幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

文字の大きさ
61 / 220
第3章

資金提供

しおりを挟む
密猟者達から野生で暮らすのが困難な者を、計画の協力者や冒険者ギルドや商業ギルドなどで一時的に預けられていた幻獣達を、レナードのところへ移管させるに当たって、治療のための仮住まいの小屋ではいけないときちんとした幻獣舎を作ることが決まった。
これには精霊王や幻獣王達も賛同し、幻獣舎に必要な分の素材に限り、各地の迷いの森で制限以上に持ち出すことを許可してくれた。
その代わりの条件として、精霊王達が事前に面談(?)し、森の出入りや素材の規定量以上の持ち出し許可の腕輪の貸与と、監視役の中精霊の派遣が提示された。
どうやって面談をするのか聞いたところ、会議室に候補者を集めて育成計画を担当している職員のいずれかが、質疑応答しているところを観察して決めるらしい。
素材の持ち出しは腕輪を付けた人間のマジックバックだけ制限の緩和がされるが、他の者は従来通りであるが、同行者全ての量が必要な素材分と今回設定した日当分以外は持ち出せない。
腕輪の人間の量は他の同行者の持ち出し分が日当分を大幅に越えたら減るということになる。
以前から友好的だった種族は、元々必要分だけしか採取しないため、同行者に居ても除外される。

レナードが今回の保護に必要な費用のことで悩んでいることをピュードルから聞いた精霊王達は、幻獣舎を含めた費用分を迷いの森の素材を使用することを決め、レナードにトラヴァーへの出頭を求めた。
レナードはピュードルとアルバを連れて、スティードに乗り急いでトラヴァーに向かう。
この頃には成体になったスティードは、レナードの乗せて移動出来るようになっていた。
スティードを森の入り口に残し、ネーベルに付いて行く。
霧が晴れたら目の前に4人と4体が居た。
トラヴァーで会ったオンディーヌとフェンリル、レナードの家に来たアスピドケローネは知っているが、あとは知らない。
《良ク来タ。今回ノ同族ノ治療及ビ保護ニ、感謝スル。
戻ッタ者達ハ皆、喜ンデオル》
《紹介ハ後デスルトシテ、幻獣達ノタメニ費用トヤラガカカルト聞イタゾ。
ソコデレナードニ提案ガアル》
《今カラノ話シハ口外シテハナラヌ》
フェンリル、オンディーヌと続き、見知らぬ褐色の肌の中性的な人物が念話して来た。
《ここにいる者以外には言ってはいけないということですね》
《ソウダ》
《分かりました》
炎の色の鳥類が人型になって話しかけて来た。
《迷イノ森ハ我ラガ幻獣達ガ結界ヲ張リ、アラユルモノノ出入リヲ制御シテイル。
ソシテソノ森ニ住ム幻獣ノ種族ヤ植物ナドニ因ッテ、素材ノ種類ガ変化スルノダ》
《そんな重要な話しを私如きが聞いて良い《オヌシダカラ話スノジャ》》
オンディーヌに被され、レナードの発言は遮られた。
《故ニカリュプス鋼の森ハ消エタ》
と褐色の肌の人物が続ける。
《ソコデ我ラハ考タ、森ニ帰レヌ者ヤ、帰ル場所ガナイ者ヲ、人間ト契約シテ居場所ヲ作ッテヤッテハドウカト》
《それは幻獣使いの従魔になってもらうということでしょうか?》
《ソレモアルガ、御主ノ庭ニ他ノ森デ暮ラセナイ者達ノ新タナ小サナ森ヲ作リ、ソコカラノ素材ヲ今後モ増エルダロウ幻獣達ノ資金源ニト》
《えっ!そんなこと出来るんですか?…って出来るから言っているんですよね?
資金面では嬉しいですが、庭に森を作られても困るのですが》
《デハ、ドコナラ良イノダ?》
《近くの森はカリュプスに近いところにありました。
そこの一角だと生態系が崩れるので、その森と我が家の間ではどうでしょう?》
相談しているのかしばらく沈黙した。
《良イダロウ。何カ望ムコトハアルカ?》
《可能ならば、一定の条件の合う者以外不可視に出来れば有り難いですね。
人間は見えると欲しがりますが、見えないものには無意識に怖がりますから》
《フム、色々互イニ話シ合イガ必要ノ様ダナ》
その後、精霊王、幻獣王、レナードがそれぞれ意見を出し合いがなされた。
最終的に幻獣士の素案に近いものになり、初めての不可視の迷いの森がレナードの近くの森の手前に出来ることになり、その人間側の入り口の一つとして、保護した幻獣専用の幻獣舎を建てることが決まった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。 辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。

元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~

草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。 勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。 だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。 勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。 しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ! 真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。 これは少女と世話焼き神獣の癒しに満ちた気ままな旅の物語!

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

処理中です...