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旅立ち、です⁉︎
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《伊織side》
あれ……?僕はどこに……?
「いおり。いおり起きて」
「ん……?さえちゃん……?ちょっ!近い!」
目を覚ましたら、さえちゃんが目の前にいました。詰め寄ってくるさえちゃんを押しのけようとして、手を握った時でした。
「あれ……?指輪……?」
「……ん」
さえちゃんの手には、紅い宝石が埋め込まれた指輪がはまっていました。左手に。え、左手 ︎
「ぽ……」
「え ︎なんでぽ ︎ぽって何 ︎」
「いおり、ありがとう……」
「え?う、うん……。喜んでくれた……?」
「うん。うんうん」
なんだろう……。さえちゃんが喜んでくれて嬉しいのに、感動が少ない……。
「そっか。良かった……」
「いおり……」
「ん?」
「私……今……」
「どうしたの?」
「すっごく嬉しい」
すっごく嬉しい……。その言葉だけがしばらく、頭を支配していました。
《梓side》
いおりが、指輪をくれた。サプライズと言ってくれた。そんなの初めてで……。もう死んでもいい。
「さえちゃん……」
「ん?」
「あの……。黙っててごめんね。さえちゃんが驚く顔が見たかったから……」
「ううん。さっきも言った通り。気にしないで」
「うん……」
やっぱり、いつものいおりだ。すぐに落ち込んで謝ってくるところ。今まで関心がなかったプレゼントなんて、一生もらえないと思ってた。今の私は働いてないし、いおりにできることは……。ただ一つしかない……。
「いおり、こっち向いて」
「ん……?」
「大好き……」
「え?ちょっ、さえちゃん ︎」
もうだめ。好きが爆発する。抑えられない。だから……良いよね?
「んっ……」
「あっ……」
不意に、歯に硬いものが当たった。でも、そんなの気にならないほど幸せだった。いおりからのプレゼント。非日常で変わった心情。増えた二人だけの時間。元の世界にはもう、戻りたくない。
「さえちゃん!待って待って!歯!当たってる!痛いからぁ……」
「……?あっ……。ごめん……」
痛かったのか……。悪いことしたかな……。
「さえちゃん、大丈夫だよ。ちょっとびっくりしちゃっただけ。今度は、ゆっくりしよ?」
「……ん」
仕切り直し。今度は、いおりからのキスだった。ぎこちないながらも私のために頑張ってくれているのを見て、少しおかしくなった。
「……ふふ」
「もう、何笑ってるのさ」
「ううん……。続けて良いよ」
「二回ともさえちゃんからだったからわかんないだけだよ……今度はちゃんとするもん!」
「ゆっくりで良いよ」
「う、うん……」
え、待って、二回?さっきしたのは一回だけ……。じゃあ、あと一回って……。あれしかないよね……。バレてたの ︎恥ずかし……。まいっか……。今は幸せだけ感じていたい。
「じゃ、じゃあ。するよ……?」
「……うん」
「んっ……」
三度目の口づけ。この世界に来て……。いや、私が生を受けて三度目の……。それは今までで、おそらくこれからもないであろうほどに、濃厚だった……。
そんなムードは一瞬で壊される。
「二人とも!防具が完成した……ぞ?」
「ばかやろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
次の瞬間には、部屋に入ってきた邪魔者を殺すために拳を振るっていた。
「ぶへっ ︎何 ︎何だい ︎」
「マーリンさん……けーわい……」
「え ︎伊織 ︎君までどうしたんだい ︎」
「「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」
「なんだかよく分からないけどごめんなさぁぁぁい!」
《伊織side》
まったく……。マーリンさんには困ったものです!せっかく良いところだったのに邪魔するなんて!せっかくの……さえちゃんとのキスだったのに……。話しかけられなくなっちゃったよ……。
「二人とも落ち着いておくれ……。僕が悪かったよ。この通り……。それより二人とも!防具が完成したんだ!早くおいで!」
「えっ ︎」
「……ん」
「早く早く!早く二人に見せたいんだ!」
「やったぁ!僕達の防具!さえちゃん!行こ ︎」
「ん……!」
手を差し出すと、さえちゃんは僕の手を握ってくれました。
「まったく……。仲睦まじくて悔しいじゃないか。僕もお嫁さんが欲しいな……」
