23 / 25
23
しおりを挟む
「ふうん、それが村人の命で作った呪物?」
エレインはメフィストの心臓に向けて指を指す。
「ふふふ、そうだ。これこそ我が考案した擬似なる生命の泉である。人間たちの心臓を全て一つ一つ核に変え、それを我の心臓に埋め込んだ。オリジナルの生命の泉のように無限の魔力とはいかないが、その代わり何の束縛もなく、いつでも多大な力を引き出すことができる!」
言いながらメフィストは空間断裂の魔法を無数に放つ。それは即座にエレインの四肢をバラバラに切り裂く不可視の刃であったが、
「残念、空間転移の魔法は、私も使えるんだわ。」
突如自分の後ろから彼女の声がしてメフィストは振り向いた。
その時にはメフィストを中心に半円球型の風の膜が構築されている。まるで彼を閉じ込めるように。
「・・・まず、水」
エレインの口から絞り出すような声がする。先程の転移の魔法は自らのオドだけで行使するので消耗が激しい。
メフィストの周りを先のように大量の水球が取り囲んだ。
「・・・・あとは、灼熱」
エレインは柏手を力強く一打ちした。半円球の中一面に先程と同じ魔方陣が浮かび上がり、それが一瞬で前回とは比べ物になら無い超高熱の炎を発した。途端、水球が高温により一瞬で気化され、その水蒸気の体積は千七百倍に膨れ上がる。
激しい爆発だった。轟音と共に地面が爆発により捲り上がり、粉塵が舞う。魔力を込めた風の結界も何とか形をとるのに苦労した。
砂煙がやがてはれると、メフィストの姿は跡形も無かった。そこには不気味に暗い光を放つ真っ黒な心臓が残されているだけだ。それには黒い真珠玉の様な物が幾つも埋め込まれているようだ。
エレインはそれを冷ややかに見詰め、一つ指を鳴らす。すると心臓目掛けて火球が飛んでいき炎で包み込んだ。
だが、心臓は傷一つ付かずに元の不気味な妖しい光を放つのみだ。
「無理か・・・」
恐らく自分では破壊できないと悟り、彼女はまた一つ指を鳴らした。すると黒い心臓を氷が包み込み、独りでにエレインの手元まで飛んできた。
エレインは辺りを見回して自分の右足を発見し、氷と足を担いで一つ深呼吸をして、また空間の転移魔法を行使する。行き先は、皆が居る場所だ。アルバート王国とロラン王国の境にある塔。転移では、行きたい場所の具体的なイメージが何よりも大切だ。
そうして彼女は、アキラやソフィーの元へとようやく帰ることが出来た。
エレインはメフィストの心臓に向けて指を指す。
「ふふふ、そうだ。これこそ我が考案した擬似なる生命の泉である。人間たちの心臓を全て一つ一つ核に変え、それを我の心臓に埋め込んだ。オリジナルの生命の泉のように無限の魔力とはいかないが、その代わり何の束縛もなく、いつでも多大な力を引き出すことができる!」
言いながらメフィストは空間断裂の魔法を無数に放つ。それは即座にエレインの四肢をバラバラに切り裂く不可視の刃であったが、
「残念、空間転移の魔法は、私も使えるんだわ。」
突如自分の後ろから彼女の声がしてメフィストは振り向いた。
その時にはメフィストを中心に半円球型の風の膜が構築されている。まるで彼を閉じ込めるように。
「・・・まず、水」
エレインの口から絞り出すような声がする。先程の転移の魔法は自らのオドだけで行使するので消耗が激しい。
メフィストの周りを先のように大量の水球が取り囲んだ。
「・・・・あとは、灼熱」
エレインは柏手を力強く一打ちした。半円球の中一面に先程と同じ魔方陣が浮かび上がり、それが一瞬で前回とは比べ物になら無い超高熱の炎を発した。途端、水球が高温により一瞬で気化され、その水蒸気の体積は千七百倍に膨れ上がる。
激しい爆発だった。轟音と共に地面が爆発により捲り上がり、粉塵が舞う。魔力を込めた風の結界も何とか形をとるのに苦労した。
砂煙がやがてはれると、メフィストの姿は跡形も無かった。そこには不気味に暗い光を放つ真っ黒な心臓が残されているだけだ。それには黒い真珠玉の様な物が幾つも埋め込まれているようだ。
エレインはそれを冷ややかに見詰め、一つ指を鳴らす。すると心臓目掛けて火球が飛んでいき炎で包み込んだ。
だが、心臓は傷一つ付かずに元の不気味な妖しい光を放つのみだ。
「無理か・・・」
恐らく自分では破壊できないと悟り、彼女はまた一つ指を鳴らした。すると黒い心臓を氷が包み込み、独りでにエレインの手元まで飛んできた。
エレインは辺りを見回して自分の右足を発見し、氷と足を担いで一つ深呼吸をして、また空間の転移魔法を行使する。行き先は、皆が居る場所だ。アルバート王国とロラン王国の境にある塔。転移では、行きたい場所の具体的なイメージが何よりも大切だ。
そうして彼女は、アキラやソフィーの元へとようやく帰ることが出来た。
0
あなたにおすすめの小説
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる