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第一部「ハルコン少年期」
43 サスパニア出張旅行 その6_08
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* *
「ほぅ、……。そちらが、ハルコンAですか?」
石原中佐さんは、そう言って私(ハルコン)の出した小瓶をじっと見つめてきた。
先ほどの話では、異世界の代物だといって、どこか信用していない節が感じられたのだが、……。
でも、実際にその目で実物を見て、それなりには関心がおありのようだと私には見受けられた。
「どうぞ、お手に取って見て下さい!」
私は、さっそく石原中佐さんにその小瓶を手渡した。
このハルコンAは、私が前世の聖徳晴子の頃からず~っと研究を続けてきた、渾身の薬品だ。
だから、……。軽々しく侮られるのは、結構不愉快なんだよね。
「ありがとうございます!」
石原中佐さんはそう言って、彼の目の高さにその小瓶を掲げながら、怪訝そうにしばらく眺めていた。
「ハルコン殿、……先ほども申しましたが。我々にとって、このハルコンAはいささか眉唾ものでしてな。いくらその効果を噂されても、実際にこの目で見ないことには、……どうにも信じられずにおりましてね!」
「まぁ、そうでしょうとも。もしよろしければ、どなたか心当たりのある方で、お試し頂くとよろしいでしょう! こちらはサンプルでお渡ししますので、どうぞ使って下さい!」
「ありがとうございます!」
石原中佐さんは笑顔でひとつ頷くと、ちらりと小水戸中尉の方に目をやった。
すると、……。中尉も黙って頷き返すと、直ぐに部屋を出ていってしまった。
「ハルコン殿、……用量用法をお伺いしても?」
「傷口に、直に数滴の塗布で足りますよ。水で100倍に薄めて、飲用することも可能です!」
「ならば、今回頂いた分量ですと、どの程度の効果が期待できますか?」
「そうですねぇ、……。四肢欠損の重症者でも、元の身体に戻すことが可能です!」
「何と!?」
「飲用ということなら、約1000人のエボラ出血熱、デング熱、マールブルグ病、肺結核、狂犬病、それと強毒性の新型鳥インフルエンザ……。まぁ、ありとあらゆる症状の患者を救うことが可能ですね!」
「それは、……誠に以て素晴らしいことですな!」
しばらくそんな話をしていると、小水戸中尉が車椅子を押しながら部屋に戻ってきた。
その車椅子には、頭部も顔もその全身が包帯で覆われている者が座っていた。
私は前世の晴子の頃にも、多くの患者と接する機会があったが、今回のケースはかなり重症の部類に入るものと思われた。
「我々の部隊の者でしてな。ラスケと交戦中、キューポラで全身を焼かれてしまい、こうして辛うじて生き残っている次第でして、……」
私は、その座る人物をじっと見つめた。その瞳は絶望の直ぐ先まで迫っていて、もはや光を失っているように見受けられた。
「女神様は、……。この方を、お救いにはなられなかったのですか?」
「えぇ。『晴子さんに会って、お願いして下さいね!』としか、……」
「なるほど、……」
それは責任重大だなぁと、私は思った。
「ほぅ、……。そちらが、ハルコンAですか?」
石原中佐さんは、そう言って私(ハルコン)の出した小瓶をじっと見つめてきた。
先ほどの話では、異世界の代物だといって、どこか信用していない節が感じられたのだが、……。
でも、実際にその目で実物を見て、それなりには関心がおありのようだと私には見受けられた。
「どうぞ、お手に取って見て下さい!」
私は、さっそく石原中佐さんにその小瓶を手渡した。
このハルコンAは、私が前世の聖徳晴子の頃からず~っと研究を続けてきた、渾身の薬品だ。
だから、……。軽々しく侮られるのは、結構不愉快なんだよね。
「ありがとうございます!」
石原中佐さんはそう言って、彼の目の高さにその小瓶を掲げながら、怪訝そうにしばらく眺めていた。
「ハルコン殿、……先ほども申しましたが。我々にとって、このハルコンAはいささか眉唾ものでしてな。いくらその効果を噂されても、実際にこの目で見ないことには、……どうにも信じられずにおりましてね!」
「まぁ、そうでしょうとも。もしよろしければ、どなたか心当たりのある方で、お試し頂くとよろしいでしょう! こちらはサンプルでお渡ししますので、どうぞ使って下さい!」
「ありがとうございます!」
石原中佐さんは笑顔でひとつ頷くと、ちらりと小水戸中尉の方に目をやった。
すると、……。中尉も黙って頷き返すと、直ぐに部屋を出ていってしまった。
「ハルコン殿、……用量用法をお伺いしても?」
「傷口に、直に数滴の塗布で足りますよ。水で100倍に薄めて、飲用することも可能です!」
「ならば、今回頂いた分量ですと、どの程度の効果が期待できますか?」
「そうですねぇ、……。四肢欠損の重症者でも、元の身体に戻すことが可能です!」
「何と!?」
「飲用ということなら、約1000人のエボラ出血熱、デング熱、マールブルグ病、肺結核、狂犬病、それと強毒性の新型鳥インフルエンザ……。まぁ、ありとあらゆる症状の患者を救うことが可能ですね!」
「それは、……誠に以て素晴らしいことですな!」
しばらくそんな話をしていると、小水戸中尉が車椅子を押しながら部屋に戻ってきた。
その車椅子には、頭部も顔もその全身が包帯で覆われている者が座っていた。
私は前世の晴子の頃にも、多くの患者と接する機会があったが、今回のケースはかなり重症の部類に入るものと思われた。
「我々の部隊の者でしてな。ラスケと交戦中、キューポラで全身を焼かれてしまい、こうして辛うじて生き残っている次第でして、……」
私は、その座る人物をじっと見つめた。その瞳は絶望の直ぐ先まで迫っていて、もはや光を失っているように見受けられた。
「女神様は、……。この方を、お救いにはなられなかったのですか?」
「えぇ。『晴子さんに会って、お願いして下さいね!』としか、……」
「なるほど、……」
それは責任重大だなぁと、私は思った。
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