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星の記憶
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Side フレイミィ
私は…………死んだ?
いやいや、それこそ馬鹿らしい。
死んでいたなら今ここにいる私は何なんだ。
でも、じゃあこの虚無感は一体何なの……。
私は何かを忘れてる……?
それは黒髪の人に関係している……?
ああ、もう! 頭がこんがらがっってきた!
「ねぇ、明日の天気とかじゃなくて私のことを教えてよ!!」
焦りに焦って空を見上げた。こんなに焦っているのは自分自身に明確に死を感じたからかもしれない。
本当は私は今まで何をしてきたのか。今まで何があったのか。
星達なら空からずっと見ていたかもしれない。
しばらくすると頭の中で小さな声が聞こえた。複数人で話しているような声だ。
「どうしよーフレイミィ怒ってるよー」
「でも内緒って言われてるしー」
これは……星の声?
今まではイメージだけ送ってくる感じだったのに。っていうか……。
「でもフレイミィ、キレたら何するか分かったもんじゃないよー」
「今日だって起こしてくれた目覚まし時計を粉砕してたしー」
「私達も同じ目にあわされるかもー」
「「キャー、こわーい」」
…………あの……。
「でもでもー真実を話したら私達消されちゃうかもー」
「確かにー」
「あ、いいこと思いついたー」
「なになにー」
「適当に話作って仰々しく話すんだよー」
「あーフレイミィバカだから信じ……」
「全部聞こえてますけど!?」
「「……!!!」」
何かもう……色々ショック……。
「いくらフレイミィでも直接私達に干渉出来ないはずなのに……」
「フレイミィ…そっか……。」
星達が慌ててひそひそ話し始めたけどそんなことはどうでもいい。今まででもこいつらは私のことをそんなふうに……。
「私が聞いてないと思ってバカだの何だの好き放題言ってくれるじゃない……。」
そんなことも本当はどうでもいい。
「やっぱり知ってるんだね。何で黙ってたの?誰に口止めされてるの?」
「フレイミィ……。」
「教えてよ!」
「…………。」
やっぱり、やっぱり私は忘れていた。それも重大なことを!
それを星達が隠していた。生まれた時から側にいた彼らが。
「フレイミィ…私達の声が聞こえたんだね?」
「……うん。」
「それは君が思い出したがっているのがあなたにとってよほど大切なことだからだよ」
「それを忘れる前の君にとって、何にも変えられない、死んでも忘れたくない記憶だったから。」
「思い出す糸口になる私達の声を聞いた。」
「本当はよーっぽど徳の高い人とかじゃないと私達を感じることさえ出来ないんだけどね」
そうまでして思い出したいこと?なのにそれを私が知るとまずいこと?
「そうさ」
私何も言ってないんだけど。
「声なんていらない。今までだって、君が生まれてきた時から君の心の側にいたよ。ずっとね」
そうだった……っけ……。
でも言われてみれば思い出しそうな気がする。
一人になった私を、この村まで導いてくれ……た。
「あれ……。」
「自力で思い出してきたのかい」
村に着いた最初は誰も近寄らなかった。石を投げられた気もする。
それは……。
そっと自分の顔に触れる。
そうだ…この顔右半分全体に生まれつき刻まれた赤い刻印。
気味悪がれて……でも……。
そうだ……。星達が教えてくれたことをそのまま何とかして村人に伝えていたら、いつの間にか"星の巫女"として崇められていたんだ。
それから……それから……。
「もう大分思い出してきたんだね」
「うん……でも……。」
「分かった。君が望むなら教えよう。私達が見てきた全てをね」
「ほ、本当……!?」
「でも」
「…………?」
「このまま知らないでいた方が幸せでいられるかもかもしれないよ」
「…………。」
「知ったら、これから君は死ぬより辛い道を歩くことになるかもしれない」
「…………。」
「知ればもう戻れない」
「それでも……。」
それでも私は……。
