上 下
5 / 17
始動編

観察記録 Rその1

しおりを挟む
リス系魔物の観察記録
~ 担当者A ~

1日目 曇り
つぶらな黒い瞳と愛らしく首を傾げる姿は、可愛い過ぎてキュン死するほど!
変異種なので小さくて弱々しい。
これから僕達が君を丈夫にしてあげるからね。
レナードさんからの虎の巻には、魔性植物の果実や木の実が変異種を健康にするとある。
食べられないほど弱っている時は、魔性植物の果汁を与え、それも難しい時は魔素が濃い場所で短時間過ごすだけでも良いと書いてある。
では先ずは果実だね。

5種類を用意する。
リコの実、グミの実、鬼苺、黄苺、メメロン
半分に切ってリス猿系と分ける。
それを更に片手くらいの大きさに切り分ける。
小ぶりのコーヒーカップソーサに並べてリス系魔物の前に置く。
近い順から恐る恐る手に取っている。
好きな物は食べる速度が早くなり、口いっぱいに詰め込み、頬袋を膨らませしている。
苦手なメメロンは遅く、普通に食べ続けている。
嫌いな物は一口で動きが止まり皿の上に落としていた。
1週間お昼だけ同じメニューにして統計を取ることにする。
朝と夜はゲージにリス系の餌を入れてある。
元の飼い主さんから預かったもの。

もぐもぐタイムは密かな人気となるだろう。
あの頬袋が膨らむほど一心不乱に食べ続ける姿は、ずっと見ていても飽きない。
食後の運動にと中庭に連れて行く。
警戒しているのか、しきりに匂いを嗅ぎ首を傾げている。
ずっと見ていても飽きない。
ちょこっと走り出したが、すぐに戻って来て僕を見つめて来た。
膝の上や肩の上に登って来てくれて嬉しい。
動きの早さは1匹しか居ないので比較する対象がおらず、成長の度合いのみの記載に徹する。

2日目 晴れ
嫌いな物鬼苺は2日目は目も向けないが、苦手な物はグミの実で昨日と同じではなかった。
量をどれだけ与えて良いのか悩む。
とりあえず1個ずつ、または一房にしているが、もう少しあげても良い感じもする。
昨日より少しだけ遠くまで行ったが、すぐに帰って来た。
また膝の上や肩の上に来てくれた。
めちゃくちゃ嬉しい。

3日目 曇りのち晴れ
嫌いな物は今日も手を付けない。
苦手な物は一昨日と同じメメロンだった。

3日間観察して見て思ったことは、苦手な物は何か条件があるのか食べたり、食べなかったりすることが判明した。
採取出来る種類が変わったらまた統計を取ろう。
この子は好きな物を最初に食べるタイプのようだ。
小さめの果実を丸々与えたら、頬袋をパンパンにするのだろうか?
魔性植物をたくさん与えたら大きくなるのだろうが、凶暴化のメカニズムが分かっていない以上、あげ過ぎないように気をつけなちゃいけないね。
最初の子達だから少し慎重にした方がいいだろう。

…しかしこのつぶらな瞳でウルウルと見上げられると、もっとあげたくなってしまう!




---
個人的な主観の部分が散見されるため、のちに提出(発表)用に書き直し作業が必要となった。
しおりを挟む

処理中です...