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第7章
遭遇
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薬草の森にジャコウ鸚鵡らしい生物の目撃情報が多く集まるが、直ぐに逃げるか、近付けない場所にいるなどではっきりとした確認が出来ていない。野生のジャコウ鸚鵡が1羽で居るなら保護対象だが、トラヴァーの精霊や妖精達に話しを聞ける程の能力を持つ幻獣士が行く事がほぼない。それはトラヴァーが凶悪な獣や魔獣が少なく、草食の昆虫類や小動物や草食魔獣の宝庫であり、昆虫や木の実などを主食にする種族か、雑食の獣や魔力のみを糧にする幻獣しか居ない。そのため採取能力の高い幻獣士か、新人幻獣士などしか行かないのだ。
「こういう時にヒュードル様が居ないのはキツいな。かと言って他の中精霊持ちは遠方か、クエスト中だし」
「アルバが居ないのに出かけることはしたくないが、此処に居ても薬師としての仕事は集中出来ずに役に立たないから私が調査に赴くよ」
「ギルド長大丈夫ですか?」
「シャンス達トラヴァー出身者も多いし、変異種達も仕事をしていた方が気が紛れるだろうからな」
「そうですな。最初から一緒だったクレドや狼犬兄弟もだが、一緒に行動することが多かったスティードなんかは獣舎に籠りがちだと聞きましたゾ」
「だからあの子達の気晴らしがてら行って来るので後を頼む」
「お任せを」
竜人族のネイティヴィダッド副ギルド長にギルドを任せ、出立の準備を整えると直ぐにトラヴァーに向かう。仕事だと告げると元気良く返事をする子が多い中、スティードだけは渋々と言った感じで、それでもこれ以上仲間と離れたくないのか同意してくれた。普段ならお留守番をしたがる火の下級精霊のフォティアや土の下級精霊のティエラや妖精も、生まれ故郷に里帰りしたいという事で着いて来た。
出立して直ぐは深く物事を考えない精霊や妖精と、アルバを知らない新しい幻獣以外は普段と違う様子が見られたが、トラヴァーの最寄りの街ヘンルーダが見える頃には普段通りになっていた。迷いの森では油断は禁物だと経験から身に付いているためだろう。
ヘンルーダの冒険者ギルドに寄り、新しい情報の確認など情報共有し、街では泊まらずいつもの手前の森の野営地に行く。かなりの強行軍だったが、それは深く考える余裕を無くすためでもあった。レナード自体もそうであったから。幻獣士が自由にトラヴァーを行き来できるようになり、手前の森のシャンス達を発見した広い場所も手入れされて小規模な野営地となっていて、もう一晩そこで野営して早朝に出発した。他にも以前利用した洞窟もトラヴァーに挑む採取者達に人気の野営地となっていた。
トラヴァーの入り口でシャンス以外の森の出身者と別れた。シャンスは此処での思い出はないが、同族達が棲家としている森なので過ごし易いのだろう、ポケットではなく肩に留まっている。スライムのタンザはポケットの中だ。
目撃情報をもとについでに薬草などの素材を採取しつつ進む。本来なら案内役の精霊か妖精が付くはずだが、レナードはこの森出身者と契約しているため居ない。もちろんレナードがどれだけ大量に素材を持ち出しても、ほとんどがなんらかの形で幻獣や野生の生き物達に使用することを四精霊王や聖獣王達が承知しているからだ。
レナードがトラヴァーに出立した事を知った闇の大精霊はジャコウ鸚鵡を幻影を見せた場所付近に移転させた。その場所は迷いの森の中でも魔素が強い場所の1つであった。ジャコウ鸚鵡は他の人族やこの森の競合する生き物達から隠れる様に縄張りがない場所でひっそりと待っていた。側にいた光の中精霊にアルバの主人達が近付いたと聞き移動を始める。闇の精霊は隠匿の魔法で離れた場所で監視している。
発見したのはクレドだった。発見した近くに止まり、近くのルナ呼び案内役を任せた。
《主人、あの高い木の上にいる》
教えられた場所には小柄だが明らかにジャコウ鸚鵡と思われる個体が太い木の枝に同化するかの様に佇みこちらを見ていた。
「こういう時にヒュードル様が居ないのはキツいな。かと言って他の中精霊持ちは遠方か、クエスト中だし」
「アルバが居ないのに出かけることはしたくないが、此処に居ても薬師としての仕事は集中出来ずに役に立たないから私が調査に赴くよ」
「ギルド長大丈夫ですか?」
「シャンス達トラヴァー出身者も多いし、変異種達も仕事をしていた方が気が紛れるだろうからな」
「そうですな。最初から一緒だったクレドや狼犬兄弟もだが、一緒に行動することが多かったスティードなんかは獣舎に籠りがちだと聞きましたゾ」
「だからあの子達の気晴らしがてら行って来るので後を頼む」
「お任せを」
竜人族のネイティヴィダッド副ギルド長にギルドを任せ、出立の準備を整えると直ぐにトラヴァーに向かう。仕事だと告げると元気良く返事をする子が多い中、スティードだけは渋々と言った感じで、それでもこれ以上仲間と離れたくないのか同意してくれた。普段ならお留守番をしたがる火の下級精霊のフォティアや土の下級精霊のティエラや妖精も、生まれ故郷に里帰りしたいという事で着いて来た。
出立して直ぐは深く物事を考えない精霊や妖精と、アルバを知らない新しい幻獣以外は普段と違う様子が見られたが、トラヴァーの最寄りの街ヘンルーダが見える頃には普段通りになっていた。迷いの森では油断は禁物だと経験から身に付いているためだろう。
ヘンルーダの冒険者ギルドに寄り、新しい情報の確認など情報共有し、街では泊まらずいつもの手前の森の野営地に行く。かなりの強行軍だったが、それは深く考える余裕を無くすためでもあった。レナード自体もそうであったから。幻獣士が自由にトラヴァーを行き来できるようになり、手前の森のシャンス達を発見した広い場所も手入れされて小規模な野営地となっていて、もう一晩そこで野営して早朝に出発した。他にも以前利用した洞窟もトラヴァーに挑む採取者達に人気の野営地となっていた。
トラヴァーの入り口でシャンス以外の森の出身者と別れた。シャンスは此処での思い出はないが、同族達が棲家としている森なので過ごし易いのだろう、ポケットではなく肩に留まっている。スライムのタンザはポケットの中だ。
目撃情報をもとについでに薬草などの素材を採取しつつ進む。本来なら案内役の精霊か妖精が付くはずだが、レナードはこの森出身者と契約しているため居ない。もちろんレナードがどれだけ大量に素材を持ち出しても、ほとんどがなんらかの形で幻獣や野生の生き物達に使用することを四精霊王や聖獣王達が承知しているからだ。
レナードがトラヴァーに出立した事を知った闇の大精霊はジャコウ鸚鵡を幻影を見せた場所付近に移転させた。その場所は迷いの森の中でも魔素が強い場所の1つであった。ジャコウ鸚鵡は他の人族やこの森の競合する生き物達から隠れる様に縄張りがない場所でひっそりと待っていた。側にいた光の中精霊にアルバの主人達が近付いたと聞き移動を始める。闇の精霊は隠匿の魔法で離れた場所で監視している。
発見したのはクレドだった。発見した近くに止まり、近くのルナ呼び案内役を任せた。
《主人、あの高い木の上にいる》
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