たくげぶ!

みなはらつかさ

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第四十七話 るうの誕生日!

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「わたし、誕生日が近いんですよ」

 きいろがエクスプを投函した日、いつもの部室でるうが言う。

「おお! お祝いしなきゃだね!」

「お年玉はたくぜ~」

「いえ、そんな高価なものでなくても!」

 慌てて手を振る当人。

「やっぱりホラーがほしい?」

 歌留奈が問う。

「ですね! ただ、リングとか呪怨とか、有名所はだいたい抑えちゃってまして」

「ウン……難しいですね」

 ノヴァルナが悩む。

「夜に相談しよう! るーこ、当日をお楽しみに~」

「ありがとうございます!」

 というわけで夜。Zoomにて。

「るーこ、ホラー小説とか映画の有名所、だいたい抑えちゃってそうだよね」

「何が喜ばれるかしらね」

 悩む一同。

「あの、るうさんは、最近ボードゲームの道に入ったんですよね?」

「そだよー」

 ノヴァルナの問いに、気さくに答えるリーダー。

「では、ホラーボードゲームなど喜ばれるのではないでしょうか」

「それだ!」

 きいろ、パチンと指を鳴らす。

「よし、じゃあ探そう」

 各自ググるのであった。


 三月三日。当日。

「おかえり、るう」

「ただいま」

「おじゃましまーす」

 るうの父母から歓迎される一同。にこだけ、るうの家にお邪魔したことがあるので、先行していた。

 室内には、ちょこんと棚の上に、お内裏様とお雛様が飾られている。

「おーう、待ってたぜー」

「今日は、『自分ちだと思ってくつろいでくんなー』しないのね」

「さすがに、なあ」

 歌留奈に冷やかされるも、借りてきた猫状態のにこ。

「いやあ、るうにもお友達が出来て、一安心だよ。彼女さんができたって聞いたときは、さすがにびっくりしたけどね!」

 恥ずかしさ絶頂の、るうにこ。父は、そんな娘たちにお構いなく、和やかトーク。

「じゃあ、ケーキでも切り分けましょう」

 談笑も一段落ついたところで、ホールショートケーキを取り出す母。

「ふふ、ケーキもにこちんとお揃いだ」

「恥ずかしいから、だーってろ」

 小声で抗議。

 そして、ハッピバースデー・トゥ・ユーに続き、十三本のろうそくを吹き消するう。

「お誕生日、おめでとー!」

「ありがとうございます!」

 拍手が起こる。

「ケーキが切り分けられ、一同再度談笑。

「そいえばさ、にこちん」

「なんぞ」

「にこちんのおじさんたちには、るーことの仲、まだ言ってないの?」

 むせる、にこ。

「お前、ほんと野暮だな! 言ったよ! そしたら、おめでとうって言ってくれたよ……」

 最後、消え入りそうに言う。

「わあ! 双方のご両親公認の仲だ!」

「恥ずかしいから、これ以上はナシな!」

「はーい」

 リーダー、美味しそうに苺を食む。好きなものは、最初に食べるタイプだ。

 そして、ケーキも食べ終わり……。

「じゃあ、るーこ。これ、ボクらからのプレゼント。ほら、にこちん」

「お、おう。るうの好みってことで、ホラーボードゲーム買ったぜ。ハコオンナっていうんだけど」

「ありがとうございます!」

 ラッピングを解くと、ホラーテイストの女性が描かれた箱を手渡す。

「雰囲気いいですね!」

 ハコオンナ。

 箱女という怪異と遭遇しないように動く、逆鬼ごっこゲームである。

 館に迷い込んだ探索者たちは、箱女と遭遇すると、「オトモダチ」になってしまい、怪異の一味になってしまう。

 脱出するか、討伐するか、供養するか、いずれかの方法でハコオンナから逃れなければならない。

「さっそく、やってみたいです!」

「おー!」

 ルールブックを読み込む。

「おけ。だいたい把握した。物音を立てちゃだめなんだな」

 探索者は、トークンを積み上げて行動するが、これが崩れると、箱女の手番となる。三つ目のトークンには傾斜となる出っ張りがついており、地味に意地が悪い。

 もっとも、こうしないと面白くないのだが。

「あ、わたし箱女です!」

「ひょえー、手強そう!」

「ふっふっふ……。みなさん、オトモダチになりましょうねえ~」

 実プレイすることしばし。

「ぎゃー! 箱女いたー!」

「オトモダチ~」

 リーダー、アウト。

「くう、成仏させてやるからな! これで供養だ!」

「ああ……。お空きれい……」

 うっとりと、箱女になりきる、るう。

「危なかったねー」

 最後、にこを残すだけのプレイだった。

「楽しいゲーム、ありがとうございます!」

「いいってことよ。大事にしてくれよな!」

「もちろんです!」

 にこと腕を組む。赤面する彼女。

「熱いねえ」

 様子を見守っていた父が、冷やかす。

「アツアツカップルでーす」

「あう……」

 にこ、たじたじ。いつものマイペースが、見る影もない。

「あら、もういいお時間ね。るう、送っていってあげなさい」

「はーい」

 にこと手を組み、恋人繋ぎ。

 工藤家を後にする、一同であった。
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