「偽った人生を生きたくない。何が待ち受けていても私は怖くない。」
「そんなことよりも、真実から目を背けて、本当に大切なものが壊れるのを見過ごすことが一番怖い!だから……!!」
「分かったよ、よく分かった」
「君の言葉は確かに星に届いた」
「私達はいつだって君の味方だよ」
「君が望むだけなんでも教えよう」
「この世界の根幹に関わることもね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ことの始まりはそう、私の生まれ育った村がとある魔法組織に襲われた時だった。
若い者は鎖で繋がれて奴らに連れていかれて、抵抗した者や老人は片っ端から殺される。
私の両親はすでに殺され、兄妹で物陰に隠れていた。
「お、お兄ちゃん…おかーさんとおとーさんが……。」
「しっー、見つかっちゃうよ」
「でもこのままじゃどうせ……。」
「フレイミィはこっちの草むらから逃げろ」
「え、でも……。」
「お兄ちゃんも後から追いつくから!ほら早く!」
「う……。」
「振り返っちゃだめだ。前だけみるんだぞ」
「うん。」
ガサガサっ
「おい、あっちから物音がしたぞ!」
「ガキ1匹だ!捕まえろ!」
ダダダダダダ…………
どんどん遠のいていく足音と家が燃え盛る音、誰かの悲鳴。
「はぁ、はぁ……」
やがて何も聞こえなくなった。それでも私は走ることをやめなかった。
息が切れても、あしがボロボロになっても、前だけを見て走り続けた。
そうしているとあたりが明るくなってきた。
日が登ってきたのもあるかもしれない。でもいつの間にか森を抜けて私は平原に出ていたようだ。
私はその場にへたりこんでしまって立てなかった。
でも……お兄ちゃんが後から来る。それまで頑張ろう。
そう思って近場の川までよろよろと近づいて水を飲んだ。
そうすると一気に肩の力が抜けてほっとする、と同時に涙が出てきた。
「おとーさん……おかーさん……。」
そうしてずっと川辺に座っていた。
離れすぎたらお兄ちゃんが来れないから。
でも結局お兄ちゃんは追いついてはこなかった。
私は…………死んだ?
いやいや、それこそ馬鹿らしい。
死んでいたなら今ここにいる私は何なんだ。
でも、じゃあこの虚無感は一体何なの……。
私は何かを忘れてる……?
それは黒髪の人に関係している……?
ああ、もう! 頭がこんがらがっってきた!
「ねぇ、明日の天気とかじゃなくて私のことを教えてよ!!」
焦りに焦って空を見上げた。こんなに焦っているのは自分自身に明確に死を感じたからかもしれない。
本当は私は今まで何をしてきたのか。今まで何があったのか。
星達なら空からずっと見ていたかもしれない。
しばらくすると頭の中で小さな声が聞こえた。複数人で話しているような声だ。
「どうしよーフレイミィ怒ってるよー」
「でも内緒って言われてるしー」
これは……星の声?
今まではイメージだけ送ってくる感じだったのに。っていうか……。
「でもフレイミィ、キレたら何するか分かったもんじゃないよー」
「今日だって起こしてくれた目覚まし時計を粉砕してたしー」
「私達も同じ目にあわされるかもー」
「「キャー、こわーい」」
…………あの……。
「でもでもー真実を話したら私達消されちゃうかもー」
「確かにー」
「あ、いいこと思いついたー」
「なになにー」
「適当に話作って仰々しく話すんだよー」
「あーフレイミィバカだから信じ……」
「全部聞こえてますけど!?」
「「……!!!」」
何かもう……色々ショック……。
「いくらフレイミィでも直接私達に干渉出来ないはずなのに……」
「フレイミィ…そっか……。」
星達が慌ててひそひそ話し始めたけどそんなことはどうでもいい。今まででもこいつらは私のことをそんなふうに……。
「私が聞いてないと思ってバカだの何だの好き放題言ってくれるじゃない……。」
そんなことも本当はどうでもいい。
「やっぱり知ってるんだね。何で黙ってたの?誰に口止めされてるの?」
「フレイミィ……。」
「教えてよ!」
「…………。」
やっぱり、やっぱり私は忘れていた。それも重大なことを!
