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33話 混沌。
しおりを挟むミライが二人の優しさに涙ちょちょぎれていると、ジョーンズが入って来た。
「あー?誰だ。壁ぇ?……酷いな」
「はい!!僕です、先生」
「あー。ユアンか、後で直しとけよ」
そう、特別クラスでは直せるなら壊してオッケー☆の精神なのである。
「おら、席つけー。まあ床でも何処でも良いから、とりあえず座れ」
適当にジョーンズは言う。何処でも良いらしいので、ミライ達はその場に座ることにした
何故かツバサの膝の上にマロンが座っていて、何故かミライの肩をブランがギリギリ握っている。
(え?痛いんですけど?)
即行でブランは、ユアンに一撃で沈められた。
(折角惨劇回避したのに、御愁傷様。)
ミライがブランを拝んでいるとジョーンズが一言。
「午前は自習!!」
そう言って、すぐに教室から出て行った。ミライは隣に座ったユアンに尋ねる。
「いつもこんな感じなの?こっちって授業はしないの?」
「うん、ほとんどか任務で出払ってる事もあるしね。あ、でも個人的に申し込めば、先生に勉強を見て貰うことも出来るよ?………でも、皆、殆ど申し込んだりして無いけどね」
「へー、じゃあ皆は自習って何するの?」
「それは、ワタクシに説明させて頂けませんか?」
しずしずと、お淑やかに桜が寄って来た。
(おめえ今更そのキャラで、行く気か?おん?)
ジト目を向けるミライだが、桜は気づかないフリをして続けていた。
「ご挨拶遅れまして、失礼致しましたわ。ワタクシ、桜志穂ですわ。」
挨拶されたら返さないといけない。渋々ミライも答える。
「園田ミライです。よろしく」
「ではミライ神さま、ご説明させていただきますわね」
「ミライ神さまって何!!!!???」
いつの間にか神になって居たらしいミライは震えた。
そんなミライの後ろでは、ライアンがにゃん子を引っ張り起こして、服の汚れをはたいていた。その横でツバサは膝にマロンを乗せて、隣に座るエリカの頭を撫でていた。
(ん?保育園かな?)
ブランはまだ気絶していた。
そしてブランをヤったユアンは、何処から持ってきたのか壁に土のような物を塗り固めていた。
混沌再びである。
(何これ………?アニメと全然違うんだが?)
ミライがポカンとして居ると桜が咳払いした。
「おほん!!………続けてよろしくて?」
「あ、はい」
「ジムと図書館、実習室は申請しなくても、いつでも使えますので、皆様大体その内の何処かで過ごされますよ」
(ふーん、そうなんだ…、そう言えば紹介映像でもそんな事言ってたっけ?)
「へー、桜さんは何処がオススメ?」
「志穂でよろしいですわ。んー、そうですわね。今なら一番広い実習室が空いていると思いますわ。」
(実習室かあ………)
「………じゃあ皆で行く?」
ミライがくるりと振り返って皆の顔を見渡すと、全員頷いていたので実習室に向かうことになった。
◇◇◇◇◇◇
実習室へ向かう為に廊下をぞろぞろ歩く。
何故かツバサが右手にエリカ、左手にマロンを連れていた。
(保父さん?………違和感無いな。………)
それからミライは肩の痛みに眉を寄せた。
(なんで執拗に私の右肩狙うの?麗しいとか言わせたから?………痛いんだけど)
ミライの右肩をブランはギリギリと音がするくらい、強く掴んで、ツバサとマロンを睨み付けていた。また即行でユアンに沈められていた。それからライアンに担がれている。
そんな風に楽しく(?)連れ立って歩いて居ると前方から、安藤が取り巻きを連れて歩いて来た。
(アレ?普通にボロボロなんですけど?)
桜さん?
チラリと桜を見ると意図が伝わったのか、ウインクされる。
「魔法で怪我を全て治していては、自身の回復力が弱ってしまいますもの。任務中でも有りませんし、余程の怪我ではない限りほどほどに治療しますのよ?それに、あれでも結構サービスして治しましたわよ?」
そう言われてミライは、もう一度安藤達に目をやる。
ところどころ青あざが見えて痛々しい。安藤のだらしなく開いた胸元には裂傷も見える。まだかなり痛々しい。
あれでサービスして治したって。どんだけ痛めつけたの?ユアンさん?
ミライが青ざめて安藤達を見ていると安藤達もこちらに気づいて、一瞬止まって回れ右していた。
(そりゃそうだわ………え?)
去り際に安藤がこちらを、と言うかミライを睨んで居た気がした。
(ひぇ!!もしや私のせいだとバレてる?………うう、なんかごめんね。)
◇◇◇◇◇◇
(え………、これが実習室?アニメでは出て来なかったけど。凄い………)
たどり着いた実習室はこれまた凄かった。扉にかかっている札を使用中に裏返して皆で中に入ると、体育館並みに広い部屋だった。窓際には、6台ほどパソコンが並んでいる。真ん中に大きな会議にでも使うような円卓が有り、20人は座れそうだ。
奥は本棚ゾーンになっており、各種専門書が並んでいる。どれも高い本ばかりだ。その近くには、一人用の勉強机が4つ並んでいる。
(うわー、まじで、通常クラスとは全然待遇が違うなぁ、………まあ、そりゃそうか)
床が一段分せりあがり、靴を抜いで上がる6畳ほどのスペースも有って、フカフカのラグが敷かれている。クッション等も有るので、ゆっくりとするスペースなのかもしれない。
飲み放題の自販機もある。
「………凄いね」
「コチラが一番広い部屋ですので、少人数で使用されるなら、もう少し狭い部屋もありますわ。その時の人数でお選びになられませ」
今日は大人数だしここでオッケーだ。
それぞれ、自由に過ごそうか、となった所でミライは思わず二度見した。
何故かローブ男ミシェルが、部屋の隅のほうで静かに座っている。いつの間に来たの?呼んでないんだが?
ふとミライは思った。
何故か既に桜と行動を共にしているが、まだ本来の【イベント】としては何も起こっていない。
ミライはツバサに近づくとコッソリ耳打ちする。
「一応、本来ならミシェルと桜が絡むイベントがあるから、二人の間で何かあったら止めてくれる?」
「うん、わかったよ。少し気にして見ておくよ」
ミライの言葉にツバサは神妙な顔で頷く。
ストーリーの強制力のせいで、アニメ通りにイベントが起こる可能性もあるので、一応警戒しながら過ごす事にした。
(……でも、なんか…めちゃくちゃになってるけど………。大丈夫かな?)
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