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神竜と黒竜
しおりを挟む「ネイルア……君も竜に会ったのか……。」
君も……?ということはまさか……。
そこで突如男の周りに黒いもやが出始めた。いや、男がそのもやを纏っているようだ。
男の一挙一動に細心の注意をはらう。
「シュッ」
来た!さっきより速い!が、対処できないほどではない。
伸びてきた拳を避けてこちらの拳を打ち込む。
当たった。一瞬見えた腕は黒い竜の鱗に覆われていた。
食らった男は瞬時に下がると黒い炎のような魔弾を放ち、私はそれに光をぶつけて相殺する。
それを見た男は続けてブレスを吐いてくる。まるで黒い竜巻のようだ。
それに対して私も大きく息を吸い込んでブレスを吐く。あちらに対して極太の熱線のような光の渦。
2つの竜の息吹が衝突する。
が、私が押している、このまま……
「か…はっ……」
衝突が止む。
私のブレスが途絶えてしまった。
代わりに口からは血が吐きでる。
右手で口を抑えながら男の方を見るとさっきの風圧でフードが脱げていた。
男の正体を見て一瞬頭が真っ白になる。
「ハルセ……。」
透き通るようでちょっとクセのついた白い髪。
血のような赤い瞳。
全て、私の記憶のままだ。
いや、それ相応に成長しているが……。
あまりに懐かしい姿に悲しくなる。
こうして久しぶりに会った今、前に会った時と変わらず敵同士なのか、と。
「久しぶりだね……ネイルア……。」
「まだそっちにいるのね……。」
「君が言えることか?君は俺達を置いて1人で逃げたのに?」
「……。」
何も言い返せない。
確かに私は彼を闇に置き去りにした。
1人、人体実験場から逃げ出した。
あんなに想っていたのに。
「まあいい。呪いよ、ネイルアを拘束しろ。」
「レイピア様に回収を命じられているからな。」
左腕全体がその場の空間に繋ぎとめられているように動かなくなった。
くそっ、これでは撤退も出来ない!
レイピア?魔術教団のトップか……?どんな目的だろうとここで捕獲されるわけにはいかない!!
ハルセがゆっくり近づいてくる。
こうなったら……やるしかない。
氷魔法で自分の上に斧を創り出す。
そして
「あああ、あぁっぁああああ!!!!!」
自らの左腕を切り落とした。
さあこれで、呪いから解放されたぞ。
「ネイルア……。」
ハルセは一瞬動揺して足を止めた。と思ったら大きく跳躍して後ろへ下がる
「……もうじきお仲間が来るみたいだね。俺はここで一旦引くことにするよ。」
そう言うと元来た方に走り去っていった。
待て、お前はここで始末する……待て……。
しばらく追うが、段々意識が朦朧としてきて地面に突っぷせる。
痛い……痛いよ…………ハルセ……………。
視界から彼の後ろ姿が消えると同時に私の意識は途絶えた。
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