の始まり

警告

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博巳と、昌也は、ある光景を見た。
「あの二人って、ミミさんと、キキさんだね。」
「なんだよ、博巳どちらかに気があるのかよ」
「んー。なんか、仲いいよね。ほかのメイドさんと違ってさ」

二人の会話はこんな感じだ。
「ミミ、話聞きなさいよ」
「いやよ!聞かない!」
まるで、付き合っている恋人同士のケンカみたいだ。
「もう知らない!」
「勝手にしろよ!!」

「昌也兄さん、俺らも出掛けようか。なんかいいもの見つかりそうだし」
「ここに、残るんじゃないのか?」
「たまには弾けなきゃな、俺らも!」
「・・・・?」
昌也の手を引き、行こうとしたら
「あの!!博巳さんでしたか?」
「えっ?俺?」
「ちょっと付き合ってほしいんです」
「ミミさん・・・・でしたっけ」
「・・・知っててくれたんですね!嬉しい!」
「こいつ、食いしん坊ですよ?いいんですか?」
「博巳さんが、いいんです!あの、借りてもいいですか?」
「どうぞ、どうぞ。こいつ、優しいやつだから力になってくれるよ」
「・・・・あっ、でも俺なんかでいいんですか?キキさんの方が・・・・・」
「・・・いいの!キキのことなんか・・・・」
ミミさんは、強引に博巳を連れ出してく
「・・・昌也兄さんごめん。」
・・・あいつも、か。と昌也はおもったが、彼に近づくもう一人の人物
「・・・・キキさん?」
「・・・ミミ・・・見ませんでした?」
「・・・ミミさんなら、博巳と・・・・」
「そうなんだ。じゃ、あなたは、これから、どこか行くんですか?」
「どうしようか、迷ってるところです」
「・・・それじゃあ、今夜・・・」
「・・・今夜?」
「・・・この町のお祭り、夜もやってるから!一緒に行きませんか?」
「・・・いや、あの・・・・・」
「・・博巳さんは、きっとミミと行くから。」
「・・・ミミさんのこと・・・気になるんですね」
「・・・・と、とにかく約束です!!」
「・・・わかりました。夜ですね?あなたの仕事が、終わってから、ですよね?」
「・・・えぇ、ありがとう」
にっこり笑うキキさん。
一方、ミミさんは
「・・・ねっ、博巳さんは好きな方とかいるんですか?」
「・・・好きな人かー、うーん。今は、いないかな。フラれたばかりだしね。」
「・・・・あの、じゃあ・・・・・」
「・・・・ん?」
「相談に乗ってくれますか?」
「・・・相談って、ミミさんは、好きな人いるんだね。」
「・・・・すごく好きなんですけど・・・・・」
「・・・素直になれないってことですか?」
「・・・・そうなんです。彼は、誰にでも優しくて・・・・彼の気持ちがわからなくて・・・・」
「・・・・俺でよければいつでも力になります。いつでも、頼ってください。まぁ、そんな長くいられないと思いますが。」
「・・・ありがとうございます」
ミミさんも、同じようににっこり笑った。
そして、和彦と武司は
ただ、街を歩いていた。
そして、また、レンさんに、間違われてしまう武司。
「あの、みなさん、ものすごく言いづらいんですが・・・・」
「・・・実は、俺、レンさんじゃないんだ」
「・・え~ー!」
って、やっぱ、気づいてない?
「・・・ってか、本当は、レンさんが、どんな人か知らない!とか。」
「・・・レンさんじゃないけど、かっこいい!」
「・・・えっ?そこ?」
「・・・普通なら、拒否するか、返せって言われるよね?」
「正直に、話してくれてありがとうございます!」
そういって、野菜をわたし、わらわらと去っていく女子たちだった。
「・・・・なんか、変なの。俺たち、別世界のものなのに・・・・・」

樹たちは、
「・・・・ねぇ、この指輪ほしい」
「・・・えっ?指輪?」
そんなんまだ、早いよ
「・・・・思い出が、ほしいの」
「・・・・思い出・・・・」
意味深な言葉が気になったけど、優しい樹は、彼女に、指輪を、買ってあげた。
っていうか、お金持ってたんだ。
「・・あの、これで、買えますか?」
「樹さま」
目の前に現れたのは、
「・・・うわっ!ってか、誰」
「・・わたくしは、執事のジョーと、申します。これは、この国のお金でございます」
「・・・あっ!そっか、ここは地球じゃなかったんだった。ジョーさん、ありがと。」
「・・いえ、わたくしは、これで」
颯爽といなくなってしまった執事のジョーさん。
「・・・・樹?」
「・・・・・これで、お願いします」
「・・・まいどー!」
なんだか、地球のやりとりと、同じだ。本当に、異世界なのか?
お揃いの指輪をはめたアミさんは、嬉しそうだった。
「・・・ありがとう、樹」
「・・・こんなことで、ええんか?」
「・・・・うん、こんなことでいいの。」
「・・・・思い出が、ほしいって言ってたけど・・・それって」
「・・・今日は、ありがとう」
いつのまにか、城にもどってきていた。
「・・・あれ?いつのまに?」
彼女が、なにか、力を使ったのか?
「・・・・また、会える・・・・かな?」
フラッとした彼女は、どことなく疲れているように見える。
「・・・アミさん?大丈夫?」
彼女を、抱き止めると、
「・・・・また、誘うね」
そういって、にっこり笑い、彼女は、去っていった。
やはり、消えそうな彼女・・・・・。
そして、イナンと、僕、健斗は、
「・・・・レンさんの居場所早く見つかるといいね」
「・・・・うん」
「・・・イナンと、イオンさんの力を狙うってどういうことなの?」
「・・・健斗が、しることじゃないでしょ?」
「・・・でもさー、僕は、そいつらに操られたわけだし・・・・、許せないやつがまさか、イナンだったし。」
「・・・・そのうちわかると思う。あなたたちを巻き込みたくないから。」
「・・・イナン」
「・・・・僕は、イナンの力になりたい」
「・・・ありがとう、健斗」
僕とイナンは今まで以上に、プールで仲良く遊んだ。

そして、博巳は、
「あの!これ、読んでください!」
「えっ?」
手紙を、博巳兄さんに渡したのは、ミミさん。
その姿を見たのは、帰ってきた樹だった。

博巳は、さっそくその手紙を読んだ。
そこにかいてあったのは恋愛相談でもなんでもなかったのだ。
「・・・・この城に、組織の誰かが入り込んでいる。笑っていられるのもいまのうちだ。
そんな、脅迫状が、届きました。助けてくださいと・・・・・
そんな内容を読んで硬直してしまった博巳だった。
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