幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第8章

接触

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 ある程度のルール作りの目処がたったので、幻獣士と共にいたい者達に、光と闇の大精霊が改めて意向を確認してくれた。
 特異体の蜘蛛の子以外はルール通りで良いと言い、一部は親達も同じ条件で参加したいと言って来た。蜘蛛の子だけがレナードか、レナードの近くが良いと言ったと言う。それを踏まえてリストをもとに、先ずは専属契約者と兼業者の候補者に幻獣士ギルド幹部か、人外は種族の重鎮等が秘密裏に接触し、条件やルールを説明した上で意向を聞いて回った。そして専属または兼業の契約を結んでも良いと名乗りを挙げてくれた者を全員、仕事などの都合に合わせて日程を2つに分けて挑戦する事が決まった。
 その期間中のみ試練の森で待機している者達は、問題のある幻獣達とその家族か、それを補うか、補助出来る能力のある者だけでそれ以外は生活エリアに移動してもらった。
後半の日程には蜘蛛の子の希望に合わせて、レナードと接触する機会が多い者が集められた。その中にはアイシャとフィンリーも含まれている。レナードは出来れば他の者に権利を譲りたいからと、後半日程の最後の数時間にしぶしぶ参加した。
 今回は1人ずつ挑戦するという形ではなく、第一試練をクリアした後は扉の前で待機し、覚悟が決まった者から入場、全員が揃ってから散らばるという方法にした。幻獣達が選ぶ選択肢を増やせる様にという配慮からだ。
もう一つ、『この人が良い』など迷いがないという場合には良いが、
『この人かなぁ?』と迷いがある場合には、その幻獣士が都合を付けられるならば再度参加とし、両方の日程から決められる様にした。
幸いその2日間で全ての引き受け手が決まり、後日正式に仮契約することになった。いきなり本契約にしないのは、人族との生活に慣れるかや、今の仕事を変える必要がある者が新しい生活をスタイルを決めてからなどお試し期間にした方が良さそうだという考えからだ。
そのためいつでも解除可能な名付けではない仮契約だが、悪用する者から守るための精霊付きで、幻獣からも解除を申請出来るという特別な仮契約だ。
 今回面白かったのは幻獣達が人族の事を知らないのはもちろん、人族も知らない幻獣ばかりだったので以下の様なやり取りでパートナーを決めた事。
例えば人族側は、
《私は薬師だ。だが今いる町でずっとやって行くのに不安がある。もし選んでもらえたらその能力によっては行商スタイルでも構わない》など、今の仕事や出来る事、やってみたい事をアピール。
幻獣達は気になる人に近付いて姿を見せる前に
《ボクハ毒キノコガスキナノ。タベラレナイ分ノ毒ヲ口ノ中ニ貯メテ、敵ニ使ウンダ》などアピール後、《ボクハ役ニ立テル?》と聞いていたという事。
それで人族側が『役に立つ』とか『だったら◯◯出来るね』など肯定したら姿を見せて反応を見るという方法が多かったという。
 すぐに決められなかった幻獣達は、相性以外の部分でこだわりがあって、次のグループでこだわりに合う人を見つけたか、一番合いそうな人に決めていた。
 強力な能力を持つ3体の変異体の内、蜘蛛の子だけが参加したのは、治療効果のある液体を濃縮し、噴霧と注入して治療出来るだけなのと、隠れていることが容易に可能だから許可された。
 体内で毒の血清も精製出来る蛇とほとんど存在しない3属性を持ち病気治癒も出来る猿は、存在自体をなるべく知られないために森には居たが待機してもらった。ただ気に入る者がいれば中精霊に伝える形にし、後日に秘密裏に打診することで納得してもらった。
 これで種族で集団行動をする種類と強力な特異体2体を残すだけになった。
翌日、2日間のリストを改めて見直したレナードがアルバに、
『一部親も参加と聞いていたから気にしてなかったが、私達が迎えに行った時より明らかに増えてないか?》
と聞いていた。
《薬草や毒草を探す子達は居ないから多いかも知れない》
《やっぱりそうだよな、今更だけど》
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