国助く禍津剣

dada

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「お前はここで死ね。それがこの国のためだ。」
 男はそう言い、金剛の槍をアキラに向けた。一瞬背筋が凍るような感覚、直感に従ってアキラは地べたに這いつくばるように身を屈める。その瞬間彼の頭上には膨大な熱量の光が放射されていた。
 「やっぱりお前もか。」
アキラは男を睨みながら答えた。槍の先から放たれた光は、雷の魔法によるものであった。雷の魔法は基本属性の火、水、風、土の水と風を合わせた物で、強力だがかなりの難易度を要する。だが目の前のこの男には難なくこなせる魔法の一つであった。そしてこの男の事をアキラはよく知っていた。
 「ライオ、お前も国王の味方か。」
 「今はブライと名乗っている。親父の武神から一文字とったのだ。」
 問いを返す男の風貌は、一言でいえば一本の刀のようであった。体格は筋骨粒々と言うわけではない、その体型は細い。だが決して痩せているのではない。脂肪分など全く無いような引き締まった身体で、鍛えられて無駄な部分が無い美しさがある。髪は短め色は金。瞳は碧、目元は大鷲を思わせるような鋭いものだ。その長身も相まって、触れるものは只では済まない鋭利な刃物の様な印象を受ける。年のころは三十過ぎぐらいだろうか。
 「邪魔するな、お前もブッ飛ばすぞ。」
 アキラはそう言いながら、頭の中ではブライとの戦術を練る。先程のソフィーが居たことで昔の仲間の誰かがまだ敵になる可能性は考えていたが、このブライという男はその中でも最悪のパターンと言っていい。
 十年前のアルバート王国にその者ありと言われた武神クーロン。そのクーロンが率いる少数精鋭の傭兵部隊武神兵団。常勝無敗の兵団の隊長の中でも一番強かったのがこの男だ。それに武神の一番弟子でもある。アキラからみれば兄弟子にあたる。
 アキラはこのブライにまだ一度も戦闘で勝ったことがない。頭も良く、槍と魔法の腕前も超一流、冷静な判断で部隊をまとめるのも上手い。まさに非の打ち所の無い男であった。尤もアキラは魔法が苦手ではないが、その特異属性の性質上あまり多様出来ないので、惜しみ無く術を行使するブライにはいつも訓練で遅れをとってしまうのだが。
 あれから十年が経っている。時が止まったアキラと違い、先程のソフィーやこのブライは十年分の鍛練を重ねている。実際ソフィーは十年前は十歳の子供で、武神兵団では一番若く弱かった。それが今や油断すればアキラも負けるぐらいになっている。  アキラとブライとの実力差は恐らく大きく開いていることだろう。
 「虚勢を張るな、諦めろ。ソフィーも起きてこの馬鹿を殲滅するのを手伝え。」
  ブライはアキラと、まだ瓦礫の下で起きてこないソフィーに向かって声を掛ける。
 「・・・あのね、ブライさん。私さっき吹っ飛ばされたんですよ?怪我人ですよ?もうちょっと優しい言葉かけてくれても良いんじゃないですか?」
 文句言いながらも、ダメージが無いような動作でさっと立ち上がるソフィー。先程までは気絶したふりで様子を窺っていたようだ。
 「あんなものでやられるようなやつは守護騎士にはいない。」
 じろりと睨むようにブライが言った。
 「はいはい、わかりました。守護騎士長様。」
 起き上がった彼女は事実平気そうな振る舞いでアキラに向かって剣を構えた。先程のダメージはそれほど無いようである。
 アキラは一瞬で決断してブライに向けて突進した。ソフィーとブライこの二人で組まれたら手も足も出なくなる。先ずは厄介なブライを片付けなければという思いだった。それに先程、彼は特異魔法を使ったのでもう手持ちの魔法にあまり余裕がない。
 アキラの全力の突進は神速と言っていいほどの速さだ。どんな武芸の達人も普通は彼の速さについていけるものはいない。
 だが、目の前のブライは普通の戦士ではない。アルバート王国に四人しかいない国の最高戦力である四人の守護騎士。その上にたつ守護騎士長というのが今の彼の役職だ。つまり、この国で一番強い者ということである。
 瞬きすらも許さないアキラの初太刀からの幾十の連戟を、時には身体を半身にして、時には最小のバックステップでかわす。不思議なことに、彼はその剛槍を使わない。槍で防げばまだ楽だというのは他からみれば明白だ。実際アキラの手数の多さに、捌ききれないものがあるようで、所々ブライの甲冑や、額の端等にかすって血が滲んでいる。アキラの短刀が無数に空振りして、周囲の風が荒れ狂うように舞う。彼等の周りは一種の暴風域になっていた。
 (くそっ、敢えて槍で受けないようにしてやがる!)
