ボク、女の子に生まれ変わったけど、元気です!

みなはらつかさ

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第三十九話 九月二十六日(火) ふわとろシャロン

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「えへへ~。昨日はママと一緒にお風呂入ってっすね、同じベッドで寝たんす! こう、気持ちが、ぽわぽわするっす~」

 ほんとに、ぽわぽわと体を揺らしてるシャロン。

 現在、お昼休み中で、彼女の机に集まっています。

 シャロンが照れることもなく、こういった甘え直し体験談を語ってくれるというのは、ボクらが決してそれをバカにしたり、否定したりしないという信頼を得ている証拠だ。

 彼女の信頼は、絶対裏切らない。神様に誓って。

 幸い、周囲にもシャロンの陰口を叩くような人はおらず、めいめい、おしゃべりや読書中。

 いい学校だな。

「良かったな~、シャロン~」

 ククが、頭をよしよしとなでると、更にとろける。なんかもう、ほんと先祖返りモード。幸せそうで何より。

「ところで、部活、どうする?」

 一応の部長として、皆に問う。教会の掃除は、しばらく必要ないだろうし、ほかにもいろいろと、助けを必要としている人は、いるはずだ。

「んー……。ぱっと思いつくのは、ゴミ拾いだけど」

 バーシが顎に指を当てて、つぶやく。

「あたしは、児童館で、ちびっこと遊びてーかなー?」

 結成時も、それやりたいって言ってたもんね、クク。

「シャロンは?」

「え~? 幸せすぎて、なんも思いつかないっす~。強いていえば、この幸せを、みんなにも分けてあげたいっすね~」

 なんかもう、そのへんに、またたび転がってない?

 でも、幸せを分け与えるか。いいことだね!

「じゃあ、児童館にしようか?」

 バーシも賛成に回り、水曜のプランが決まりました!

「木曜日はどうする?」

 三人を見回す。

「んー、じゃあ、そっちはゴミ拾いすっか! なあ、バーシ?」

「ですなあ。私が言い出しっぺだもんね。それでいこう」

「シャロンは、どう?」

「なんでもOKっす~」

 なんかもう、頭をなでられて、うっとり目を細めている様は、まさに猫。ほんとに、またたびでも落ちてるんじゃないかと、足元を見てしまう。

「じゃあ、ネコザキ先生に、その路線で相談してくるね。三人は、ゆっくりしてて」

「よろ~」

 バーシたちに見送られ、職員室へ。先生、例によって緑茶を飲んでました。

 四人でまとめた話を伝えると、児童館に関しては、手配しておきます、とのこと。ただ、ゴミ拾いに関してはトングが貸し出せないので、各自で用意してほしいと言われました。

 戻って、そのことを三人に伝える。

 シャロン、相変わらず猫化しっぱなしだし。ほんと、またたびキメてなあい?


 ◆ ◆ ◆


 下校中。スキップするシャロン。もう、全身から喜びがあふれている。

 ついでに、ボクの悩みも、解決されないかなー。

「シャロン、今日は寝ようとしないのね?」

 バーシが素朴な疑問を呈する。

「ん~? なんかもう、ふわふわ飛んでいきそうで~」

 答えになってないよー。完全にハッピーモードだ。

「まー、あたしは付き合い長いからな。シャロンの浮かれぶり、わかるよ」

 肩をすくめる、クク。

「交通事故とか、気をつけてね?」

 あまりのふわふわぶりに、不安になってしまう。

「あたしが、隣で気ィつけるから、安心してくれ」

 それなら、大丈夫かな?

 あ、出口。

「じゃあ、二人とも、また明日! ほんと、気をつけてね?」

「おう! 任せろ!」

「っす~」

 そのまま、ふわふわシャロンとククは、自宅へ向かいました。

「あ、そうだ。地図買うんだった!」

 書店の前を通り過ぎそうになったとき、気づいて慌ててバック。

「バーシ、先帰ってていいよ」

「つれないこと、言わないでよ。ご一緒しますって」

 というわけで、二人で入店。そのまま、地図コーナーへ。

「さすがに、市内オカルトスポットマップなんてのは、ないか……」

 何探してんの。

「あ、これ、プール載ってるよ」

 さらなる物色中、バーシが、ポケットサイズの地図を開いて指し示すと、おニューのプールがきちんと載ってました! 結構大きいね。

 そのままレジに持っていき、再び仲良く、帰り道を歩むのでした。
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