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新たな世界へ
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「ここよ」
4人が準備を終えてやって来たのは街の郊外の川にかかった橋の下だった。
「ここ?」
どう見てもただ草が生えている、石造りの橋の下である。
それをネイルアは外の世界への出入り口だと言う。
「別に何処でも良いんだけど。目立たない方がいいでしょ。」
ということらしい。
ネイルアは困惑する3人をよそに橋の足に触ると何か呟き始めた。
言葉を成していないそれは、3人には聞き取れない、というより理解出来ない類のものだった。
しばらくそれが続いた後のことだった。
ネイルアが触っていた部分が徐々に歪んでいき、終いにはなんとそこに扉の様な切れ込みが入っていた。
「これが……世界の出入口……」
見た目はただの扉なのに近づけば、これが究極の神秘の1つであると本能に訴えかけられてくる。
さあ、新たな旅の幕開けだ……
そう意気込んだその時
「全員即時戦闘態勢!!」
3人に背を向けていたネイルアが振り返って叫ぶ。
と同時に黒い影が何処からともなく現れて4人を取り囲んだ。
「グルル……グルル……」
唸る口からは黒い霧が。その四脚には禍々しいまでに鋭い爪。
「パラディンの猟犬……?」
パラディンその名の通り、本来は騎士を補佐したとされる優秀な猟犬である。
だが、目の前にいるのはどうだろう。
通常種の面影を残すものの、身体には見るだけで不愉快にさせる刻印が刻まれ、表情さえも醜く歪んでいるように見える。
「全員、その扉に今すぐ入って!私はこいつらを始末してから行く!」
「「「了解!!」」」
扉の一番近くにいたフレイミィがすぐさま橋に現れた扉を開け放つ。
「…………!」
開けたそこには橋の中身ではなく、渦巻いた風景のようなものが見えた。やや、暗くなっており、恐らく向こうは夕暮れ時なのだろうと推測できる。
「急いで!」
残りの二人も扉の前にたどり着き、叫ぶ、が二人も一瞬中を見て足を止めてしまった。
その時だった。
獲物を捉えたとばかりに1頭の猟犬が牙をむいて3人の頭上から飛びかかった。
「くそっ……!どけ……!!」
が、その猟犬の鉤爪は3人には届かず、猟犬は悲鳴をあげて地面に落ちる。
同時に3人もその場から姿を消し、そこには開いた扉だけがあった。
「変なところに繋がってないといいけど」
ネイルアは一人呟き、残りの猟犬に向かって駆け出した。
ーーーーーーーーーーーーーー
「痛っ……」
少し高めのところから落ちて、起き上がろうと手をついたのは冷たい石畳だった。
「……みんなは……?」
辺りを見回すがヴェティヴィアもエアもいない。
状況的には、以前、記憶を取り戻して仲間を探し歩いた時を思い出すが、ここはいわば異世界のようなもの。不安はあの時に比べて遥かに勝っている。
「さて……。」
もう一度よく見渡すと私が倒れたのは何処かの暗い裏路地のようだ。上を見上げると真っ黒な空が広がっている、けれど私の知っている夜の空より少し明るいかな。
この狭い道の向こう側から光と声が差し込んでいる。あっちに行けば、大通りに出られるかもしれない。
大丈夫かな……あそこにいるのは私の知ってる人間かな……。私の巫女を意識した服は変に思われないかな……。
そんな不安を募らせながら歩いて影から顔を出す。
「わあ……」
黄金を散りばめたような光景だと思った。
黒い空の下に映えるイルミネーション。行き交う人々の楽しげな声。
それはフィオーレ王国でも見た事のある、賑やかな日常の夜の光景だった。
けれどしばらく眺めて気付く。
確かにきらびやかだが、それには魔法具が一つも使われていない。
そのうえ、人は沢山いるのに誰からも魔力を感じなかった。
