7 / 58
第一章
根気
しおりを挟む
さすがにスライムからは言葉はなかったが、嬉しいという気持ちは伝わって来た。
「今まで何処に居たの?」
と問いかけると、手から落ちて腰のポーチへと移動して外ポケットにスポッと入り込んだ。
「そんなところに居たんだ」
そりゃこんな小さくて重さもなきゃ気付かないわ。
とりあえず4匹もテイムしてしまって、精神的に疲れたのでさっさと寝ちゃおう!
「色々あって疲れたから寝るね、みんなおやすみ」
返事を待たずにそそくさと寝床で横になった。
朝方ふと目を開けると両脇にリリとメルが、足元にティアが居て安心して再び目を閉じた。次に目覚めた時にはリリしか居なかった。2匹は狩と巡回に出かけたんだろう。
簡単に木の実で朝食を済ませ、スライムのエナの寝床に籠を作ろうと出来る準備をしていた。昨日出しっぱなしだった捨てるものを入れた籠のところに行くとエナから困惑の感情が伝わって来た。
「エナどうしたの?」
薬草のゴミの上で激しくぷるぷる震えるエナがいた。私に気付いて慌てて近付いて来てる様だけど、まだまだちっちゃくてあまり飛べないみたいで這ってくる様に移動して来た。籠の前にしゃがんで手を差し出すとよじ登って来た。
嬉しいとでもいう様にぷるぷると楽しげに揺れた。
「何を困っていたの?」
ハッとした様に動きを止めた。
手から薬草のゴミの上に移動して小さく跳ねた。
「籠の中に薬草のことで困っているのは分かったよ」
リズム良くぷるぷる揺れる。
「でも残念だけど何に困っているか分かんないよ」
ガーンという効果音が聞こえそうなくらいピタッと動きが止まった。リリ達と違って目や鼻もないから表情もないし、ちっちゃ過ぎて動きも限られて、知能も発達してないから複雑な会話は理解出来なさそうだし。
「うーん、とりあえずルールを決めよう」
微妙だけど右に傾いた気がする。
「まず挨拶や返事は揺れてくれるかな?」
ぷるぷる。
「合っているがジャンプ」
ジャンプ。
「違うが動かない」
ぷるぷる。
「分からないはジャンプを二回」
ぷるぷる。
「じゃあ練習ね」
ぷるぷる。
「困っているのは薬草のこと」
ジャンプ。
「君の名前はナナ」
ピタッ。
「名前はエナ」
ぷるぷる。
「大丈夫そうだね」
ぷるぷる。
「薬草は餌?」
ジャンプ。
「他の餌はある?」
ジャンプ、ジャンプ。
「今日は餌を食べた?」
ピタッ。
「餌の薬草はあるのに食べられないのかぁ」
ジャンプ。
「食べたいのに食べられないから困ってたの?」
ジャンプ。
うーん、どういうことだろう。昨日見つけた時には取り込んでたよね。しかもこの中に餌になる薬草があると。
「もしかして」
布を広げて籠の中身をばら撒いた。
ぷるぷる震えると布へと這い進んで行く。観察していると通りながら探している様で時々薄く伸びてぷるぷる揺れて、ジャンプして元に戻るの繰り返しをしている。今のところどういう基準で薄く伸びるのか分かんない。
おっ、とうとう取り込めたみたい。
良く見ると薄く伸びた中に薬草があるけど、虫喰いの小さめのものみたい。少し離れた場所適当に避けて虫喰いの葉だけを集めて置いてみる。食べるのに時間がかかって暇なので、仕分けして小さな山をいくつか作ってみた。
更に暇だったので小鍋に竹筒の水を出して埃が入らない様に布をかけて川にリリと一緒に水汲みに行った。帰って来て減ったのを調べてみると、虫喰い以外は柔らかい新芽と、新芽より若干大きなものと、千切れて小さくなったものだった。
試しに全く減ってない山から適当に1枚を取って小さく千切ったものを目の前に置いてみた。取り込んでいた虫喰いの葉を捨て、急いで千切れた一欠片を取り込みに来た。
嬉しいという強い気持ちが伝わって来る。
「なるほど、まだ千切れた葉や小さくて柔らかい若葉以外は自力では食べられなくて困っていたのね」
じゃあこの処分する薬草はエナの食べる分だけ刻んだり、千切れば捨てずに済むのね。
「エナ、そろそろ出かけたいんだけ一緒に行く?」
高速ぷるぷるいただきました。
「今まで何処に居たの?」
と問いかけると、手から落ちて腰のポーチへと移動して外ポケットにスポッと入り込んだ。
「そんなところに居たんだ」
そりゃこんな小さくて重さもなきゃ気付かないわ。
とりあえず4匹もテイムしてしまって、精神的に疲れたのでさっさと寝ちゃおう!