 だが次第にアキラの剣速が落ちてくる。普通に剣を振るうだけなら一時間でも二時間でもアキラは平気だが、敢えて短期決戦に持ち込もうとして、先程ソフィーの剣を両断した魔法を使っていた。これは自身の短刀の刀身に魔力を流し込んで切れ味を最大まで良くする魔法だ。
 どれ程良く切れるかというと、この世界で防げる盾が無いぐらいである。
 オドの消費は激しいが、当たれば正に必殺の技であった。
 槍でこのアキラの短刀を防げば、たちまち切り裂かれ、その隙に渾身の一撃を喰らわすというのが彼の考えだった。
 彼は他の術士と同じで魔法は使える。だが、自らの固有属性が特殊で、使える回数は極端に少ない。
 このままではじり貧だとふんで、アキラは一旦後方に跳ぶ。その瞬間、今まで防御に撤していたブライが一気に踏み込んできた。アキラが息継ぎをおこすタイミングを見計らっていた動きであった。
 ブライのダメージは全く無いとは言えないが、急所は全て逸らしている。ブライは幾重にも鋼が織り込まれた。鋼鉄の槍を振り上げ、アキラに向けて凪ぎ払う。辺り一面切り裂くような豪快な一振りに、短刀で受けることはせず、アキラは身を屈めて何とかこれをかわした。それは正解であった。豪快な槍の一振りは、周りの石壁をまとめて粉砕するほどの威力だったからだ。
 それからは全くの攻守交代であった。ブライは巨大な槍をまるで小枝でも操るかのように振り回す。まず殴打されたら無事では済まないだろうそれを、アキラは短刀で受け流しながら捌く。だが先のブライよりも余裕がない。
 もう先程の魔法は使えない。一度解除すると、再び行使するのに一時の集中が必要で、何よりオドの量が足りなかった。使ったなら忽ち自身が良くて気絶、悪ければ絶命するであろう事をアキラは自覚していた。
 ブライの槍は烈火のように続いている。何とか今のところは避けれているという感じだ。いつ殴られて頭蓋を割られてもおかしくない。その槍にはそれだけの膂力が込められている。
 (このままじゃ、やばい。)
 ブライの槍を捌きながら、アキラは自身の身体がまた動きが悪くなってきていると実感した。ソフィーがブライの後ろで結界を強化している。結界内の生物の体温を奪う魔法のようだが、先程の直接剣でオーラを流されていないだけ威力は弱い、だが徐々に弱っていく。
 (これが無くてもこいつには勝てるかどうかというところだが。・・・ってか、ブライも結界の影響あるはずだろうが、何で動き落ちねえんだ。)
  心の中でそう舌打ちして、アキラは最後の手段に出た。
 両手の短刀を降ろし、突如その構えを解いた。ブライは一瞬不信に思いながらも、そのアキラの横面に槍を叩き込む。
 すると槍は空振りした。息つく暇なくまた槍が襲いかかる、だが槍は空を切り、アキラを捕らえる事ができない。見るとアキラは陽炎のようにぼやけていた。そして不思議なことにその身体が黒い霧状になっていく。
 「?・・・・・・、ソフィー!」
 アキラの姿が消えると、次は周囲を覆っていた結界が消えた。ブライは後方のソフィーの方を見た。
 彼女はその場にうつ伏せに倒れていた。ブライが駆けつけしゃがみ確認すると、気を失ってはいるが無事なようだ。
 「少しオドを分けてもらった。命は取ってない。」
 ブライが頭上を仰ぐと、晴れた空に黒い霧が漂っていた。先程の声はそこからしたように感じる。
 「遂に人間やめたか?」
 ブライは不敵に笑ってその霧に話し掛けた。
 「・・・ああ、目的果たすためなら、人間なんていくらでもやめてやる。」
 黒い霧はアキラが化身した姿であった。身体を霧に変換させる魔法だ。
 「お前を倒し、国王を殺す。途中立ちはだかるものは悉く潰す。」
 更にそう言い放ち、霧はブライを包み込んだ。
 ソフィーの意識を刈り取ったのもこのアキラの魔法だ。
 彼が使うのは闇属性。基本属性とは違い、それを使えるものは滅多にいない。そしてその強大さゆえ人々から恐れられていた。あと因みに光属性というのもあり、これは闇より更に少ない。国に一人居ればその国は幸運だと言えるぐらいである。
