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水晶玉に手をかざしてみると、まず感じたのは腕から何かが抜け出る感覚だ。
まるで、身体全体を通り抜け、最終的に手から何かを吸い出されている感じ。気持ち悪いとは言わないけれど、奇妙な感覚なのは間違いない。
「――これが、魔力なのか?」
転生する際に身体を作り直してはもらったけれど、自分の中に魔力が通っているとは驚きだ。
まぁ、目に見えて成果を見せてくる強化された身体と違って、こうして抽出されて初めて実感が湧くくらいだから、宝の持ち腐れでしかないけれども。
苦笑しながらも手をかざしたままにしていると、ピシりという何か亀裂の走る音が聞こえてきた。
「なんだ、この音……」
見れば、目の前の水晶玉に少しずつ亀裂が走っていくのが確認できた。
ちょうど俺が手をかざしている辺りを中心に、まるで水面の上に浮かぶ波紋のように広がっていく大きな亀裂。それは、やがて水晶玉全体に回っていくと、見事な音を立てて玉を粉砕した。
「あっ、割れた……」
手元から勢いよく地面に投げつけたガラス玉のように、音を立てて割れる水晶玉。破片の一つ一つが異なる色に輝いていて、全体を見れば虹色に輝いているようにも見える。
だが、いくら綺麗だとしても流石にこれはまずい。
「あ、あの……これって、弁償しないとヤバいですよね……?」
「――はっ! い、いえいえ! こちらがしていただくようにお願いしたものですので、お気になさらないでください。水晶玉は、ああ見えて簡単に手に入るので」
元水晶玉を指さしながら問いかけてみれば、問題ないと言うお姉さん。
青ざめた表情をしているが、こんな時でも笑顔を絶やさない。さすがはプロだ。
「き、貴様ッ! インチキだ! 何か魔法でも使って水晶玉を割ったのだろう!?」
――と、そんな受付の鏡を見せつけるプロに対して、言いがかりをつけてきたのはゾイト。
先程までの余裕の表情はすでになく、焦った様子を隠しもない見ていて面白い顔をして俺に指先を向けてきていた。
「悪いけど何もしていないぞ? 俺はただ手をかざしただけだ。そしたら魔力……みたいなのが吸われて、気づいたら割れていたんだよ」
「う、嘘だ! そんなはずはない! きっと何か――」
「――ゾイトさん。暁人さんが言っていることは本当のことですよ……」
あくまで俺を認めない。そんな意思が見て取れたゾイトの背後から、お姉さんの声が聞こえてきた。
そちらを見てみれば、ゾイトの時と同じタブレットをもってヨロヨロと近づいてくる彼女。青い顔を通り越して真っ白になってる表情からは生気が感じられず、まるで人形のようだ。
「ほ、本当のこととは……どういうことだ?」
「……」
ゾイトの問いにお姉さんは喉を鳴らし一呼吸を入れる。
それから俺を真っ直ぐに見据えると、
「スキルは『吸収』の一つなのですが。魔力量が――計測不能です」
「そ、そんなバカな!? それでは、コイツの魔力が桁違いに高いということじゃないか!」
「計測器は、嘘はつきませんから……おそらく事実なんでしょう」
「そ、そんな……ッ!」
キッと睨みつけてくるゾイトに胸を張って対抗する俺だが、実は心情は嬉しい反面困り気味でもあるんだよな。
確かに、凄まじい魔力を持つ身体というのは最強に見合ったものだとは思う。だが、強化された身体能力だけでも扱いが難しいというのに、この上測定不可能な魔力となるとな。
軽い気持ちで魔法を放とうものなら、街が一瞬で消し飛ぶ。そんなイメージが容易に想像できるのだから困ったものだ。
「ところで、そのスキルの『吸収』というのは何なんでしょうか?」
「それが、私にも分からなくて……。スキルに関しては、人の数だけ存在するものなんです。だから、その全てを把握し教えるのは難しいので……」
「あっ、大丈夫ですよ。ただ、少しだけ気になっただけですから」
頭を下げようとしたお姉さんを手で制すと、彼女はお詫びとお礼の籠った『ありがとうございます』を口にすると、深呼吸をして営業スマイル。
気を持ち直すと、手を自身の背後に向けて伸ばす。
「以上で、魔法検査を終了します。数分後に、仮ギルドカードをお配りしますのでお越しください」
「仮? 普通のギルドカードとは違うんですか?」
そう質問してみれば、彼女は笑みを浮かべて頷くと懐から二枚のカードを取り出した。
