【完結】あなた達がどう足掻いても王になるのは私ですから

この説明をするのは何回目でしょうか

｢アメイル国の武器は先人的なものであり恐れるようなものではないと理解しているつもりですが？｣

私の言葉を遮り発言をしたのはアヴェーヌ公爵家です。

｢そうです。アメイル国の武器は我が国よりも劣りそれを目的に国交を再開し貿易を行うなど愚か者が行うことですわ。それを陛下は行っているのです。他の特産品があり我が国を豊かにするのであれば私は反対をしませんでしたが、特産品も無く国交を再開したとしてもこちらに利がないのは明確なのです。武力でこの国が負けることは考えられませんが、もし反旗を翻されることがあれば犠牲になるのは辺境を治めている辺境伯家やその領民、騎士団です。王都に住んでいる私たちの愚かな決断によりその地に住んている者たちが犠牲になることは絶対に避けなければなりません。アヴェーヌ公爵家はこのことが理解できないとでも？｣

｢しかし、アメイル国の第二王女をシュベルター様が娶るということにより人質が出来るのでは？それを狙い陛下もこの婚約を結んだと推測しております。｣

｢それでは、アメイル国の第二王女はどこへ嫁ぐというのでしょう。私生児である兄は王位を継ぐことは出来ませんし、これまで国民の血税により生かされてきた存在でしかありません。よって、王家に嫁ぐことは出来ませんわ。もう一つの手として兄に領地を治める知識と資質があれば新しい爵位と領地を授けてディスメインが女主人になる事が出来たでしょうけれど残念ながら兄にはそのような知識も資質もありません。よって、兄とディスメイン様には平民になって頂くこと以外の選択肢はございませんわ。｣

｢なんと…兄であるシュベルター様に平民になれとおっしゃるのか。そもそも、イザベル王女は正妃様から生まれたというだけで次期王になることが決定しているとは不平等でなりません。｣

次に私に反論してきたのはヴェルジー侯爵家です。

｢不平等？そもそもこの国の法で正妃が産んだ子以外は私生児であり、側妃の制度もありませんわよ。不貞をはたらいたのは陛下であり産んだのは妾でしょう。糾弾されるべきは陛下であり正妃でも私でもありませんわ。確かに兄は親を選べませんでしたが、私生児であるからこそ生き方を選択することが出来たはずです。兄が小さい頃から勉学に励んでいたのであればこれからの人生の選択肢はもっと広がっていたでしょう。陛下が兄と妾を甘やかしそれを当たり前だと今までなんの努力もせず堕落した生き方をした結果、持ってもいない権力を自分のものであると鼻にかけるような愚か者に育ったのです。｣