7 / 13
神の楽園
第1話「レオナードの武器屋」
しおりを挟む
『神殺し革命』から5年。
ロナンディア王国は長期にわたりあらゆる街の代表とありとあらゆる会議が行われ続けた。
これからこの国はどのような政治体制をとるか、どこかの国と条約を結ぶべきか、そして法律の改正など。
そしてその長期の会議の結果、ロナンディアは共和制をとることになり、『ロナンディア王国』は『ロナンディア共和国』となった。
そして5年前に比べて財政も医学も政治も大分安定してきた。
しかし、この革命は他の国々には決して口外しなかった。
神殺しも全員隠蔽され、銀髪の少年達の顔を見た者は、ある人物の魔法によって記憶から消されていた。
ちなみにこの国の新しい元首は、国民によって選ばれた人物が新しく大統領として就いた。
そして、ようやく国に平和が訪れたのである。
ーロナンディア共和国.首都ユレイジア ヴィナスティーユ市 武器屋兼鍛冶屋「逆さ反りの月」ー
ここは、ロナンディアで有名な武器屋である。
国でこの武器屋を知らない人は極めて少なく、首都ユレイジアでは、子供でも知っている。
その店員である17歳の少年レオナードは、銀髪に緑色の瞳をしていて、この店の名前の由来である逆さ反りの月の耳飾りをしている。
彼は店の商品であるスモールソードと呼ばれる剣の手入れをしていた。
レオナードは武器の手入れという何気ないひと時が好きであり、無意識に鼻唄を唄うほどである。
すると20代後半の男が店の中にやって来た。
店に入るなり、椅子で剣の手入れをし続けるレオナードを呼ぶ。
「おーいレオナード!頼んどいた剣なんだけどよー!」
「あー、リュイさん!丁度さっき完成したぜー!」
レオナードは店の奥に行き、質の良さそうな剣を持ってきた。
客に渡すと、それを見るなり絶賛していた。
その剣は刀身が見事に真っ直ぐに作られ、鋭い刃は鏡のように美しく光る。
この剣はレオナードが1人で作ったものである。
「凄え……こりゃまた凄え剣作りやがったな…。ありがとよ!」
客はキラキラした目でその剣を見て、レオナードに礼を言った。
レオナードは不敵な笑みを浮かべ、代金を要求した。
「ではではお客さん、6000テラー頂きましょうか?」
「なっ……高っ!嘘だろ⁉︎」
客は膨大な金額に気が動転している。
するとレオナードは再び不敵な笑みを浮かべながら、
「元々ある商品と特注は別だぜ?よく覚えとけよ?」
「いやいや!特注でもせいぜい800テラーくらいが妥当だろうが!……あっ…テメェまさかこの間の件まだ根に持ってんのか?」
客の質問に対し、レオナードは白を切っている。
「おや、何のことかな?」
「俺がお前の大好物の黄金のリンゴ食った件だよ!あれなら謝ったろ!友達じゃねえか、それくらい許せよ!」
「なら、黄金のリンゴ三つで手を打とう。それなら400テラーで売ってやるよ。」
レオナードはニコッとわざとらしい笑顔で、林檎を要求する。
「ええ⁉︎……そりゃねえだろ。」
「俺も商人なんでね。取引だよ。」
「アホ……商売で1番大事なのは“信頼“だろうが。そんなんじゃ客いなくなるぞ⁉︎」
「大丈夫だよ、うちの店は商会からも信頼されてるからな。」
「そりゃ店主だろ⁉︎お、ま、え、の、こ、と、だ、よーー‼︎‼︎」
客はレオナードの眉間に指をグリグリ押し当てた。
レオナードはそれに対し、“分かった、分かった“と客をなだめる。
客が止めると何事もなかったかのように再び要求する。
「へいへい……で、どうする?」
レオナードが先程の話を完全無視してたようなので、いい加減呆れたようだ。
「お前話聞いてたのか⁉︎……ああ!わぁーったよ!黄金のリンゴ3つ!持ってくるから400で売ってくれ!」
「ニヒッ♪毎度あり♪」
レオナードの笑顔はその時は満面の笑みだった。
客は代金を払うと、ぶつくさ言いながら出て行った。
その後店の奥から30代の眼鏡を掛けた男性が出てくる。
レオナードと同じくこの店で働く店員である。
名前はアド。
「レオナードくん、そのうちお客さんいなくなりますよ?」
「大丈夫♪鍛治の腕で俺に敵う奴はいねえよ!」
「また自惚れちゃって…まぁ確かにそうですが…。…でも…五年前にもいましたよね…国内最高の腕を持つ鍛冶師が…。」
レオナードはその言葉に眉間にシワを寄せて反応した。
「……ああ…そうだな。」
「で、確か革命で死んじゃって……その後、この店を誰かが設立して、国内最高峰の武器屋になったんですよね。」
レオナードは先程の調子に乗っていた顔と違い、しかめた表情で聴いていた。
大きく表情が変化したレオナードに異変を感じ、アドが話しかける。
「……レオナードくん?」
「……大丈夫だよ、俺は今ならあいつも超えてるからよ!」
「……そうですね。」
アドは苦笑いを浮かべてそう言った。
“もう、二度とあんな事は起きて欲しくない“と。
※6000テラー……約150万円
