込めた願いは、

絶対ハピエン

文字の大きさ
2 / 2

1話 選んだ色は、

しおりを挟む
「あっ、あああ秋津、じゃ、じゃあおおおおれ、いっでくりゅ!!」
「噛みすぎだ、落ち着け!! 楽しんで来いよ」
「おっ、おおおぅ! おう! 本当にありがとな!」

──秋風が吹く。文化祭の匂いが、懐かしくて少し苦い。
今日一緒に回るはずだった友人は、昨日、片思いしていた女子にデートに誘われたらしく、俺は予定をキャンセルした。そして朝のHR後、その友人は心配になるくらいガチガチになって教室を後にした。はたして大丈夫だろうか。

意識してみれば、校内はどこを見てもピンク色の空気に包まれている。同級生だったり、先輩後輩だったり。あれは大勢の女子生徒に囲まれたイケメン体育教師。あちらは恋人疑惑のある先生たちだな。何やらはしゃいでいる。

ふむ。どこもかしこも甘酸っぱい空気だ。苦いお茶が欲しい。──お、友人だ。少し動きはぎこちないが、楽しそうにしているな。よかった。
しかしまあ、
「やっぱ、そりゃみんな異性だよな…」
各々予定のため出ていって、空になった教室の中で俺は一人つぶやいた。


──

あの春から、一年と半年。
俺は三年生になり、もうすぐこの学校を卒業する。部活も夏に引退、進路もほぼ決まり、今日はただの客として文化祭を過ごす。回る相手はいないけれど。
教室を埋める出し物やポスターに目を向けながら、俺は後輩たちが昨日まで奮闘して作り上げていた文芸部の展示へ向かった。

あの、春一番の日のことを思い出しながら。

──

「秋津先輩!」

元気な声に顔を上げると、そいつはいた。
白シャツの袖を折り、首からネームプレートを下げた三月が、こちらにぶんぶん手を振っている。
ついこの間まで入ったばかりの一年生だったはずなのに、すっかり部長らしくなっていた。それでも変わらず、ぺかーっとした笑顔がまぶしい。吹き飛ばされそうで、思わず目を細める。

「来てくれて嬉しいです! ちゃんと文芸部の展示、見てってくださいね!」
「ん、間に合ったみたいだな。数ヶ月しか経ってないのに、もうめちゃくちゃ懐かしいわ」

展示パネルに短編の紹介文。机には小さな詩集。
俺がいた頃の文芸部とは比べ物にならないほど、賑やかで、温かい空気。
それはきっと、彼が部に根付いてくれたからだろう。春にやってきた、風のような後輩に。

文芸部しか部室がなかった旧校舎も、吹奏楽部が「大きな練習室が欲しい」とのことで最近使われるようになったらしい。そのおかげか、三月たちの頑張りか、旧校舎にもそこそこ客がいて、去年よりも文芸部の展示も見られているみたいだ。後輩たちの頑張りが報われてるようで何よりだな。

しみじみ、ほろりと涙でも流しそうなくらい感慨に耽っている俺を見ながら三月が口を開いた

「秋津先輩。このあとって、どうするんですか?」
「あぁ、それな。実は今日、一緒に回る予定だったやつがさ、デート行っちゃって」
「デート」
「そ。昨日、ずっと片想いしてた子から誘われたらしくてさ。もうすぐ受験だし、最後の文化祭だし」
昨日、誘われたことを嬉しそうに報告してきた友人の顔が浮かぶ。『でも秋津と回るって、ずっと前から言ってたし……』なんて律儀に迷ってたっけ。
「『行ってこい。じゃないとぶっ飛ばすぞ!』って、送り出したところ」
「キャラ変わってません?」
「変わってない」

思えば、三月とはだいぶ軽口を叩けるようになった。
三月は第一印象そのままのやつで、入部したあの日から旧校舎には毎日彼の大きな声が響いていた。
当時は文化祭準備以外で来る人間なんていなかったから、なおさらよく響いた。
聞けば、中学ではガチガチの運動部だったらしい。その名残が残ってるんだろう。
「なんで文芸部に?」と聞いたら、「本読むの好きだからです!」と即答された。嘘も飾り気もない、気持ちのいいやつ。それが三月への第二印象だった。