手のひらサイズの二枚のカードは、それぞれ黄金色と銀色で色が異なっていて、銀色の方には上部に大きく『仮』と一文字描かれていた。
「ご存知の通り、冒険者は危険な仕事なんです。依頼によっては、採集や発掘の手伝いなど危険度の低いものがありますけどね。けれど、基本的に魔物絡みの仕事が多いのでそれなりに力を見せてもらわないといけないんです」
「じゃあ、次にするのはそのテスト――というわけですか?」
「はい。その内容をこちらで検討いたしますので、暁人さん。ならびにゾイトさんは待機をお願いします」
「わかりました」
彼女に頭を下げてそう告げると、俺は一度ロビーまで戻ることにした。
ちょうどいい時間にはなってるだろうし、フィーリネも戻ってきているだろうし。そう考えての行動なんだが、俺はロビーまで戻ってきたところで小さく嘆息。
振り返ると
「それで? 何で、お前は俺についてきてるんだ?」
「そんなもの、貴様のようなインチキ男を野放しにはできないからに決まっているだろう!」
視界に映るのは、もはや余裕のかけらも残っていない顔でこちらを睨むゾイト。
整った顔立ちを真っ赤に染め上げ、身長差のせいで上目遣いになった彼の顔は……まぁ、ウザいというよりは、微笑ましいという感じだろうか。
こう、精一杯背伸びして自分を強く見せようとしている子供みたいな。
「だから、別に俺は何もしていないと言ってるだろ……。何が気に入らないんだ?」
「自分の胸に手を当てて考えてみろ! 心当たりがないわけじゃないだろう!」
「そんなこと言われてもな……」
すでにゾイトに対しての苛立ちはない。
さっきまでは生意気な子供に見えたが、こうして相手が年相応の負けず嫌いを見せてくると、どうにも怒る気にならないんだよな。
瞳の端に涙を滲ませながら必死になって睨みつけてくるゾイト。
そんな彼を前に腕を組んでどうするべきかと考えていると、
「あっ、暁人さん! 終わったんですね!」
お盆の上に蛇の肉を載せて満面の笑みを浮かべて駆け寄ってきたのはフィーリネ。
そんな彼女は近くまでやってくると、キョトンとした様子で立ち止まり
「ゾイトっ!? どうしてここに……」
そう彼の名を口にするのだった。
まるで、身体全体を通り抜け、最終的に手から何かを吸い出されている感じ。気持ち悪いとは言わないけれど、奇妙な感覚なのは間違いない。
「――これが、魔力なのか?」
転生する際に身体を作り直してはもらったけれど、自分の中に魔力が通っているとは驚きだ。
まぁ、目に見えて成果を見せてくる強化された身体と違って、こうして抽出されて初めて実感が湧くくらいだから、宝の持ち腐れでしかないけれども。
苦笑しながらも手をかざしたままにしていると、ピシりという何か亀裂の走る音が聞こえてきた。
「なんだ、この音……」
見れば、目の前の水晶玉に少しずつ亀裂が走っていくのが確認できた。
ちょうど俺が手をかざしている辺りを中心に、まるで水面の上に浮かぶ波紋のように広がっていく大きな亀裂。それは、やがて水晶玉全体に回っていくと、見事な音を立てて玉を粉砕した。
「あっ、割れた……」
手元から勢いよく地面に投げつけたガラス玉のように、音を立てて割れる水晶玉。破片の一つ一つが異なる色に輝いていて、全体を見れば虹色に輝いているようにも見える。
だが、いくら綺麗だとしても流石にこれはまずい。
「あ、あの……これって、弁償しないとヤバいですよね……?」
「――はっ! い、いえいえ! こちらがしていただくようにお願いしたものですので、お気になさらないでください。水晶玉は、ああ見えて簡単に手に入るので」
元水晶玉を指さしながら問いかけてみれば、問題ないと言うお姉さん。
青ざめた表情をしているが、こんな時でも笑顔を絶やさない。さすがはプロだ。
「き、貴様ッ! インチキだ! 何か魔法でも使って水晶玉を割ったのだろう!?」
――と、そんな受付の鏡を見せつけるプロに対して、言いがかりをつけてきたのはゾイト。
先程までの余裕の表情はすでになく、焦った様子を隠しもない見ていて面白い顔をして俺に指先を向けてきていた。
「悪いけど何もしていないぞ? 俺はただ手をかざしただけだ。そしたら魔力……みたいなのが吸われて、気づいたら割れていたんだよ」
「う、嘘だ! そんなはずはない! きっと何か――」
「――ゾイトさん。暁人さんが言っていることは本当のことですよ……」
