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番外編
1
作者です。
この作品を読んでくださる皆様、いつも本当にありがとうございます。
完結からかなり経つのですが、ほのぼのとした番外編を書ければと思い、書き始めることにしました。
よければ、お付き合い下さい(_ _)
❖❖❖
結婚してから六年───。
ルディは国王となり、私はルディを支える王妃となっていた。
私達の間には二人の子どもができていた。
一人目は、今年で五歳となる長男アルネス。神童と呼ばれる程頭が良く、それはルディからの遺伝で間違いないだろう。
二人目は、今年で三歳のになるまだまだ幼い次男ソシルム。アルネス大好きの元気っ子だ。
ルディのお陰で、のんびり過ごせている私だが、子ども達との時間はたくさんとっている。
今日は晴天だった為に、運動を兼ねてリーシェと共に庭園を歩いていた。
「かあさまぁー!!」
「ソシルム!走っては危ないわよ」
ソシルムの護衛も少し困惑顔だ。
「えへへ」
走ってきた息子を抱き上げる。
「かあさまもおさんぽ?」
「えぇ。今日は天気がいいからね」
「めずらしー」
「………ふふ」
息子にさえだらだら人間と認識されているのは少し不味いかと思いつつ、知られてるならいいかと開き直る自分もいた。
「かあさま!にぃさまのところにいこう!」
「本当にソシルムはアルネスが好きね」
「うん!だいすき!!」
これは将来ブラコン確定だろうかと少し遠い目をする。
「でもね、かあさまもだいすき!!」
「ソシルム!」
ブラコンとか言ってごめんね。
まだまだ幼い私の可愛い天使だわ。
「にいさま、けんのおけーこしてるって!」
「じゃあ、こっそり見に行こうか」
「うん!」
庭園から少し離れた、騎士団の練習場へと向かう。
そこの一角でアルネスは剣術の稽古をしている。
「あ、いた!」
かけて行きたそうだった為、私はソシルムを下ろす。
「転ばないようにね」
「うん!」
とびきりの笑顔で、アルネスの所へ向かっていった。
「にぃさまぁぁ!!」
「………ソシルム」
タイミング良く休憩時間だったようだ。
「走ったら危ないよ」
「だいじょうぶ!」
「……気をつけて」
「うん!」
微笑ましいやり取りを、少し離れた所で見ていた。
「……行かれないんですか?」
「いや…邪魔かなぁと思って」
微笑ましい光景は眺めてるのが一番ではないだろうか。
「邪魔な訳ありませんよ。行けばアルネス殿下も喜ばれますから」
リーシェに背を押され、ゆっくりと近づいた。
「にぃさま!きょうはおしまい?」
「うん。そうだけど」
「ならおやつたべよう!」
そう言えばそんな時間か、とやり取りを見ていて思う。
「……母様も一緒ですよね?」
「え、あ、うん」
背後にいたと言うのに気づくとは……恐るべしアルネス。
「やった!」
「………」
無言で喜ぶソシルムの頭を撫でる。
「…それにしても、母様が外に出られるなんて珍しいですね」
「うっ。……ま、まぁ。せっかくの晴天だし…最近運動不足だったから」
「歩いただけでは運動不足解消にはなりませんよ」
笑顔で痛い所を付く息子に何も言い返せずにいた。
「……………おやつにしましょう」
ようやく絞り出した言葉であった。
こんな風な言い方ではあるが、私を心配した上で言っているのは当然伝わる。
王城の中に入り、ティータイムとする。
「……アルネスの言う通り、私も運動しないとね」
実は最近、お肉が付き始めている気がして悩んでいた所だ。
「母様がのんびりするのが好きなのはわかりますが、し過ぎはお体に触りますよ」
「そうよね……」
これではどちらが親かわかったものではないなと苦笑する。
「久しぶりに、武道でもやろうかな…」
ぼそっと呟いたのをアルネスは聞き逃さなかった。
「それは母様が昔習ったという護衛術ですよね、やるのならついでに僕に教えてください!」
「ぼくも!」
私が前世で教わった護身術は今でもしっかりと身についていて、それなりに強いものとして周りから認知されている。
特に、息子達はこの武道を含む護身術が好きなのである。私が以前二人の前で不審人物を倒した時に使って以来、息子達は私の護身術が格好良く見えるらしい。
現実問題、この護身術は覚えていて損は無いから良いのだが、王妃が護身術を教える絵面はあまりよろしくないだろう。
「うーん…」
私が個人でやるのなら誰にも迷惑かけずに済むので良いのだが、そうでなくなると話が変わってくる。
「駄目でしょうか……」
「かぁさま……」
「うっ……」
だが、私は息子のきらきら輝く目に弱い。
特にアルネスなんて、普段は絶対に見せる様な姿じゃない分、可愛い。
もちろんソシルムもだが。
「母様、少しで構いません」
「かぁさま!」
「……うん…わかったわ。でも、本当に少しだけよ?……それと」
私は二人を手招きして顔を近づける。
「ルディには内緒よ?」
「「はい…!」」
そう、私が護身術をするのを特に禁止しているのがルディ。
理由は単純に危ないから。
いや、危険に備える為にする事なのに、ルディ曰く…下手に体を動かしてどこか怪我でもしてはいけないとの事である。
「何が内緒なんですか?」
「「「!!」」」
振り返るとそこには、少し黒いオーラを持ったルディがいた。
これは聞かれてはいけないやつだ。
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