ボク、女の子に生まれ変わったけど、元気です!

みなはらつかさ

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第四十四話 九月二十九日(金) 水の楽園! ①

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「たっだいま~」

 裏口から帰宅すると、愛しの妹が、例によってRPGのレベルアップに勤しんでおりました。

「ハーちゃん、ハーちゃん。お隣さんが、水着を入荷しましたよー」

「知ってるー。さっき買ったから」

 な、なんだってー!?

「ハーちゃああああん! 今から、一緒に買いに行こうと思ったのにいいいいい!」

「だって、おねーちゃん、何時に帰ってくるかわかんないんだもん。あんまり遅くなると、フーちゃん危ないし」

「そりゃ、そうだけど~」

 とほほ。

「逆に、おねーちゃんの買い物に付き合おうか?」

「ごめん、こっちもそれ終わっちゃった」

「なんだ、おねーちゃんも自分のぶん、さっさと買っちゃったんじゃない」

 ぐうの音も出ない。

「じゃあ、どんなの買ったか、見せあいっこしよう!」

「ええ~恥ずかしいな~……。そりゃあ、おねーちゃんに見てもらいたいのは山々だけど? わざわざ、そのためだけに着替えるのも、ちょっとっていうかー」

 うにゅう。まあ、ゲームもいいとこっぽいしねえ。

「くぅ~っ! わかった! 明日の楽しみに取っとく! その代わり、ボクのかっこいいのも見てよね。ふふふ」

「うん! 楽しみにしてて! 私も、楽しみにしてる!」

 うふふ~。じゃあ、今日はさくっとお風呂入って、宿題して休みましょーっと。明日、いーっぱい遊びたいもんねー。


 ◆ ◆ ◆


 翌朝。バーシと三人でバスに乗って、駅へGO! 次のバス停で、フーちゃんも乗り合わせてきました。

「ハーちゃん、お姉さん方、おはようございます」

「おっはよー」

 みんなで、フーちゃんにご挨拶。

 雑談しながら駅に着くと、見慣れた二人の姿がありました。

「ククー、シャロン~。おはよー!」

「おーっす!」

「はよっすー!」

 全員で挨拶を交わし合う。

「えーと、こっちの子がハーちゃんかな?」

 ククは、髪色で判断したようです。フーちゃん黒髪だからね。

「はじめまして、ハーシル・トマルナーです」

 ぺこりとお辞儀。ふふ、猫被っちゃって。

「ハーちゃんのお友達の、フローラ・ルルナーシュです。はじめまして!」

 フーちゃんも、自己紹介。

「あたしは、クク・チェンバレン」

「シャロン・レーベルトっす。ハーちゃんとは、二度目っすね」

 凸凹サイドも自己紹介。

「じゃ、電車乗ろー」

「おー!」

 みんなで切符を買い、切ってもらう。自動改札がないので、駅員さんが一つ一つ、パチンパチンと穴を空けるのです。大変だねー。

 駅に入ると、少しして電車が来ました。

 五駅ほどおしゃべりしていると、目的の駅に到着!

 で、改札では駅員さんが、どこの駅から来たか、穴の形で確認。大変だねえ。

 ここからは、ちょっと歩き。買いたてほやほやの地図を参考に、あっちへ、こっちへ。

 着きました! 大型レジャープール、「アクィア・ヘーウン」! 中央入口へ行き、入場券を買います。ボクたち、中学生と小学生なので、それぞれ割引き価格で入場~。

 それでは、女子更衣室へGO~!

 しかし、こうやって「女子何とか」に入るたび、「自分ってこっち女子側なんだなー」って思い知らされるねえ。別に男子更衣室に入りたいわけでも、嫌なわけでもないけど。なんとなく、なんとなく。

「うお、想像以上にご立派ですなー」

「何?」

 バーシがオヤジ臭い声を上げるので、バーシの視線を追うと、上を脱いだククがいました。

「ジロジロ見んなよ~。恥ずかしいだろ~」

「いいじゃあないですか。減るもんでなし」

 バーシ、ほんとにただのスケベオヤジだよ……。

「だめっすー。姉さんの裸体は、うちのもんっす。姉さんの裸を見たければ、うちを倒すっす」

 ククの前に、立ちはだかるシャロン。

「お前も、遊んでねーで着替えろっつーの」

 そういえば、ハーちゃんは?

 あ、少し離れたとこのロッカー使ってる。照れくさいのか。あるいは、ボクら中学生組に遠慮してるのかな。

 とりあえず、着替えちゃおう。

「いやー、アユムさんも、相変わらず引き締まったお腹と下半身、してますなあ~」

 スケベオヤジが、今度はボクに、ターゲットを変えたぞ……。無視、無視。

 とまあ、バーシ一人がはしゃぐ中、全員着替え終了。

「じゃーん、私もセパレートにしたよー」

 バーシも白のラインでアクセントを付けた、紫のセパレート。ククのより布面積が広いけど、野暮ったくないのはさすが。

「やっぱ、恥ずかし~」

 そしてクク。中一とは思えないナイスバディを、少ない面積のビキニが覆ってる。

「かはー! 姉さん、最高っすー!」

 そして、青い水着に黒の猫シルエットのシャロン。幼すぎず、大人すぎず。

「おねーちゃーん! 終わったよー」

 ハーちゃんたちが、ぺたぺたと走り寄ってくる。こらこら、走っちゃいけません。

「OH! ベリー・プリティー!」

 ハーちゃんは、黒地に黄の太いラインが縦に一本入ったワンピース。フーちゃんは、ピンク地の白水玉、フリル付き。

「ありがとう~。おねーちゃんも、かっこいいよ!」

「いえーい! さんきゅー、マイシスター!」

 ボク、明らかにテンションがおかしい。

「やれやれ。私を差し置いて、妹にコーフンですか。このシスコンめ」

 バーシのヤジが聞こえるけど、キニシナーイ。

「だってー。バーシがオシャレなの、わかりきってるしー?」

「もー。そうやって、雑に褒めてごまかすー。どうよ、どうよ?」

 色っぽいポーズを付けて、うりうりと見せびらかしてくる。

「うん。すごく似合ってる。グーよグー」

「感情、こもってないぞー。まあ、いいや。行きましょ」

 というわけで、内部のアトラクションへ! 楽しみぃ!
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