そこで初めて、私は本当に異世界に来たのだと実感する。
4人が準備を終えてやって来たのは街の郊外の川にかかった橋の下だった。
「ここ?」
どう見てもただ草が生えている、石造りの橋の下である。
それをネイルアは外の世界への出入り口だと言う。
「別に何処でも良いんだけど。目立たない方がいいでしょ。」
ということらしい。
ネイルアは困惑する3人をよそに橋の足に触ると何か呟き始めた。
言葉を成していないそれは、3人には聞き取れない、というより理解出来ない類のものだった。
しばらくそれが続いた後のことだった。
ネイルアが触っていた部分が徐々に歪んでいき、終いにはなんとそこに扉の様な切れ込みが入っていた。
「これが……世界の出入口……」
見た目はただの扉なのに近づけば、これが究極の神秘の1つであると本能に訴えかけられてくる。
さあ、新たな旅の幕開けだ……
そう意気込んだその時
「全員即時戦闘態勢!!」
3人に背を向けていたネイルアが振り返って叫ぶ。
と同時に黒い影が何処からともなく現れて4人を取り囲んだ。
「グルル……グルル……」
唸る口からは黒い霧が。その四脚には禍々しいまでに鋭い爪。
「パラディンの猟犬……?」
パラディンその名の通り、本来は騎士を補佐したとされる優秀な猟犬である。
だが、目の前にいるのはどうだろう。
通常種の面影を残すものの、身体には見るだけで不愉快にさせる刻印が刻まれ、表情さえも醜く歪んでいるように見える。
「全員、その扉に今すぐ入って!私はこいつらを始末してから行く!」
「「「了解!!」」」
扉の一番近くにいたフレイミィがすぐさま橋に現れた扉を開け放つ。
「…………!」
開けたそこには橋の中身ではなく、渦巻いた風景のようなものが見えた。やや、暗くなっており、恐らく向こうは夕暮れ時なのだろうと推測できる。
「急いで!」
残りの二人も扉の前にたどり着き、叫ぶ、が二人も一瞬中を見て足を止めてしまった。
その時だった。
獲物を捉えたとばかりに1頭の猟犬が牙をむいて3人の頭上から飛びかかった。
「くそっ……!どけ……!!」
が、その猟犬の鉤爪は3人には届かず、猟犬は悲鳴をあげて地面に落ちる。
同時に3人もその場から姿を消し、そこには開いた扉だけがあった。
「変なところに繋がってないといいけど」
ネイルアは一人呟き、残りの猟犬に向かって駆け出した。
ーーーーーーーーーーーーーー
「痛っ……」
少し高めのところから落ちて、起き上がろうと手をついたのは冷たい石畳だった。
「……みんなは……?」
辺りを見回すがヴェティヴィアもエアもいない。
状況的には、以前、記憶を取り戻して仲間を探し歩いた時を思い出すが、ここはいわば異世界のようなもの。不安はあの時に比べて遥かに勝っている。
「さて……。」
もう一度よく見渡すと私が倒れたのは何処かの暗い裏路地のようだ。上を見上げると真っ黒な空が広がっている、けれど私の知っている夜の空より少し明るいかな。
この狭い道の向こう側から光と声が差し込んでいる。あっちに行けば、大通りに出られるかもしれない。
大丈夫かな……あそこにいるのは私の知ってる人間かな……。私の巫女を意識した服は変に思われないかな……。
そんな不安を募らせながら歩いて影から顔を出す。
「わあ……」
黄金を散りばめたような光景だと思った。
黒い空の下に映えるイルミネーション。行き交う人々の楽しげな声。
それはフィオーレ王国でも見た事のある、賑やかな日常の夜の光景だった。
けれどしばらく眺めて気付く。
確かにきらびやかだが、それには魔法具が一つも使われていない。
そのうえ、人は沢山いるのに誰からも魔力を感じなかった。
そこで初めて、私は本当に異世界に来たのだと実感する。
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