「色々あって疲れたから寝るね、みんなおやすみ」
返事を待たずにそそくさと寝床で横になった。
朝方ふと目を開けると両脇にリリとメルが、足元にティアが居て安心して再び目を閉じた。次に目覚めた時にはリリしか居なかった。2匹は狩と巡回に出かけたんだろう。
簡単に木の実で朝食を済ませ、スライムのエナの寝床に籠を作ろうと出来る準備をしていた。昨日出しっぱなしだった捨てるものを入れた籠のところに行くとエナから困惑の感情が伝わって来た。
「エナどうしたの?」
薬草のゴミの上で激しくぷるぷる震えるエナがいた。私に気付いて慌てて近付いて来てる様だけど、まだまだちっちゃくてあまり飛べないみたいで這ってくる様に移動して来た。籠の前にしゃがんで手を差し出すとよじ登って来た。
嬉しいとでもいう様にぷるぷると楽しげに揺れた。
「何を困っていたの?」
ハッとした様に動きを止めた。
手から薬草のゴミの上に移動して小さく跳ねた。
「籠の中に薬草のことで困っているのは分かったよ」
リズム良くぷるぷる揺れる。
「でも残念だけど何に困っているか分かんないよ」
ガーンという効果音が聞こえそうなくらいピタッと動きが止まった。リリ達と違って目や鼻もないから表情もないし、ちっちゃ過ぎて動きも限られて、知能も発達してないから複雑な会話は理解出来なさそうだし。
「うーん、とりあえずルールを決めよう」
微妙だけど右に傾いた気がする。
「まず挨拶や返事は揺れてくれるかな?」
ぷるぷる。
「合っているがジャンプ」
ジャンプ。
「違うが動かない」
ぷるぷる。
「分からないはジャンプを二回」
ぷるぷる。
「じゃあ練習ね」
ぷるぷる。
「困っているのは薬草のこと」
ジャンプ。
「君の名前はナナ」
ピタッ。
「名前はエナ」
ぷるぷる。
「大丈夫そうだね」
ぷるぷる。
「薬草は餌?」
ジャンプ。
「他の餌はある?」
ジャンプ、ジャンプ。
「今日は餌を食べた?」
ピタッ。
「餌の薬草はあるのに食べられないのかぁ」
ジャンプ。
「食べたいのに食べられないから困ってたの?」
ジャンプ。
うーん、どういうことだろう。昨日見つけた時には取り込んでたよね。しかもこの中に餌になる薬草があると。
「もしかして」
布を広げて籠の中身をばら撒いた。
ぷるぷる震えると布へと這い進んで行く。観察していると通りながら探している様で時々薄く伸びてぷるぷる揺れて、ジャンプして元に戻るの繰り返しをしている。今のところどういう基準で薄く伸びるのか分かんない。
おっ、とうとう取り込めたみたい。
良く見ると薄く伸びた中に薬草があるけど、虫喰いの小さめのものみたい。少し離れた場所適当に避けて虫喰いの葉だけを集めて置いてみる。食べるのに時間がかかって暇なので、仕分けして小さな山をいくつか作ってみた。
更に暇だったので小鍋に竹筒の水を出して埃が入らない様に布をかけて川にリリと一緒に水汲みに行った。帰って来て減ったのを調べてみると、虫喰い以外は柔らかい新芽と、新芽より若干大きなものと、千切れて小さくなったものだった。
試しに全く減ってない山から適当に1枚を取って小さく千切ったものを目の前に置いてみた。取り込んでいた虫喰いの葉を捨て、急いで千切れた一欠片を取り込みに来た。
嬉しいという強い気持ちが伝わって来る。
「なるほど、まだ千切れた葉や小さくて柔らかい若葉以外は自力では食べられなくて困っていたのね」
じゃあこの処分する薬草はエナの食べる分だけ刻んだり、千切れば捨てずに済むのね。
「エナ、そろそろ出かけたいんだけ一緒に行く?」
高速ぷるぷるいただきました。
0
あなたにおすすめの小説
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
新作
【あやかしたちのとまり木の日常】
連載開始しました。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
家族に捨てられたけど、もふもふ最強従魔に愛されました
朔夜
ファンタジー
この世界は「アステルシア」。
魔法と魔物、そして“従魔契約”という特殊な力が存在する世界。代々、強大な魔力と優れた従魔を持つ“英雄の血筋”。
でも、生まれたばかりの私は、そんな期待を知らず、ただ両親と兄姉の愛に包まれて育っていった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる