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初めての別行動です⁉︎⑵
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「まずは雑巾掛けね。床を拭くときは、隙間を開けずにこう拭くんだよ」
ナズナさんが床を拭いて見せてくれます。
「ふぅ……。分かったかい?」
「は、はい!」
「じゃ、やってみるといいさ!真似してみな!」
「は、はい!やってみます!」
言われた通りにやってみると、綺麗に拭くことが出来ました!凄いです!
「す、凄い!さっきよりも綺麗に出来た!」
「でしょう?特別力がいるわけでもないけれど、やりようによっては何倍にも綺麗にできるんだよ!そこが掃除の良い所なんだよ!」
「はい!掃除、凄いです!」
「だろう?そうだろう?よし、今日は一日ずっと掃除のやり方を教えてあげるわ!」
「……え?」
「さぁ掃除よ!やるわよ!」
「え?え?えぇぇぇぇ ︎」
この日は、ずっと掃除をやらされる羽目になってしまいました……。疲れた……。
二日目です!今日も、掃除かな……。とにかく、頑張らないと……。
「おはようございます!」
「おはよう!今日も掃除……」
「えぇっ ︎」
「と、言いたい所だけど、馬鹿共にやらせることになったからね。武器の種類について説明させてもらうよ!」
「は、はい!」
武器の説明です!やったぁ!どんなのがあるんだろう……。ワクワクするなぁ……。
「どんな武器があるのか……。からだね?」
「は、はい……」
二日目は、これだけで時間が過ぎて行きました。本当にバイト代もらって良いのかな……二日目だけなくなったりしないよね……。
「大丈夫だよ。商売道具の事を知るのも仕事だからね」
「えっ ︎」
なんで僕の考えていることがわかったの ︎
「君はわかりやすいからねぇ。彼女ちゃんもさぞかし楽しいだろうねぇ……」
「え?え?え?」
「ふふふ……」
僕ってそんなにわかりやすいのかな……。
そんなこんなで楽しい時間も過ぎて、三日目のお昼時。事件は起こりました……。
「大体仕事はわかってきたね?」
「はい!」
「今日で君もバイト終わりかぁ……。よく働いてくれてありがとうねぇ」
「いえいえそんな!僕はまだまだです!あっ!」
褒められることに慣れていなくて、思い切り照れてしまいました。全力で腕を振ってしまって、カウンターの上の花瓶にぶつけてしまいました。
「さえちゃん危ない!」
とっさのことで、ついさえちゃんの名前を叫んでいました。次の瞬間には、ナズナさんの上で花瓶の水を被っていました。
その時、店の入り口から大きな音がしました。
「何……してるの?」
「さ、さえちゃん ︎あっ、こ、これは!あの、その……」
「あら、彼女ちゃん?ごめんねぇ、花瓶が倒れちゃって。伊織くんがかばってくれたのよ」
「……そう。なら良いや」
「さ、さえちゃん!どうしてここに ︎」
「……別に。たまたま通りかかっただけ」
「あらぁ。昨日一昨日もずっとショーケースに張り付いてたのが、たまたまなのねぇ?」
「ぐぅ……」
「え?」
何故かにやにやしているナズナさんと、悔しそうにしているさえちゃんの間で僕はいまいち状況がつかめずにいました。
「いおり、なんでここにずっといたの」
「知らないの?この子、彼女ちゃんに指輪あげるんだーってはりきってたのよぉ」
「あ!それは……!」
「え?言ってなかったの?それは悪い事をしたねぇ」
「……ん。別に良い」
「え?ダメだよ!秘密にしてたのに!」
「サプライズかい?残念だったねぇ。彼女ちゃんの反応が楽しみだったろうに」
「……ん」
「うぅ……」
「ま、彼女ちゃんが嬉しそうだから良いじゃないか」
「うん。うんうん」
「えぇ……。うぅ……」
「どうするかい?バイトはもう終わりにするかい?指輪を買うにはちょっと足りなくなるけど、出世払いで許してあげるよ。どれだい?彼女ちゃん、選んで良いわよ」
「……いいの?」
さえちゃんが僕を見てそわそわしています……。バレちゃったのはがっかりしたけど、もともとプレゼントするつもりだったから答えは決まってます!