それからも三月は、毎日欠かさず部活に顔を出していた。
初心者なりに一生懸命文章を書いて、読むのも好きなだけあって、たまにやる『書いた話の感想会』では先輩方も驚くほどの鋭い意見を出してくることもあった。

結局、去年は三月以外に新入部員がいなかったから、文芸部は幽霊部員1人を含めた3人、実質2人で文化祭の展示準備をしていた。
ひーひー言いながら、でも三月は文句ひとつ言わず真面目に取り組んでいた。

あの頃からだろうな。自然と、仲良くなっていったのは。
お互いがどんな人間か知るには、十分すぎるくらいの時間を、この旧校舎で2人過ごしてきた。

「だからさ。みんながいいなら、俺も今日はここにいようかなって。なんか食べたいもんあるなら、買ってきてやるよ」
「えっ、本当ですか!」
「自分、わたあめ食べたいです!あとりんご飴!」
「夏祭りかよ。俺は焼きそばで!」

わらわらと、1年生たちが俺の周りに集まってくる。
俺とは半年も一緒にいなかったのに、三月に似て、人懐っこいやつばかりだ。

「よしよし、みんな頑張ってたからな。奢って差し上げよう。ていうか、俺が留守番するから、お前らが回ってきたら?」
見た感じ、展示内容は去年と大差なさそうだし、1人、できれば三月が残ってくれるなら十分だろう。

「あの、秋津先輩!」
考えていたら、三月が1年たちをかき分けて俺のもとに来た。
「それだったら、一緒に回りませんか?文化祭」
「……え、二人で?」
「はい!ほら、去年は俺ら2人しか動けなかったから、文化祭ほとんど回れなかったじゃないですか。今年は1年もいるし、ちょっとくらいなら空けても大丈夫です!」
「ああ、確かに。去年の記憶、ほとんど旧校舎しかないわ」
「俺もです!だから、今年はちゃんと回りましょう!」
ずいずいと近づいてくる三月。去年行けなかったのがよほど心残りだったのか、めちゃくちゃ積極的だ。

「いいですよ三月先輩!秋津先輩と回ってきてください!」
「ここは自分たちが見ておきます!わたあめとりんご飴、お願いします!」
「俺の友達が午後からステージ出るんで、そのへんで交代してくれると助かります!」
「昨日、めっちゃパンフレット見てましたもんね!ぜひ行ってきてください!」
「お、お前ら……!いい子だなぁ~~!!」
三月が1年生たちをぎゅっと抱きしめている。仲いいな、こいつら……。
思わずスマホを取り出して、その瞬間を写真に収めておいた。あとで送ってやろう。

「…て!ことで!行きましょう秋津先輩!」

三月に腕を引っ張られる。だから近いって。
キラキラした目で見つめてくんな、眩しすぎて消し飛ぶだろうが。


───

「あ、先輩!先輩の好きな焼き鳥、あっちにありますよ!」

「秋津先輩、理学部の実験展示がこっちです!」

「新校舎の3階に、生き物ふれあいコーナーが!先輩の好きなふわふわがいますよ!」


次々と、俺の趣味や好物が腕に積まれていく。待て待て、ちょっと落ち着け。
なんで三月が先導してるのに、俺の好きなところばっか行ってるんだ?

「おい、さっきから俺の好きそうなとこばっかじゃん。三月の行きたいとこは?」
腕に積まれた品々を整理したくて、一度立ち止まる。すると三月はキョトンとした顔で、
「え、行きたいとこ行ってますよ?先輩が好きそうなところ、昨日パンフレット見て覚えたんです!」

……なんて?