ロナンディア王国は長期にわたりあらゆる街の代表とありとあらゆる会議が行われ続けた。
これからこの国はどのような政治体制をとるか、どこかの国と条約を結ぶべきか、そして法律の改正など。
そしてその長期の会議の結果、ロナンディアは共和制をとることになり、『ロナンディア王国』は『ロナンディア共和国』となった。
そして5年前に比べて財政も医学も政治も大分安定してきた。
しかし、この革命は他の国々には決して口外しなかった。
神殺しも全員隠蔽され、銀髪の少年達の顔を見た者は、ある人物の魔法によって記憶から消されていた。
ちなみにこの国の新しい元首は、国民によって選ばれた人物が新しく大統領として就いた。
そして、ようやく国に平和が訪れたのである。
ーロナンディア共和国.首都ユレイジア ヴィナスティーユ市 武器屋兼鍛冶屋「逆さ反りの月」ー
ここは、ロナンディアで有名な武器屋である。
国でこの武器屋を知らない人は極めて少なく、首都ユレイジアでは、子供でも知っている。
その店員である17歳の少年レオナードは、銀髪に緑色の瞳をしていて、この店の名前の由来である逆さ反りの月の耳飾りをしている。
彼は店の商品であるスモールソードと呼ばれる剣の手入れをしていた。
レオナードは武器の手入れという何気ないひと時が好きであり、無意識に鼻唄を唄うほどである。
すると20代後半の男が店の中にやって来た。
店に入るなり、椅子で剣の手入れをし続けるレオナードを呼ぶ。
「おーいレオナード!頼んどいた剣なんだけどよー!」
「あー、リュイさん!丁度さっき完成したぜー!」
レオナードは店の奥に行き、質の良さそうな剣を持ってきた。
客に渡すと、それを見るなり絶賛していた。
その剣は刀身が見事に真っ直ぐに作られ、鋭い刃は鏡のように美しく光る。
この剣はレオナードが1人で作ったものである。
「凄え……こりゃまた凄え剣作りやがったな…。ありがとよ!」
客はキラキラした目でその剣を見て、レオナードに礼を言った。
レオナードは不敵な笑みを浮かべ、代金を要求した。
「ではではお客さん、6000テラー頂きましょうか?」
「なっ……高っ!嘘だろ⁉︎」
客は膨大な金額に気が動転している。
するとレオナードは再び不敵な笑みを浮かべながら、
「元々ある商品と特注は別だぜ?よく覚えとけよ?」
「いやいや!特注でもせいぜい800テラーくらいが妥当だろうが!……あっ…テメェまさかこの間の件まだ根に持ってんのか?」
客の質問に対し、レオナードは白を切っている。
「おや、何のことかな?」
「俺がお前の大好物の黄金のリンゴ食った件だよ!あれなら謝ったろ!友達じゃねえか、それくらい許せよ!」
「なら、黄金のリンゴ三つで手を打とう。それなら400テラーで売ってやるよ。」
レオナードはニコッとわざとらしい笑顔で、林檎を要求する。
「ええ⁉︎……そりゃねえだろ。」
「俺も商人なんでね。取引だよ。」
「アホ……商売で1番大事なのは“信頼“だろうが。そんなんじゃ客いなくなるぞ⁉︎」
「大丈夫だよ、うちの店は商会からも信頼されてるからな。」
「そりゃ店主だろ⁉︎お、ま、え、の、こ、と、だ、よーー‼︎‼︎」
客はレオナードの眉間に指をグリグリ押し当てた。
レオナードはそれに対し、“分かった、分かった“と客をなだめる。
客が止めると何事もなかったかのように再び要求する。
「へいへい……で、どうする?」
レオナードが先程の話を完全無視してたようなので、いい加減呆れたようだ。
「お前話聞いてたのか⁉︎……ああ!わぁーったよ!黄金のリンゴ3つ!持ってくるから400で売ってくれ!」
「ニヒッ♪毎度あり♪」
レオナードの笑顔はその時は満面の笑みだった。
客は代金を払うと、ぶつくさ言いながら出て行った。
その後店の奥から30代の眼鏡を掛けた男性が出てくる。
レオナードと同じくこの店で働く店員である。
名前はアド。
「レオナードくん、そのうちお客さんいなくなりますよ?」
「大丈夫♪鍛治の腕で俺に敵う奴はいねえよ!」
「また自惚れちゃって…まぁ確かにそうですが…。…でも…五年前にもいましたよね…国内最高の腕を持つ鍛冶師が…。」
レオナードはその言葉に眉間にシワを寄せて反応した。
「……ああ…そうだな。」
「で、確か革命で死んじゃって……その後、この店を誰かが設立して、国内最高峰の武器屋になったんですよね。」
レオナードは先程の調子に乗っていた顔と違い、しかめた表情で聴いていた。
大きく表情が変化したレオナードに異変を感じ、アドが話しかける。
「……レオナードくん?」
「……大丈夫だよ、俺は今ならあいつも超えてるからよ!」
「……そうですね。」
アドは苦笑いを浮かべてそう言った。
“もう、二度とあんな事は起きて欲しくない“と。
※6000テラー……約150万円
0
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる