【完結】人魚と同棲始めました~海の秘密と愛の絆~

花城カイ

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同棲の始まり

衝撃の事実

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 ともかくだ。

 ルカは必死に動揺をひた隠し、その人魚に事情聴取する事にした。
 そう、ルカは警官なのである。

 想定外の事に遭遇しようが、常に平常心を持ち、行動しなければ。
 あの男が本当に人魚であるかどうかももちろんだが、何故、ルカの部屋にいるのか、目的は何なのかと聞きたい事は山のようにあった。

 そうして、今ひとつちゃんと服を着れてない感のある人魚、いや、もう人間の姿になっていたが、その人魚らしき男が現れて。
 ルカはテーブルを挟んで向かいに座らせると、早速、尋問する事にした。

「いいか、正直に答えろよ。オレは警官だ。お前の出方次第によっちゃ、出るトコへ出たって構わないんだからな!」
 威嚇するようにそう言ってやれば、人魚らしき男がこくんと頷いて。
 ルカはよしと唇を噛み締めてから、ふぅっと深呼吸すると。

「じゃあ、まず。お前、本当に人魚なのか?」
「そうだ。」
「陸に上がってても平気なわけ?」
「定期的に水を浴びれば、問題ない。」

 なるほど、とルカは目を瞬いた。
 一応、やっぱり水なしではダメらしい。

「――で。今は人間に化けてるって事か?」
「そうだ。」
「そんな簡単に化けれるもんなのか?」
「まぁな。」
「なら、今、ここでもう一度、人魚になってみろよ。」
「嫌だ。」

 ――何だと、このヤロウっ!
 案外、生意気な人魚だとルカはそう思いつつ、質問を続ける。

「お前、名前は?」
「――フィン。」
「ふ―ん、“フィン”ね。」

 ルカはまじまじと、人魚だと名乗る目の前の男を見つめた。

 今、ここで見る限り、どうしたって普通の人間にしか見えないが、先程のバスルームでの姿は、明らかに人間のそれではなかった。
 人魚が人間への変身も自由自在にこなすとは知らなかったと、そんな事も思ったりもする。
 にしてもだ。
 どんなに見てもこの男の事はやっぱり知らないし、“フィン”という名前にすら覚えもない。

 ――なのに、何でコイツはオレの名前を?しかも、オレに聞いたって言ってたよな?

 もしかして、どこかで会った事でもあるのだろうか?とルカは首を捻った。
 この人魚が人間に化けてよく街に現れるのだとすれば、その可能性も否定はできない。

「・・・この街はよく来るのか?」
「――時々。」
「何しに?」
「人間の調理した牡蠣を食べに。」
「牡蠣??!お前、牡蠣を食うのか?それって、共食いじゃねぇの?」

 思いっきり意外そうにルカが声を上げれば、フィンの方もものすごく心外そうに眉をひそめた。

「人魚を普通の魚と一緒にするな。人間が陸の生き物を食べるのと同じように、人魚も海の生き物を食べる。」
「へぇ?そうなのか。でも人魚って、人を喰うって聞いたけどな。」
「人間なんか、食べるわけないだろ。」
「でも伝説じゃ、そういう話になってるぜ?」
「デマだ。そんなの。」

 実際の人魚がそう言うのだから、それが真実なのだろう。
 案外、伝説もアテにならないなとルカは苦笑した。
 そんなルカを見つめ、フィンが「ふむ」と考え込む仕草をする。

「――まぁでも。ある意味、オレはお前を食った事にはなるのか。」
「・・・・・・お前、ホントに最っ低だな。」

 イラァっとしながら、さっさと本題に入る事にする。

「――それで?昨夜は何でオレの部屋に?目的は何だ?」
 問い詰めるように言っても、フィンは別にどこ吹く風で。
「お前に会うために。」
 さらりとそう答えた。

 ――オレに会うため?

 意味がわからない。
 多少の苛立ちも込めて、ルカは再度、問いただした。

「だから。何でオレに?オレはお前なんか、知らねぇんだけど?」
「お前は――。オレがいないと生きられない。」
「あぁ??おい、フザけた事、抜かしてんなよ?」
「フザけてない。」
「じゃあ何だ?!たかが一回、寝たくらいで馴れ馴れしい口、利いてんじゃねぇ!」
 感情に任せてそう怒鳴れば、フィンはただじっとルカを見据えて、とんでもない事を宣った。

「一回じゃない。お前を抱いたのは、昨夜で二回目だ。」
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