「明日先輩と回れたらいいなーって思って。ここ好きそうだな~って場所、チェックしてたんです。だから行きたいとこ行ってますよ?『先輩と』行きたいところ、ちゃんと」

一瞬、返事ができずに固まる。

「……いや俺、もう十分だって。見て、このパンパンのカバン。だから三月の行きたいとこ、行こう?」
「え~、俺が行きたいところですよぅ?せっかく先輩といるんですから、先輩が楽しそうなとこ行きたいです。それが俺の行きたいとこなんで!」

なんてことのない一言が、喉の奥をじんわりと温めた。

三月は、いつもそうだ。
声が大きくて、身振り手振りもうるさくて、明るくて、眩しい。
なのに、人の感情を読むのが妙に上手い。人を想うのが好きで、自分のことは後回し。

そして、俺は知っている。
たぶんここにいるのが俺じゃなくても、三月は同じことを言ったんだろうって。

そんな優しさが、今、自分に向いているのがこそばゆくて、うれしくて、ちょっとだけ苦しい。



「……じゃあ、案内してもらおうかな。部長」
「はいっ!まだまだありますよ!次は~」
「ちょ、一旦これ食べよう」



───

屋台を巡って、美術部の展示をのぞいて、フォトスポットで無理やり写真を撮られて、笑った。
「そろそろ戻ろうか。頼まれてたのと、お土産も買ったし」
腕の中に広がる、たった2時間ちょっとの思い出たち。
下手したら、さっきの時間が俺の高校生活でいちばん楽しかったかもしれない。そう思えるくらいには、充実していた。

「そうですね! じゃあ旧校舎帰りましょ……あっ」
三月がピタッと立ち止まり、手芸部のブースを指差す。

「秋津先輩、ミサンガ作りましょう!」
「はぇ、ミサンガ?」
「ミサンガ! 一回作ってみたかったんすよ~」

今日初めて聞く、三月の「やりたいこと」だ。断る理由なんて、あるわけがない。
「ミサンガね、いいよ、作ろう」

手芸部の人に頼んで、荷物をブースの隅に置かせてもらい、俺たちは並んで席に着いた。

「ここからお好きな色を3色選んでくださーい!」
案内された先には、カラフルな色糸がずらり。
とはいえ、好きな色なんて特にない。強いて言うなら……このへんかな。と、なんとなく選んでいると、もう選び終わったらしい三月が声をかけてきた。

「先輩、せっかくなんで1色交換しません?」
「え……まあ、いいよ」

三月の選んだ色をちらりと盗み見る。水色と白。なら、邪魔にならない紫を渡そう。センスに自信は無いが、それくらいは分かる。
「ありがとうございます! じゃあ俺からはこれで!」
と渡されたのは、桜みたいな淡いピンク色。
俺が選んだのは黄緑と緑。流石の俺でも知ってるぞ、補色ってやつだ。

まあでも、三月がくれたならいいか。

説明を聞きながら格闘すること30分。
無事に、ふたりとも完成。三月のは、無難にまとまっていて良い感じ。そして俺のは意外と、いや、思った以上に綺麗だ。
緑の中に咲く、ひとひらの桜のような淡いピンク。悪くない。むしろ、けっこう気に入った。

三月って、こういうところあるよな……と思いながら、できたミサンガを手首につける。
「つけるときは、願いを込めながらつけるといいですよ~!」
手芸部の人にそう言われる。願いか。無病息災とかか?いや、ミサンガって自然に切れたら願いが叶うんだよな。だったら、健康は違う気がする。

「秋津先輩、うまく結べないんで結んでくださいぃ」
三月が、ちょっとぐちゃっとしたミサンガを俺に差し出す。ミサンガって本人以外が結んでもいいんだっけ?まあ、いっか。

「じゃあ、願い事思い浮かべてな」
と三月の手首にミサンガを結ぶ。指先が手首に触れて、その冷たさにドキッとした。
三月って、体温低いんだよな。
──心のあったかい人は、手が冷たいらしい。前に読んだ小説に、そう書いてあった。
だったら、三月の手が冷たいのも、きっと当たり前のことなんだ。


「ありがとうございます! じゃあ俺も秋津先輩の、結びますね!」
「え、いやいいよ。俺は自分で、」
「えー!いいじゃないですかぁ!ほらほら、時間も押してますし!」
「え、待って待って、願い事、まだ決まってない!!」

三月は俺の手からミサンガをシュバっと取って、あっという間に俺の手首へ。
わああ、待て、マジで思いつかない。無病息災はナシ。志望校合格?いや、それたぶんミサンガ切れる前に分かるし。えええ、

