特撮女形と呼ばないで~スーツアクターの俺が悪の組織の女幹部になるまで~

 スーツアクターを生業とする蜂須賀ひろみはその小柄な体格と女性的な顔立ちのせいで女役を演じることが多かった。
 しかしひろみの夢は主役のヒーローを演じること。
 特撮番組【光学戦隊ヒカリオン】で役を得るも今回もやはり女役、しかも敵である女幹部ヤミージョ役であった。
 落胆しつつもヤミージョを演じるひろみ、だが撮影中にセットが崩れるという事故が起こり、ひろみはそれに巻き込まれてしまった。
 ひろみが気が付くと今まさにヒカリオンとの決戦の真っただ中、慌てて役を演じ様とするもヒカリオンたちの攻撃は本当に自分を倒すための本気の攻撃だったのだ。
 ひろみは気づく、これは撮影ではない本物の戦いなのだと、彼らも役を演じているのではない、本人なのだと。
 果たして現実と虚構の境界が曖昧になってしまった世界でひろみはどう行動するのか。
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