幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第8章

合意

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 レナードとギルド本部商業ギルド代表ケイシーは前日に 竜人族の国コンティノアールの国境の街スドエステパソで落ち合い、レナードの馬車で移動しながら打ち合わせ合流点のエルフの森へと向かう。
 エルフの森で一晩泊まった翌朝にエルフ族が用意した馬車に乗り、馬車について行ける幻獣は外で駆けた。
 今まで一番自由奔放だったウェントゥスは、7属性の生まれたての小精霊達に振り回されて、お兄さんの様に世話を焼いていた。馬車の中の打ち合わせの時だけは流石に小精霊や妖精達を外に出てもらったが、賑やかな馬車内で好き勝手に遊ぶ悪戯するのをレナード以外は楽しんでいた。
 ちなみに今回の表向きの理由は金剛石アダマースで採取した新しい石の採取場所の視察とした。あの石はまだ検証を始めたばかりだが、薬効以外にも利用価値がありそうだったから、長命で博識のエルフ族長老と本部ギルドの商業ギルド代表に現地で視察しながら説明するという形だ。
 アダマースに着いてから先ずは口実である石の場所へ此処出身の妖精に案内して向かう。道すがら説明をしたり、見本を採取する。その間にヒュードルに精霊王の元へ連絡のために送り出した。
 招待されたのは人族の4人と麒麟だけだったが、生まれたばかりの7属性の小精霊達と火蜥蜴が離れるのが嫌だと駄々をこねてレナードにしがみ付いて来てしまったので、大人しくするという条件でその場に止まることになった。それが終わると全精霊王達と一部の幻獣王達を目の前にしたエルフ2人が跪く。
 《偉大なる精霊王様方、猛き幻獣王様方、お初にお目にかかり光栄でございます》
 《挨拶ハソコマデ。シテレナードヨ、我眷属達ヲ直接受ケ入レナイノハドウシテカ?》
とダストーニ
《私モソナタダカラコソ預ケタノダガ》
とルーチェ
《私の本業は薬師です。そして既に幻獣士として一番多くの従魔がいます。何よりあそこに居た幻獣達はしっかりと愛情を注いでくれ、能力を活かしてくれる者に預けた方が幸せだと思うからです》
《ソウカ》
闇と光の精霊王だけでなく、他の精霊王達も幻獣達の幸せを優先した上での選択だった事に驚きつつ、非常に喜んだ。
《我等ノ方デモ色々協議シテミタガ、先ズハ其ノ方ラノ案ヲ聞キタイ》
《お初にお目にかかります。人族のギルド本部の代表の1人でケイシーと申します。私から説明させていただきます》
レナード以外の3人は招待された際に妖精の鱗粉で会話が可能になっている。
《先ず大前提として幻獣士と契約する事は絶対条件としております。その上で治療や薬に関する職業の中で最も必要とされる薬師か、薬を製造する者達にしたいと考えております》
《ソコマデ考エテイタカ》
《ただ能力が非常に高いため、他の職業や権力者などから狙われて能力の搾取や強要される恐れがあります。そこで我々は専属契約の個人か、家族又は一族のみにしたら良いと考えております》
《具体的ニハ?》
要約すると以下の内容となる。
仕事内容を限定した幻獣士か、薬師と幻獣士の兼業している者で専属契約を結び秘匿させるか、1人以上の幻獣士を条件に家族や一族などで能力などの外部に秘匿を出来る関係性が確約出来る集団のどちらかのみの許可制にすること。
争いと独占の可能性の高い宗教には詳細は知らせず、力のある宗教の関係性が高い者は所属もさせないこと。
解毒液の件は薬師ギルドと治療ギルドには伝えるが、悪用や独占などを懸念が高いためどの程度を伝えるかを協議したい事。
現在考えられる限りの懸念事項など。
それを聞いた精霊王達は想定していた内容以外を協議するため一旦休憩することになった。
休憩中は静かにしていた小精霊達とシャンスと戯れた。
休憩後はそれぞれが出来ること、出来ないことや協力して欲しいことを伝えて協議を重ねて概ね合意して終わった。実際にはこの後の人族でのギルド本部への正式な報告兼ルール作りで変更する可能性を考えたもので、ケイシーに一時的に中精霊がつけられた。精霊王側の情報収集と、ケイシーの護衛を兼ねての対策であった。直接精霊王達と話し合いした事で拉致監禁され、拷問や強要をされる可能性を伝えたことで精霊王側から提案された。
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