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第1節 女子高生(おっさん)の日常といともたやすく行われる復讐
18.女子高生(おっさん)と陰キャ同士と小説
しおりを挟む〈放課後 部室〉
「「「…………」」」
ノートにペンを走らせる音、PCのキーボードの操作音が静寂に包まれた室内に併(はし)る。部員である同士達4人が自身の世界を記録媒体に描いている音だ。俺も未だに慣れないPCを使い、思い描く世界を存分に打ち込んでいた。
単なる余談だけど、未だに同好会で部費予算もあまりなかった筈の部室には……いつの間にか最新のPC (といっても当時のもの)が配備されていた。どうやら【俺(アシュナ)】専用らしい。それどころか快適なゲーミングチェアや低反発素材の枕や布団が用意されている。
聞いてみると、こいつらや先生達が【俺(アシュナ)】用の予算を企画立案し、俺(アシュナ)信奉者の教師達からカンパして回ったらしい。なにこの学校怖い。
「あ……アシュナ殿っ! これを見てくだされっ!!」
PCを使い執筆をしていたケンが画面を指差し、何かを訴えている。覗いてみると、そこにはアシュナのホームページが表示されていた。
「……ケン、なにやってんの……?」
「ほわっ!? 勿論、アシュナ殿の自作サイトに華々しく彩りを加えていたでござるよっ!!」
驚いたようにケンは言った、驚いたのはこっちだ。熱心に執筆してるのかと思いきや……アシュナのHPを魔改造してただけか。そういえば、PCが得意なケンには共同管理者として色々作れるようにしてもらってたっけ。
「それで? どうしたの?」
「見てくだされっ! このコメントでござるっ!!」
1万件を越えるコメントの中に、『極道出版社』なる人のコメントがあった。内容は長々としていたが要約すると……『あなたはスターになれる才能の持ち主だから、是非我が社でデビューしてみませんか?』的な内容だった。
「…………………え?」
理解が追い付かず、間抜けた声をあげる。
「えっと……つまり……?」
早くも小説家デビューってこと!?
まだアシュナになって1ヶ月で、小説もまだ三万文字くらいなのに!?
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