たくげぶ!

みなはらつかさ

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第四十話 ハッピー・ハロウィーン!

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「そういえば、明後日、明々後日、ハロウィンだね!」

「おっ、そうだな」

 土曜夜、Zoomで会話していると、不意にきいろが切り出した。

「ドンキ行ってさ、ハロウィングッズ買わない?」

「いいですね!」

 るうも乗り気。

「ノヴァちゃんは?」

「はい、興味あります!」

「じゃー、れっつらごー!」

 翌日曜。東F駅そばの、ドンキホーテに向かう。

「おー。相変わらず、色々売ってんなあ」

「すみませーん、ハロウィングッズどこですかー?」

 さっそく、尋ねるリーダー。売り場に案内される。

「魔女だ! ボク、これにしよ!」

「せっかくだから、色違い五色にすっか? 戦隊っぽく」

「あは、それいいね!」

 皆で魔女グッズをお買い上げ。配色は、きいろ・黄、歌留奈・赤、にこ・青、るう・ピンク、ノヴァルナ・緑という塩梅。

「明日が楽しみだね! あとは、ボクんちで遊ぶ?」

「さんせーい!」

 今日のお品は、昨日に引き続きMTG。一同、大ハマリしてしまった。

「明日、明後日は部活なしね。お菓子をもらい歩こう!」

「おー!」

 翌日。放課後に各々の自宅で着替え、校門前に集まる皆。

「トリック・オア・トリート! お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞー」

 さっそく、ご近所訪問。順調にお菓子を貯めていく。

「いいねー、ハロウィン!」

「都昆布渡されるとは、思わなかったわ。好物だけど」

 きいろ、歌留奈、ほくほく。

「次はここかな」

 ピンポーン。

「はい、どちら様でしょう?」

「トリック・オア・トリート! お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞー」

「あら、ハッピー・ハロウィン。ちょっとまっててね」

 がちゃりと扉を開け、三十歳になったかならないかぐらいの、女性が出てくる。

「これでいい?」

 渡されたのは、個包装のチョコ。

「ありがとうございます!」

「ふふ。うちの子たちも、さっきもらってきたのよ」

「へー、そうなんですか」

「じゃあね、可愛い魔女さんたち」

 戻っていく女性。

「よーし、この調子でガンガンもらっていくぜー!」

 ところが、次のご家庭。

「ありゃ。おじさん、ハロウィンだってすっかり忘れてたよ」

 初老の男性が、困った顔をする。

「あー。じゃー、いたずらですねー……」

「何する?」

「顔に落書きでも?」

 わちゃわちゃ相談。

「じゃあそれで。いいですか?」

「いいよー」

 額に、「たくげぶ参上!」と書く。

「何書かれたのかな?」

「それは、後のお楽しみで。水性なんで、すぐ落ちますよ」

「ははは」

 こうして、次のご家庭へと巡っていく。

「ふい~。大漁大漁!」

 五人のお菓子袋がパンパンになってしまった。

「今日は、このへんで切り上げかな」

「明日は、反対方向行ってみようぜ!」

「うん!」

 本日は解散。翌日も大漁で、ほくほくでしたとさ。

「いいよなー、ハロウィン」

 水曜。部室で昨日、一昨日の余韻にひたる、にこ。

「食べきれるかな」

 もらった量を考えて、(太らなきゃいいけど……)などと考える歌留奈。

「冷蔵庫入れときゃ、なんとかなるっしょ!」

 リーダー、何も考えていない。

「ハロウィン、楽しかったですね」

「ですね!」

 ノヴァルナとるうも、楽しさを反芻する。

「高校生になったらさ、渋ハロデビューしたいよね!」

「いいな!」

 きいろとにこが、ぺしーんと手を叩き合う。

「というわけで、今日のシナリオは、渋ハロがテーマです」

 るうが、クトゥルフのルルブと、シナリオを用意する。

「おお、いいね!」

 今日も楽しくセッション。最近エクスプ詰めだったので、色んなゲームに飢えていた。

「今日は、ハロウィン。みなさんが渋谷でめいめい楽しんでいると……」

 キャラ作成後、るうの語りでセッションが始まる。

 るうも、最近は手慣れてきたもので、シナリオを自作できるようになっている。

「はい、クリアおめでとうございます~。SAN回復してください」

「キーパー、お疲れー」

「ありがとうございます」

 皆に労われるるう。卓ゲ部に入ってよかったと、心の底から思う。

 こんな日が、ずっと続けばいいのに。

 そう考えるが、先輩たちは来年、受験対策。そして高校に進んだら、遊ぶ頻度もぐっと減ってしまうだろう。

 それでも、こんな日がずっと続けばいいのに。そう思わずにいられなかった。
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