幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第2章

夜間採取

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トマトも煮崩れて来たので、炒めて取り出していた肉を戻してかき混ぜる。
更に火を弱めて水を加えて蓋をする。
今から夜にしか採取出来ない素材を取りに行くための準備をする。
荷物は最低限にして、空にしたマジックバックを腰に付ける。
洞窟の入り口に結界の魔道具を置き、炉を自然に熾火になるように始末をして出かける。

始めての夕方からのお出かけに子供達はテンションが高い。
地図を見ながら目標になる目印を探す。
時々上空からクレドに探索を頼んで位置を修正して、目的の月光草の群生地へ。
月光を受け幻想的に淡い光を放っているような様子は、神秘的で神聖な気持ちになる。
月光が差し込む風通しの良い林や森の中の開けた、空気の綺麗な魔素がある場所でしか生えない珍しい薬草で、解熱剤や解毒剤などの材料として使われる。
ソルとルナが手伝いたがったので、根を傷付けないように回りを掘って株ごと採取するように頼んだ。
株ごとの採取のが簡単で、花弁を散らさないように手折るのは丁寧に扱わないといけないから兄弟彼らには無理だから。
月光草は捨てるところがない薬草だから。
スティード達にはピアニーの案内で近くの低木になる果実を枝ごと採取するように頼んでいた。
あまり派手に株ごと採取してもいけないので、10株ずつくらいで2匹にはご苦労様と労って終了させ、スティード達のを運ぶ手伝いを頼んだ。
魔物避けと接近の通知の魔道具をセットして作業を続けた。
今までは1人で採取していたので、これらの魔道具や魔物避けの薬玉などを利用していたが、今は幻獣や幻獣候補達がいるので極力利用しないようにしている。
狼犬達が綺麗に採取出来た3株はそのまま蓋付きの瓶に入れてしまう。
最初の数株以外は使用出来る状態だったので必要な部分だけ摘み取った。
穴だらけの場所をスコップである程度慣らして到着を待つ。
そこへ4匹それぞれが数本ずつ咥えて戻って来た。
縄でまとめてスティードと幼体に括り付けてテントに戻る。
《クレドは夜目が効かないからそろそろ肩に乗って》
ピッ!
《夜の森は夜行性の獣や魔獣がいるから危険だ。今からテントまでは気配を消す練習をしながら行ってみよう。
訓練だから頑張って》
全員しっかり頷く。
《クレドは気配察知の訓練をしようか》
《頑張る》
レナードは一番後ろを歩きながら、索敵をしつつ、子供達を観察する。
流石に夜行性の狼の血が流れているソルとルナ達は気配も足音もそれとなく消せている。
野性の生き物程ではないが、狩猟を始めただけのことはある。
森での気配を消す訓練が初めての2匹は、どちらかしか出来なかったりしてなかなか上手くいっていないようだったが、テントに付く頃には形にはなっていた。
《気配を消すことは自分の身を守るために必要だから、うちに帰ったらもっとしっかり訓練しよう》
全員を労うように順番に撫でていく。
迷いの森の方に危険な魔物が集まるため、比較的安全な森だから出来たのだ。
テントに戻ると枝を洞窟の奥へしまい、夜行性のソルとルナに見張りを任せて眠りについた。

陽が昇る少し前にレナードは目を覚ましてテントを出た。
兄弟にお疲れ様と伝え眠ってもらう。
熾火に小枝を入れて火を起こし、昨夜作った鍋を火にかける。
仕上げに乾燥させた料理にも使用する薬草を刻んだり、すり潰したものを入れてかき混ぜて完成する。
ポケットに入れていたピアニーに、昨日採取した中から好きな果実を選んで食べてもらう。
他の子達は昨日魔物の肉も食べ、森の中の魔素もある程度取り込んでいるため、催促して来たら食べさせるつもりでレナードは朝食を食べ始めた。
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