異世界にて、少女は化物に夢を見る

ユキ

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今宵の晩餐は忘れる事はないでしょう。

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私が料理を机に並べているとクロが出てきた。

「イル、こいつどうすんの?食うの?」

クロの言うこいつとは多分カインのことだろう、昼間のことを見てたとしたらそう思うかもしれないかな。
私は正直にクロに説明した。

「いや、食べない、カイン面白い、気に入った結構好き」

「すっ!?....途中正直に話ししてたけど、そこはどうするつもり?」

「カインが拒めば何もしない、けど、カインが許せば甘える、かも?」

あれ?なんでクロは地団駄踏んでるんだろう。
不思議だ。


クロと夕食を食べてたらカインが起きてきた。
カインはまた汗がダラダラだ、汗っかきなのだろうか?

「まさか、魔王だったとはな...その子は?」

「うん、魔王、この子も魔王、名前は」

「私は傲慢の魔王クロ・ノワール、あんたの事は何とも思ってないけどイルがあんたの事気に入ってるらしいから私は危害は加えないわ、まあ一応よろしくね」

「両方魔王なのか...イルーナ様にクロ様これからは隣町までですが、何卒よろしくお願いします。」

意外にもカインは私とクロに頭を下げてきた。
これは予想外で私も少し食べるスピードが遅くなった(遅くなっただけで食べ続けてる)
クロに至っては口をへの字にして目を見開いている、あ、パンが落ちそう。

「あはは!あはははは!カインだっけ?確かに面白いね!」

「でしょ?カインには特別にイルーナと呼んでよし、それと2回目だけど敬語は禁止」

「あは、私も敬語は要らないよ、クロって呼んでくれて結構だから、そこで頭下げてないでご飯食べようよ!イルのご飯は美味しいよ?」



私たちはこの時この世界で初めて友達を作った。



「ところでさー?何で魔王って言ってハイそうですかってなったの?普通逃げたり喚いたりバカにしたりするもんじゃない?」

クロの言う通りだと思う、私も普通はそうすると思っていたから。
カインは食べかけのパンを机に置いてスープを飲み口の物を胃に流し込んだ。

「んぐ、だって、一瞬で魔物の群れを血の海に変えて最初は普通の女の子のふりして近づいて来たんだよ?怪しさマックスじゃん?それで魔王とか、逃げれるわけねーっての。」

さも当然と言うふうに言い放ち変わらずパンを食べ出す。
うおーこれうめーと言うカインは最初のような警戒心が全くなかった。

「だからって、よく平常心で入られるよね?私だったら耐えられないかも」

こちらをチラッと見ながら言うのはどうかと思うが、普通は確かにそうだと私も思う。

「いや、だって体力の無駄じゃん?警戒なんてさ、無理無理、無意味だし、魔王2人VSただの商人だよ?もう秒殺じゃん?」

だからってスープをズズズと飲みながら言うのはなかなか出来ないだろう。
クロはツボにハマったのかずっと笑いっぱなしだ。
こんなクロは初めて見たかもしれない。


そんな雑談に花を咲かせ食事を終えた私たちはカインに一言告げる。

「私は結構あんたの事色んな意味で警戒してたけど、馬鹿らしくなったわ。だから私もこれから守ったげるからよろしくね?んじゃお休みー」

そういいクロは闇の中に消えていった。
私たちは2人はテントで寝る事にする。


その後少し顔を見合わせ、何もなかったかのように横になる。
その日は無言で2人とも眠りについた。
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