「もちろん、良いよ!」
「……ありがとう」
さえちゃんが満面の笑みでお礼を……。満面の笑みで……。
「ぶはぁ……!」
「え、ちょっ、伊織くん ︎」
「いおり…… ︎」
あれ?どうしたんだろう……。僕、背低くなったのかな。床がすぐそこに……。
ナズナさんが床を拭いて見せてくれます。
「ふぅ……。分かったかい?」
「は、はい!」
「じゃ、やってみるといいさ!真似してみな!」
「は、はい!やってみます!」
言われた通りにやってみると、綺麗に拭くことが出来ました!凄いです!
「す、凄い!さっきよりも綺麗に出来た!」
「でしょう?特別力がいるわけでもないけれど、やりようによっては何倍にも綺麗にできるんだよ!そこが掃除の良い所なんだよ!」
「はい!掃除、凄いです!」
「だろう?そうだろう?よし、今日は一日ずっと掃除のやり方を教えてあげるわ!」
「……え?」
「さぁ掃除よ!やるわよ!」
「え?え?えぇぇぇぇ ︎」
この日は、ずっと掃除をやらされる羽目になってしまいました……。疲れた……。
二日目です!今日も、掃除かな……。とにかく、頑張らないと……。
「おはようございます!」
「おはよう!今日も掃除……」
「えぇっ ︎」
「と、言いたい所だけど、馬鹿共にやらせることになったからね。武器の種類について説明させてもらうよ!」
「は、はい!」
武器の説明です!やったぁ!どんなのがあるんだろう……。ワクワクするなぁ……。
「どんな武器があるのか……。からだね?」
「は、はい……」
二日目は、これだけで時間が過ぎて行きました。本当にバイト代もらって良いのかな……二日目だけなくなったりしないよね……。
「大丈夫だよ。商売道具の事を知るのも仕事だからね」
「えっ ︎」
なんで僕の考えていることがわかったの ︎
「君はわかりやすいからねぇ。彼女ちゃんもさぞかし楽しいだろうねぇ……」
「え?え?え?」
「ふふふ……」
僕ってそんなにわかりやすいのかな……。
そんなこんなで楽しい時間も過ぎて、三日目のお昼時。事件は起こりました……。
「大体仕事はわかってきたね?」
「はい!」
「今日で君もバイト終わりかぁ……。よく働いてくれてありがとうねぇ」
「いえいえそんな!僕はまだまだです!あっ!」
褒められることに慣れていなくて、思い切り照れてしまいました。全力で腕を振ってしまって、カウンターの上の花瓶にぶつけてしまいました。
「さえちゃん危ない!」
とっさのことで、ついさえちゃんの名前を叫んでいました。次の瞬間には、ナズナさんの上で花瓶の水を被っていました。
その時、店の入り口から大きな音がしました。
「何……してるの?」
「さ、さえちゃん ︎あっ、こ、これは!あの、その……」
「あら、彼女ちゃん?ごめんねぇ、花瓶が倒れちゃって。伊織くんがかばってくれたのよ」
「……そう。なら良いや」
「さ、さえちゃん!どうしてここに ︎」
「……別に。たまたま通りかかっただけ」
「あらぁ。昨日一昨日もずっとショーケースに張り付いてたのが、たまたまなのねぇ?」
「ぐぅ……」
「え?」
何故かにやにやしているナズナさんと、悔しそうにしているさえちゃんの間で僕はいまいち状況がつかめずにいました。
「いおり、なんでここにずっといたの」
「知らないの?この子、彼女ちゃんに指輪あげるんだーってはりきってたのよぉ」
「あ!それは……!」
「え?言ってなかったの?それは悪い事をしたねぇ」
「……ん。別に良い」
「え?ダメだよ!秘密にしてたのに!」
「サプライズかい?残念だったねぇ。彼女ちゃんの反応が楽しみだったろうに」
「……ん」
「うぅ……」
「ま、彼女ちゃんが嬉しそうだから良いじゃないか」
「うん。うんうん」
「えぇ……。うぅ……」
「どうするかい?バイトはもう終わりにするかい?指輪を買うにはちょっと足りなくなるけど、出世払いで許してあげるよ。どれだい?彼女ちゃん、選んで良いわよ」
「……いいの?」
さえちゃんが僕を見てそわそわしています……。バレちゃったのはがっかりしたけど、もともとプレゼントするつもりだったから答えは決まってます!
「もちろん、良いよ!」
「……ありがとう」
さえちゃんが満面の笑みでお礼を……。満面の笑みで……。
「ぶはぁ……!」
「え、ちょっ、伊織くん ︎」
「いおり…… ︎」
あれ?どうしたんだろう……。僕、背低くなったのかな。床がすぐそこに……。
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