 ブライを包む真っ黒な霧の世界は、一瞬で虚脱感をもたらす。生命力であるオドをアキラの霧は触れただけで吸いとってしまう。この魔法はアキラたち闇の属性の術士が化物や悪魔と恐れられる所以でもあった。
 大昔から闇の術士は存在するが、その数は他の術士に対して極端に少なかった。それに多くは短命であった。
 彼等は他の術士のように大気中のマナと自身のオドの接続、化合ができないので全て自らのオドだけで賄わなければならない。自然、生命の源であるオドが枯渇すると死んでしまう。だが闇の魔法は強力なものが多いので、時の権力者達は自国の戦禍のおり、配下の闇の術士に魔法を連続使用させる事を強要した。結果闇の術士は元々の数の少なさに加え、年若くして生命力の枯渇で衰弱死するものが増え、ほんの少数しか生き残れなかった。
 そんな時、死の淵の一人の闇の術士が、枯渇したオドを他者から奪う術を編み出したのだ。しかもこの方法なら食事を摂らなくても生命維持できる。
 だがその術士は同胞を無惨に殺した権力者達に反旗を翻した。しかも敵からオドを直接奪うことをせず、より残虐に狂楽的に復讐するためにオドがたっぷりと宿っている血液を奪うという行動に出た。
 無数に殺戮を繰り返した結果、巷では、夜な夜な貴族達の生き血を啜る恐ろしい化け物の噂が絶えなかった。今では子供を躾る寝物語に語られている。
 曰く、闇の術士は人の生き血を啜り、姿形を自由に変化させ、快楽の為に殺戮を行う化け物である。これにより、闇の術士は皆から畏怖と忌避の対象となった。

 ブライは黒い霧に包まれながら、己のオドが消失していくのを感じだ。
 「なるほど、これが闇の魔法か・・・・だが、この期に及んで手加減するとは!」
  アキラの魔法のオドの吸収がブライの意識を断つぐらいにギリギリで調整されているとブライはわかった。
 紫電の騎士と云う二つ名がブライにはついている。それは他者が出来ない雷光を操るのが得意なためについた名だが、彼はそれ以前に苦手な属性が無い。特異属性の光や闇は扱えないが、基本の四属性は全て得意と言っていい。
 ブライは爪先で地面を軽く叩く。すると彼の足元から突風が上昇気流のように吹き荒れた。アキラの化身した霧は普通の霧ではないので湿度や気温など関係ないが、強力なマナを帯びた真下からの突風に対抗出来なくなり、ブライの拘束を解かされた。自身の魔法が跳ね返された時に怯んだアキラは、一瞬で実体の元の肉体に戻ってしまった。
 次にブライは右手を天に掲げた。彼の頭上にはいつの間にか雨雲が出来ている。空は快晴ではないが所々晴れ間が覗いているのに。
 不自然な雨雲はブライが槍で攻撃している間、ソフィーの結界を利用して彼がこさえた物であった。
 ブライが高く掲げていた右手を下に降ろす。瞬間、閃光に包まれ、雷鳴が轟く。
 ブライは雨雲から雷を落とした。それはアキラに直撃して、彼の周りでは煙が立ち上り、たんぱく質が焼ける嫌な臭いがしている。
 風が吹いて煙がはけると、左手を頭上にかざしたアキラがいた。その手は肩の辺りまで焼け爛れ、酷い有り様になっている。彼の全身は痺れ小刻みに痙攣し、その顔には苦渋の表情が滲んでいた。
 (・・・・ちっ、何とか直撃は避けたが。)
 そう心中で舌打ちしてアキラは全身にオドを廻らせた。途端、彼の左腕が不気味にうずきだし、皮が劣化していき腕の表面がポロポロと剥がれ落ちた。するとその腕は何事も無かったかのように完全に完治した状態になっている。彼のオドは全身を循環して炭化した細胞を排し、新しく産み出していた。それも急激な早さで。
 これも彼の魔法で、全身に活性化させた彼のオドは、怪我をしている箇所を急速に修復し、元通りとはいかないが怪我を治す事ができる。代償にかなりのオドを消費するが、基本四属性ではあり得ない回復魔法である。
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