それを星達が隠していた。生まれた時から側にいた彼らが。
「フレイミィ…私達の声が聞こえたんだね?」
「……うん。」
「それは君が思い出したがっているのがあなたにとってよほど大切なことだからだよ」
「それを忘れる前の君にとって、何にも変えられない、死んでも忘れたくない記憶だったから。」
「思い出す糸口になる私達の声を聞いた。」
「本当はよーっぽど徳の高い人とかじゃないと私達を感じることさえ出来ないんだけどね」
そうまでして思い出したいこと?なのにそれを私が知るとまずいこと?
「そうさ」
私何も言ってないんだけど。
「声なんていらない。今までだって、君が生まれてきた時から君の心の側にいたよ。ずっとね」
そうだった……っけ……。
でも言われてみれば思い出しそうな気がする。
一人になった私を、この村まで導いてくれ……た。
「あれ……。」
「自力で思い出してきたのかい」
村に着いた最初は誰も近寄らなかった。石を投げられた気もする。
それは……。
そっと自分の顔に触れる。
そうだ…この顔右半分全体に生まれつき刻まれた赤い刻印。
気味悪がれて……でも……。
そうだ……。星達が教えてくれたことをそのまま何とかして村人に伝えていたら、いつの間にか"星の巫女"として崇められていたんだ。
それから……それから……。
「もう大分思い出してきたんだね」
「うん……でも……。」
「分かった。君が望むなら教えよう。私達が見てきた全てをね」
「ほ、本当……!?」
「でも」
「…………?」
「このまま知らないでいた方が幸せでいられるかもかもしれないよ」
「…………。」
「知ったら、これから君は死ぬより辛い道を歩くことになるかもしれない」
「…………。」
「知ればもう戻れない」
「それでも……。」
それでも私は……。
「偽った人生を生きたくない。何が待ち受けていても私は怖くない。」
「そんなことよりも、真実から目を背けて、本当に大切なものが壊れるのを見過ごすことが一番怖い!だから……!!」
「分かったよ、よく分かった」
「君の言葉は確かに星に届いた」
「私達はいつだって君の味方だよ」
「君が望むだけなんでも教えよう」
「この世界の根幹に関わることもね」
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ことの始まりはそう、私の生まれ育った村がとある魔法組織に襲われた時だった。
若い者は鎖で繋がれて奴らに連れていかれて、抵抗した者や老人は片っ端から殺される。
私の両親はすでに殺され、兄妹で物陰に隠れていた。
「お、お兄ちゃん…おかーさんとおとーさんが……。」
「しっー、見つかっちゃうよ」
「でもこのままじゃどうせ……。」
「フレイミィはこっちの草むらから逃げろ」
「え、でも……。」
「お兄ちゃんも後から追いつくから!ほら早く!」
「う……。」
「振り返っちゃだめだ。前だけみるんだぞ」
「うん。」
ガサガサっ
「おい、あっちから物音がしたぞ!」
「ガキ1匹だ!捕まえろ!」
ダダダダダダ…………
どんどん遠のいていく足音と家が燃え盛る音、誰かの悲鳴。
「はぁ、はぁ……」
やがて何も聞こえなくなった。それでも私は走ることをやめなかった。
息が切れても、あしがボロボロになっても、前だけを見て走り続けた。
そうしているとあたりが明るくなってきた。
日が登ってきたのもあるかもしれない。でもいつの間にか森を抜けて私は平原に出ていたようだ。
私はその場にへたりこんでしまって立てなかった。
でも……お兄ちゃんが後から来る。それまで頑張ろう。
そう思って近場の川までよろよろと近づいて水を飲んだ。
そうすると一気に肩の力が抜けてほっとする、と同時に涙が出てきた。
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そうしてずっと川辺に座っていた。
離れすぎたらお兄ちゃんが来れないから。
でも結局お兄ちゃんは追いついてはこなかった。
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