俺が若干パニックになってるのを見て、三月がふはっと吹き出した。

「あはは、冗談ですよ。待ちますから、ゆっくり考えてください」

俺の手首にそっと触れる指先が、さっきよりちょっとだけ、あたたかい気がした。
細められた目に、俺が映っている。

三月って、いつも真っ直ぐ俺を見るよな、とか。

この笑い方、好きだな、とか。

──ああ、𓏸𓏸𓏸𓏸𓏸𓏸𓏸𓏸𓏸𓏸な、なんて。


「…よし!できました!我ながら上手いですね」
「……結び方に上手い下手ってある?」

手首から離れていく熱を思い出しながら、部室へと足を向ける。

「何お願いしたんですか?」
三月が俺の手首を指差しながら尋ねてくる。
「……人に言ったら、叶わないんじゃない?」
「え、初詣方式でしたっけ?」

他愛もないやりとりを交わせるのも、この廊下が最後かな。いや、留守番を一緒にするなら、今日までか。
ほんの少しだけ、気づかれないように、歩くスピードを落とす。

「今日、先輩と回れてよかったです。先輩もうすぐ受験だし、次会えるのは卒業式とかになりますかね」
「そうだね。でも、合格したら自慢がてら、また顔出すよ」
「ほんとですか! 約束ですよ!」

眩しいくらいの笑顔が、まっすぐ俺に向けられる。
この笑顔をちゃんと見られるのも、きっと今日が最後。

俺の3年間は、長いようで、こんなにも短い。


───

絡まって、結ばれて、ほどけて、また結ばれて。
ミサンガは、まるで人間関係そのものだと思った。

「ただいまー! 買ってきたよ~!」
「おかえりなさい。…え、わたあめ、ほぼ溶けてません!?」
「えっ、うそ!? うわ、ほんとだ!手、べっちゃべちゃ!!」
「何してるんですか、三月部長~!」

賑やかな声が響く部室に、笑いが混ざっていく。


「じゃあ、秋津先輩と二人で留守番してるから、みんな文化祭回ってきな。閉会までには戻ってくるんだよ」
「はーい!行ってきます!」

ざわめきが遠ざかっていく。

俺の願いが何だったのか、君は気づかない。

「じゃあ、話しつつ留守番しましょ!先輩が引退してから書いた新作があるんですよ!」
「お、見せてみな」

でも、それでいい。

ページをめくる音と、窓の外を流れる風。
穏やかな時間が静かに過ぎていく。

「……秋津先輩が、あの日この部室にいてくれて良かったです。俺、めっちゃ書くの上手くなりましたからね!」

一年前、初めて出会ったこの教室。
あのときのままの笑顔を見て、思わずこぼれた。

「……そんなの、俺のセリフだよ」

不意に目が合って、慌ててそらす。
部長になって、先輩になっても、三月は何も変わっていない。

「受験、頑張ってくださいね。俺、初詣で先輩の合格、祈りますから」
「……言ったら叶わないでしょ、それ」
「あっ、ほんとだ!?」

軽く笑って、頭を撫でるふりをして、そっと手を引っ込めた。
この気持ちが触れてしまわないように。

「……自分のこと、祈りなよ。俺のことは、いいから」

ふと、手首に巻かれたミサンガに指を添える。

──あと四ヶ月か。
あんなこと、願わなければよかった。
どうせ叶わないのなら、神頼みなんて、以ての外だ。

楽しそうな笑い声が、乾いた風とともに校舎をすり抜けていく。

──ごめんな、ミサンガくん。



君の出番は、なさそうだよ。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ
BL
 前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?

偽物勇者は愛を乞う

きっせつ
BL
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。 六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。 偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました

あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」 穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン 攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?   攻め:深海霧矢 受け:清水奏 前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。 ハピエンです。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。 自己判断で消しますので、悪しからず。

敵国の将軍×見捨てられた王子

モカ
BL
敵国の将軍×見捨てられた王子

鳥籠の夢

hina
BL
広大な帝国の属国になった小国の第七王子は帝国の若き皇帝に輿入れすることになる。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

処理中です...