幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第3章

建設

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無事設計変更の図面が完成した。
1階は森に接する一棟以外は幻獣のための建物で、2階が大半が人間用のスペースになっている。
右手の手前側が大型種用で、奥側が中型でも大型種に萎縮しない種族用、真ん中に空き部屋があり、どちらからも扉がある。
左手の手前側鳥舎風の建物で、昼行性と夜行性に分けられ、真ん中建物が小型種用で、奥側が大型種に萎縮する中型種用と仕切られている。
全て壁側が巣箱や寝床で、通路側が自由スペースになっており、自由スペースとエントランスの間には人工水晶が壁のようになっており、幻獣達が怯えたり、うっかり事故に合わないようにレナードの牛舎のように、それぞれのスペースに合わせた結界を水晶に施してある。
大型種と中型種の間の部屋と、最奥の一棟に続く扉の左右と、2階にも二部屋空き部屋があるが、その5部屋は幻獣士が種族の違う幻獣と契約した場合や群れ単位で契約した時などに同じ部屋で過ごせるように作られたものだが、緊急時には治療部屋として使用する。
地下がお風呂や水浴び場と、調理スペースとなっている。
真ん中のエントランスは人間の待機場所兼交流の場所で、最奥の渡り通路で繋がれた一棟が幻獣士候補者のための施設になっている。
2階が小会議室2つと事務所、宿泊施設が5部屋で、1階の半分が待機部屋兼大会議室で、残りが受付と待合室になっている。
試練の森への入り口は待機部屋から地下への階段を降りて洞窟に入った先にある。
のちに幻獣士ギルドの基礎になる建物で、森の前の計画より倍の敷地面積と3倍の延床面積になった。
取り急ぎ鳥舎と大型種用の建物を急ぎで仕上げて、残りは増築するように繋げて行くことになった。
当面はレナードの敷地内の仮小屋は治療中やリハビリ中など問題ありの幻獣を、鳥舎と大型種用にそれ以外の居場所のない幻獣という様に分けて世話をする。
今回の捕縛で保護された幻獣は、珍品目的のグループと、奴隷目的と販売目的だったため一時的に大所帯になった。
珍しい品種と幼体以外は素材目当てか、奴隷使役目的で、従順にさせるためだけに傷つけられたり、衰弱させられていた。
衰弱したり、傷つけられた幻獣達は新しい幻獣舎の施設に移る頃には、人間が舎内に居ても餌を食べられるようになった。
幼体達は充分とは言えないものの、餌をもらっていたので、直ぐに慣れてくれた。
完成した建物には暫定的に前者には鳥類と小型種、大人しい草食系中型種、後者が大型種と肉食系中型種に分けられた。
2棟に移動が済んだ時点で『試練の森』は作られて、精霊王4人が結界を張って準備は整った。
試練の森で暮らす幻獣達が決まり次第、その種族に合った魔性植物や魔虫などを追加していくらしい。
今はどの種族でも好む植物と、魔素を排出する植物が植えられている。
森のことは精霊王と幻獣王達が目処が立つまで監修してくれるので安心している。
最終的にはレナードの庭の仮小屋は建て直して、側にある池がないと困る種族用の居住スペースと、幻獣や変異種の治療とリハビリスペースのある建物にすることになっている。
ここに今いる保護された幻獣は全て試練の森に所属になり、幻獣士の人間側のルールが決まれば、主人との相性次第では新しい家族が出来る。
アーウィンの幻獣達は白狼ホワイトウルフのリーダーとその群れの6匹と鼠型の幻獣 アルレーオスで、幻獣士になってずっと一緒に居たいし、出来ればアルレーオスと行動出来る小さめな幻獣か変異種も家族にしたいそうで、レナードのところへ来れない時は、アルレーオスを連れて魔性植物園の手伝いをしつつ、候補を探しているらしい。

レナードの意志ではないのに増えていく幻獣と変異種達。
火蜥蜴を保護したせいで更に幻獣士になり、監視役として水の中級精霊 ヒュードルが付けられ、密猟者の捕縛のせいで幻獣の治療が大幅に増えたら、居候の精霊の中から仮契約を強請らる者も現れ、まだ増える気がすると頭を抱えている。

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