あくまで俺を認めない。そんな意思が見て取れたゾイトの背後から、お姉さんの声が聞こえてきた。
そちらを見てみれば、ゾイトの時と同じタブレットをもってヨロヨロと近づいてくる彼女。青い顔を通り越して真っ白になってる表情からは生気が感じられず、まるで人形のようだ。
「ほ、本当のこととは……どういうことだ?」
「……」
ゾイトの問いにお姉さんは喉を鳴らし一呼吸を入れる。
それから俺を真っ直ぐに見据えると、
「スキルは『吸収』の一つなのですが。魔力量が――計測不能です」
「そ、そんなバカな!? それでは、コイツの魔力が桁違いに高いということじゃないか!」
「計測器は、嘘はつきませんから……おそらく事実なんでしょう」
「そ、そんな……ッ!」
キッと睨みつけてくるゾイトに胸を張って対抗する俺だが、実は心情は嬉しい反面困り気味でもあるんだよな。
確かに、凄まじい魔力を持つ身体というのは最強に見合ったものだとは思う。だが、強化された身体能力だけでも扱いが難しいというのに、この上測定不可能な魔力となるとな。
軽い気持ちで魔法を放とうものなら、街が一瞬で消し飛ぶ。そんなイメージが容易に想像できるのだから困ったものだ。
「ところで、そのスキルの『吸収』というのは何なんでしょうか?」
「それが、私にも分からなくて……。スキルに関しては、人の数だけ存在するものなんです。だから、その全てを把握し教えるのは難しいので……」
「あっ、大丈夫ですよ。ただ、少しだけ気になっただけですから」
頭を下げようとしたお姉さんを手で制すと、彼女はお詫びとお礼の籠った『ありがとうございます』を口にすると、深呼吸をして営業スマイル。
気を持ち直すと、手を自身の背後に向けて伸ばす。
「以上で、魔法検査を終了します。数分後に、仮ギルドカードをお配りしますのでお越しください」
「仮? 普通のギルドカードとは違うんですか?」
そう質問してみれば、彼女は笑みを浮かべて頷くと懐から二枚のカードを取り出した。
手のひらサイズの二枚のカードは、それぞれ黄金色と銀色で色が異なっていて、銀色の方には上部に大きく『仮』と一文字描かれていた。
「ご存知の通り、冒険者は危険な仕事なんです。依頼によっては、採集や発掘の手伝いなど危険度の低いものがありますけどね。けれど、基本的に魔物絡みの仕事が多いのでそれなりに力を見せてもらわないといけないんです」
「じゃあ、次にするのはそのテスト――というわけですか?」
「はい。その内容をこちらで検討いたしますので、暁人さん。ならびにゾイトさんは待機をお願いします」
「わかりました」
彼女に頭を下げてそう告げると、俺は一度ロビーまで戻ることにした。
ちょうどいい時間にはなってるだろうし、フィーリネも戻ってきているだろうし。そう考えての行動なんだが、俺はロビーまで戻ってきたところで小さく嘆息。
振り返ると
「それで? 何で、お前は俺についてきてるんだ?」
「そんなもの、貴様のようなインチキ男を野放しにはできないからに決まっているだろう!」
視界に映るのは、もはや余裕のかけらも残っていない顔でこちらを睨むゾイト。
整った顔立ちを真っ赤に染め上げ、身長差のせいで上目遣いになった彼の顔は……まぁ、ウザいというよりは、微笑ましいという感じだろうか。
こう、精一杯背伸びして自分を強く見せようとしている子供みたいな。
「だから、別に俺は何もしていないと言ってるだろ……。何が気に入らないんだ?」
「自分の胸に手を当てて考えてみろ! 心当たりがないわけじゃないだろう!」
「そんなこと言われてもな……」
すでにゾイトに対しての苛立ちはない。
さっきまでは生意気な子供に見えたが、こうして相手が年相応の負けず嫌いを見せてくると、どうにも怒る気にならないんだよな。
瞳の端に涙を滲ませながら必死になって睨みつけてくるゾイト。
そんな彼を前に腕を組んでどうするべきかと考えていると、
「あっ、暁人さん! 終わったんですね!」
お盆の上に蛇の肉を載せて満面の笑みを浮かべて駆け寄ってきたのはフィーリネ。
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そう彼の名を口にするのだった。
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