乙女ゲームのヒロインは執事の溺愛ルートから抜け出せない

神那 凛

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episode.21

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私はスチュアートの腕に掴まりながら歩いていると令嬢達の視線が集まっているのを感じた。

「スチュアートすごく見られているね」
「いやいやアリシア様の方が御令息の方達に見られてますよ。私は今軽く嫉妬してますからね、やっぱり今日は来ない方が良かったのでは。それに……」
「わかった、わかったから。ちゃんと大人しくスチュアートの側を離れないから」
スチュアートが他の令息に嫉妬して話が長くなりそうだったので私はすぐに話を遮った。

「もう…それにさっきまでえっちしてたでしょ?私好きな人じゃないとえっちしないよ?」
私は口元に手を当てて小さな声でスチュアートに囁いた。
「ん…そんな可愛い事言わないでください。それこそこのままアリシア様を抱き抱えて帰りたくなりますよ」
スチュアートは少し照れつつも嬉しそうに笑っていた。
スチュアートの事だから本当に私を抱き抱えて帰りそうだった。

エスコートされつつパーティー会場のホールに到着するとすでにたくさんの人が集まっていた。
馬車で取り込み中だった為来るのが少し遅くなったのだ。

「あ!アリシア様、スチュアート様も」
周りを見渡しているとすぐに声をかけられた。
声のする方を見るとソフィアがリチャードと一緒に近づいてくるところだった。
「夜会も出席してなかったから今回も来てくれるか不安だったけど会えて良かったわ」
ソフィアは私が来た事で嬉しそうだった。
夜会の件はスチュアートの妨害にあっただけなので、私は本来約束はしっかりと守るほうだ。

「夜会は申し訳なかったわ。それよりリチャード殿下、ソフィア様この度はご婚約おめでとうございます」
私はカーテシーをしつつ挨拶をした。
その私の姿をリチャードがじっと凝視していた。

「あれ?君はもしかしてアリシア嬢?一緒にいるのはスチュアートか、久しぶりすぎて一瞬わからなかったよ」
リチャードが私を知っていた事に頭の中にはてなマークを浮かべつつ横にいるスチュアートを見上げた。
スチュアートは何故か目を細めて嫌そうな顔をしてリチャードを見ている。

「リチャード殿下はスチュアートとご友人なんですか?」
「友人というより親友だね。しかし君と一緒にいるという事はなるほど……」
リチャードが話を始めたかと思うとすぐに中断するかのようにスチュアートが一歩前に出た。
そして作ったような笑顔をしながらリチャードの肩を掴んだ。

「殿下、積もる話もありますから少しよろしいですか?」
「ん?いやここで話しても構わない……」
スチュアートはリチャードの返事も聞かずにそのまま肩を掴んで少しだけ待っていてくださいと言い残しバルコニーのほうに消えて行ってしまった。

リチャードとスチュアートは同学年だし仲が良かったのだろうか。
私の事を知っていたのは気になったがスチュアート経由で聞いていたのかもしれないと自分を納得させた。
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