6 / 27
一人目の目覚め
しおりを挟むSide フレイミィ
「ピピピピピピピピピピピピピ」
うーん………………。
「ピピピピピピピピピピピピピピピピ」
うううう………………。
「ピピピピピピピピピピピピピピ」
うう……う……。
「ピピピピ、ダアアアアン!!!!」
「うるさああああい!!!!」
「ガシャアアアン」
あ……。し、しまった……。
「朝からどうしたのフレイミィ(・ω・`;)」
「お、おばさん!ごめんなさい!目覚まし時計を壊しちゃって…。」
「もう……新しいの買っておくわね。」
「ごめんなさい……。畑の様子を見て来るね。」
「帰ったら朝ごはんにするからね。」
「はーい。」
外に出ると清々しい空気にさらされる。
空を見上げると真っ青で雲一つない。
明日も晴れるかな……って、ああそうなんだ……。
さて、畑に行こう。
「おや、フレイミィちゃんおはよう。」
「おはよう、おじちゃん!」
「今日もいい天気だねぇ。」
「うん。あーでも明日は大雨だから洗濯物は今日中にね。」
「おや、じゃあそうしよう。巫女様のお告げだからねぇ。」
「はは、そんな大した事じゃないよ。」
まあ村人みんなに敬われるのも悪くないけど。
星の巫女様ーなんて、ちょっと星と話が出来るだけなのに。
あ、星って普通に空で輝いてる星ね。
村のみんなと挨拶して畑に着くとたくさんの野菜が待っている。
みんな元気そう、明日雨が降ったら喜ぶに違いない。
さて、今日はどうするかなー…魔法の修練でもしよっかな!
いつもの場所に早速向かおう。
魔法の修練はここ、禁じられた洞窟でいつも通り行う。
なぜ禁じらた場所なのかと言うとこれ。
見えない壁に触れて奥の方に目をやる。
この洞窟の奥には昔、勇敢な村の若者が封じた悪竜が眠っているという。
もっとも私は見たことないけど……。
(禍々しい刻印を全体に刻んだ真っ黒で鋼より硬い鱗をもったその竜はその目を赤く開かせて……)
はっ!今のイメージは一体…何?
星から流れてきているの…?
封印が破られ……た訳ではなさそうだし。
地響きも空気中の魔力濃度の上昇もない。
なのにこめかみに冷や汗が浮かぶ。
本当に何だったのだろう。
とりあえずもう少し離れた場所で練習しよう……ん……あれは……。
「はあぁああ」
私は今、シーサーという足を魔法で強化して走り、トップクラスの速さを持つ魔獣を追いかけている。その足の速さから捕獲はかなり困難だが肉が絶品のため高級食材になっている。
私は特に足が速いわけでもないが魔法ルーシスがある。
ルーシスは星から貰った魔法で、術者は星の光の如き速さを手に入れる……はずなんだけど……。
「ああ、もう、まどろっこしい!!」
相手も追われて必死になっているとはいえ中々距離が縮まらない。
魔法が未熟なせいか充分に効果が発揮できていないみたいだ。
自分が未熟だから……。
こんなことじゃだめだ。
速く。
もっと。もっと速く!
魔力と身体の限界まで……いや、限界を超えて!
そうしないと届かない。
あの人に届かない!
だからもっと……!
「捕まえたぁぁあ!!!」
シーサーの胴をがっちりホールドして地面に転がり、もがくシーサーに腰にさしていた短刀で止めをさす。
シーサーは小柄だから村人分の肉はないけれど私の家で食べるには充分なりょうだ。
今日はシーサーのステーキね!
しっかし今までよりルーシスも上達したんじゃないかな。これでやっとあの人に……。
あの人? あの人ってだ…れ……
「うっ……」
急に頭が痛く……。
とりあえず今日のところはもう帰ろう。
シーターを担いで帰る。頭の痛みもだいぶ消えてきた。
なのに途中でまた洞窟の前を通ると頭痛がぶり返してきた。それと同時にさっきとは違うイメージが流れ込んでくる。
(背を向ける彼女の身長ほどの長さの黒髪が吹き荒れる風に舞って…)
さっきから一体なんだっていうの!?
彼女は一体誰……。
そこまで考えて閃くように疑問が浮かぶ。
悪竜を封印したのは本当に村の若者だったか。
私は悪竜を本当に見たことがなかったか。
私に魔法を教えてくれたのは誰だったか。
私が目指したのはその人じゃなかったか。
その人はイメージに出てきた黒髪の人じゃなかったか。
な、なにを私は考えてるんだろう……。私は今までこの村で平穏に暮らしてきただけじゃ……。
なんで私は親をおじさんおばさんと呼ぶんだ?
なんでもっと強くなろうとするんだ?
昨日まで私は一体何をしていた?
そこまで考えて今度は妙な喪失感を覚える。
寒くて、怖くて、痛くて、寂しい。
私は……………………死んだ……?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる