伝説の強戦士(チート)異世界を駆ける ***時を越えた愛***

藤原サクラ

文字の大きさ
89 / 106

【天上界からの逃亡】

しおりを挟む
魔界との境界で行われた戦いは、「さつき」が創造神の力を覚醒させることで、時間を逆戻し、結果的に魔王ベルゼブブを退け、アレース神が率いた天界軍の勝利となった。
しかし、魔界に攻め込まなかったことで、悪魔を滅ぼす絶好の機会を逸(いっ)してしまった。
竜馬と「さつき」は戦いの後、アレース神から戦いの活躍について、特別に労をねぎらう言葉を貰った。
その場を利用して、アレース神に、今の天界軍の勢いのままに魔界に攻め入ることを進言したが、それは残念なことに聞き入れて貰うことは叶わなかった。
魔界に攻め込まなかったのはアレース神の考えというよりも、もっと上位の神の意思であることを伺い知ることができた。
このことから戦いでは神と悪魔は敵対しながらも、暗闇があっての光、表裏一体の存在であり、決して、相手が滅ぶことまでも、望んでないということを知ったのである。
神は人間たちが苦しんでいるのを尻目に、悪魔と暗黙の合意の元に意思決定を行い、馴れ合ってきたのだった。

外宇宙で偶然にも出会い、そして、始まった悪魔と人間との数千年に及ぶ戦い、人類は滅亡の危機に晒(さら)されながら、何とか反転して、危機を乗り越えることが出来たが、戦況が有利になっても、一度たりとも悪魔の本拠地を人類が攻め込むことが適わなかったばかりか、それ以前に魔界の位置すら掴むことが出来なかった存在である。
初めて、魔界に攻め込む絶好の機会を逃して、竜馬は苦しみながら死んでいった多くの人々や戦友を思うと、悔しさを隠すことは出来なかった。
そして、竜馬はこの時から、悪魔に対する憎しみと同様に、人の不幸を黙認してきた神に対しても、大きな不信感を抱くようになった。

竜馬と「さつき」は戦いの後、女神ペルセポネーに捕らわれの身になっている死神少女を助けるため、大天使ラファエルが率いる英霊たちの大隊に同行して、再び冥界に戻ることにした。
二人は、この悪魔軍との戦いで、英霊たちからも一目置かれる存在となっていた。
伝説のアーサー王、英雄ジャンヌ・ダルク、それに剣豪の宮本武蔵など、死後に祀(ま)りあげられ精霊となった者たちと一緒に戦い、そして、彼らから戦いの功を称えられたことは何よりも嬉しく、決して忘れることはないだろう。

大隊が冥界近くに差し掛かった頃、捕らわれの身となっている筈の死神少女が突然、現れた。
死神少女は女神ペルセポネーに逃がして貰ったとのことだった。
彼女の話では戦いの後、竜馬たちにとって、思いも依らない事態になっている事を聞かされた。
女神ペルセポネーから死神少女カトリーヌに託された伝言は上位神である宇宙の創造主が、二人の命を狙っているという話だった。
「さつき」が覚醒した「時間の逆戻し」という能力は創造神の領域にも迫る力であり、上位神たちの目にとまって問題となった。
そして、その事が運悪く創造神の耳に入り、逆鱗に触れたとの事だった。
女神ペルセポネーが、上位神たちの目を盗んで、カトリーヌを逃がし、伝言を託したのだ。
斯(か)くして、竜馬、「さつき」、そして、死神少女は創造主から命を狙われる身になった。
竜馬達は英霊達との別れを惜しみながらも、再び、悪魔ガニーを追って、異次元に旅立つことした。

次元と時を司る指輪を発動させて、魔女「アラクネ」から託された異空間の羅針盤である魔法の水晶玉に案内されたのは、「さつき」には何処となく見覚えがあり、懐(なつ)かしい感じがする建物が並ぶ場所だった。
二人が来て、まもなく死神少女が二人の気を捉えて、後を追って来た。
彼女は異次元であっても、行先さえはっきりすれば何処にでも飛べる羨ましい能力の持ち主なのだ。
早速、エルがパグを放ち、降り立った、この世界の情報を収集した。
悪魔ガニーを追って、辿り着いた先は「さつき」が何処となく見覚えがある感じがしたのも、その筈、驚いた事に古代地球、西暦950年頃(天暦(てんりゃく)947-957年)の日本の京都だった。
竜馬と「さつき」、そして死神少女はこの後、ひょんなことから、陰陽師の安倍晴明に出会い、魔物退治に活躍することになる。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

推しと行く魔法士学園入学旅行~日本で手に入れた辞典は、異世界の最強アイテムでした~

ことのはおり
ファンタジー
渡会 霧(わたらい きり)。36歳。オタク。親ガチャハズレの悲惨な生い立ち。 幸薄き彼女が手にした、一冊の辞典。 それは異世界への、特別招待状。 それは推しと一緒にいられる、ミラクルな魔法アイテム。 それは世界を救済する力を秘めた、最強の武器。 本棚を抜けた先は、物語の中の世界――そこからすべてが、始まる。

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~

日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!  斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。  偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。 「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」  選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

処理中です...