Tear Light<君を望んだ物語>

neirua

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一人目の目覚め

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Side フレイミィ

「ピピピピピピピピピピピピピ」

うーん………………。

「ピピピピピピピピピピピピピピピピ」

うううう………………。

「ピピピピピピピピピピピピピピ」

うう……う……。

「ピピピピ、ダアアアアン!!!!」
「うるさああああい!!!!」
「ガシャアアアン」

あ……。し、しまった……。

「朝からどうしたのフレイミィ(・ω・`;)」
「お、おばさん!ごめんなさい!目覚まし時計を壊しちゃって…。」
「もう……新しいの買っておくわね。」
「ごめんなさい……。畑の様子を見て来るね。」
「帰ったら朝ごはんにするからね。」
「はーい。」

外に出ると清々しい空気にさらされる。
空を見上げると真っ青で雲一つない。

明日も晴れるかな……って、ああそうなんだ……。
さて、畑に行こう。

「おや、フレイミィちゃんおはよう。」
「おはよう、おじちゃん!」
「今日もいい天気だねぇ。」
「うん。あーでも明日は大雨だから洗濯物は今日中にね。」
「おや、じゃあそうしよう。巫女様のお告げだからねぇ。」
「はは、そんな大した事じゃないよ。」

まあ村人みんなに敬われるのも悪くないけど。
星の巫女様ーなんて、ちょっと星と話が出来るだけなのに。
あ、星って普通に空で輝いてる星ね。

村のみんなと挨拶して畑に着くとたくさんの野菜が待っている。
みんな元気そう、明日雨が降ったら喜ぶに違いない。

さて、今日はどうするかなー…魔法の修練でもしよっかな!
いつもの場所に早速向かおう。


魔法の修練はここ、禁じられた洞窟でいつも通り行う。
なぜ禁じらた場所なのかと言うとこれ。

見えない壁に触れて奥の方に目をやる。
この洞窟の奥には昔、勇敢な村の若者が封じた悪竜が眠っているという。
もっとも私は見たことないけど……。

(禍々しい刻印を全体に刻んだ真っ黒で鋼より硬い鱗をもったその竜はその目を赤く開かせて……)

はっ!今のイメージは一体…何?
星から流れてきているの…?
封印が破られ……た訳ではなさそうだし。
地響きも空気中の魔力濃度の上昇もない。
なのにこめかみに冷や汗が浮かぶ。

本当に何だったのだろう。
とりあえずもう少し離れた場所で練習しよう……ん……あれは……。

「はあぁああ」

私は今、シーサーという足を魔法で強化して走り、トップクラスの速さを持つ魔獣を追いかけている。その足の速さから捕獲はかなり困難だが肉が絶品のため高級食材になっている。

私は特に足が速いわけでもないが魔法ルーシスがある。
ルーシスは星から貰った魔法で、術者は星の光の如き速さを手に入れる……はずなんだけど……。

「ああ、もう、まどろっこしい!!」

相手も追われて必死になっているとはいえ中々距離が縮まらない。
魔法が未熟なせいか充分に効果が発揮できていないみたいだ。
自分が未熟だから……。

こんなことじゃだめだ。
速く。
もっと。もっと速く!
魔力と身体の限界まで……いや、限界を超えて!
そうしないと届かない。
あの人に届かない!
だからもっと……!

「捕まえたぁぁあ!!!」

シーサーの胴をがっちりホールドして地面に転がり、もがくシーサーに腰にさしていた短刀で止めをさす。
シーサーは小柄だから村人分の肉はないけれど私の家で食べるには充分なりょうだ。
今日はシーサーのステーキね!

しっかし今までよりルーシスも上達したんじゃないかな。これでやっとあの人に……。

あの人? あの人ってだ…れ……
「うっ……」
急に頭が痛く……。
とりあえず今日のところはもう帰ろう。

シーターを担いで帰る。頭の痛みもだいぶ消えてきた。
なのに途中でまた洞窟の前を通ると頭痛がぶり返してきた。それと同時にさっきとは違うイメージが流れ込んでくる。

(背を向ける彼女の身長ほどの長さの黒髪が吹き荒れる風に舞って…)

さっきから一体なんだっていうの!?
彼女は一体誰……。

そこまで考えて閃くように疑問が浮かぶ。

悪竜を封印したのは本当に村の若者だったか。
私は悪竜を本当に見たことがなかったか。
私に魔法を教えてくれたのは誰だったか。
私が目指したのはその人じゃなかったか。
その人はイメージに出てきた黒髪の人じゃなかったか。


な、なにを私は考えてるんだろう……。私は今までこの村で平穏に暮らしてきただけじゃ……。


なんで私は親をおじさんおばさんと呼ぶんだ?
なんでもっと強くなろうとするんだ?
昨日まで私は一体何をしていた?

そこまで考えて今度は妙な喪失感を覚える。
寒くて、怖くて、痛くて、寂しい。


私は……………………死んだ……?
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