「何か言った?」
「なんでもないよ。それよりほら、早く行こうじゃないか!」
「うん!」
「……ん」
「楽しみだなぁ……」
「うん……」
マーリンさんに促されて、僕達は長老さんの家にきました。居間に通されると、僕達の目の前に長老さんが現れました。
「良くぞおいでなさった。あなた方二人の為に、この村で一番の者共が腕を振るいました。使っていただけたら幸いです……」
「うん!一生大事にするよ!僕達の為にありがとう!」
「……ん」
「言ったろう?心配はいらないって。まだ見せていなくてもこんなに喜んでくれているんだ。気にしちゃいけないよ、長老くん」
「それは良かった……。では、防具をこちらに……」
侍女さんが僕達に防具を持ってきてくれました。僕には、フードがついたコート?みたいなものが渡されました。
「?これが防具?」
「えぇ、伊織様のは耐魔耐物ローブです。魔法攻撃と物理攻撃に耐性を持っています」
「おぉ……。なんかよく分からないけどおぉ……」
「梓様のは……。耐久力メインですが、機動性にも優れるようにアーマー部分を少なくさせてもらいました。少ないアーマーも、服の中に仕込むだけですので格段に動きやすいと思われます。年頃のおなごですから、服装にも気を使えるようにとデザインさせていただきました」
「……ん」
さえちゃんのを見ると、黒いインナーの様なものでした。これが防具なのか……。
「二人とも良かったじゃないか。これで旅も安全だな」
「うん!大事に使うよ!」
「……ん」
「長老くん、ありがとうね。これで一安心だ」
「当然のことをしたまで……」
「はは……。そうかいそうかい。じゃぁ、防具類も揃ったしここを発つよ。よくしてくれてありがとう」
「またいらしてくだされ」
「気が向いたらね。二人も、礼を言いなさい」
「うん!長老さん、ありがとうございました!」
「……ありがとうございました」
「なに、こちらこそじゃ。また二人で来なされ。歓迎するぞい?」
「うん!」
「……ん」
こうして僕達三人は、ガルセルの街を後にしました。
あれ……?僕はどこに……?
「いおり。いおり起きて」
「ん……?さえちゃん……?ちょっ!近い!」
目を覚ましたら、さえちゃんが目の前にいました。詰め寄ってくるさえちゃんを押しのけようとして、手を握った時でした。
「あれ……?指輪……?」
「……ん」
さえちゃんの手には、紅い宝石が埋め込まれた指輪がはまっていました。左手に。え、左手 ︎
「ぽ……」
「え ︎なんでぽ ︎ぽって何 ︎」
「いおり、ありがとう……」
「え?う、うん……。喜んでくれた……?」
「うん。うんうん」
なんだろう……。さえちゃんが喜んでくれて嬉しいのに、感動が少ない……。
「そっか。良かった……」
「いおり……」
「ん?」
「私……今……」
「どうしたの?」
「すっごく嬉しい」
すっごく嬉しい……。その言葉だけがしばらく、頭を支配していました。
《梓side》
いおりが、指輪をくれた。サプライズと言ってくれた。そんなの初めてで……。もう死んでもいい。
「さえちゃん……」
「ん?」
「あの……。黙っててごめんね。さえちゃんが驚く顔が見たかったから……」
「ううん。さっきも言った通り。気にしないで」
「うん……」
やっぱり、いつものいおりだ。すぐに落ち込んで謝ってくるところ。今まで関心がなかったプレゼントなんて、一生もらえないと思ってた。今の私は働いてないし、いおりにできることは……。ただ一つしかない……。
「いおり、こっち向いて」
「ん……?」
「大好き……」
「え?ちょっ、さえちゃん ︎」
もうだめ。好きが爆発する。抑えられない。だから……良いよね?
「んっ……」
「あっ……」
不意に、歯に硬いものが当たった。でも、そんなの気にならないほど幸せだった。いおりからのプレゼント。非日常で変わった心情。増えた二人だけの時間。元の世界にはもう、戻りたくない。
「さえちゃん!待って待って!歯!当たってる!痛いからぁ……」
「……?あっ……。ごめん……」
痛かったのか……。悪いことしたかな……。
「さえちゃん、大丈夫だよ。ちょっとびっくりしちゃっただけ。今度は、ゆっくりしよ?」
「……ん」
仕切り直し。今度は、いおりからのキスだった。ぎこちないながらも私のために頑張ってくれているのを見て、少しおかしくなった。
「……ふふ」
「もう、何笑ってるのさ」
「ううん……。続けて良いよ」
「二回ともさえちゃんからだったからわかんないだけだよ……今度はちゃんとするもん!」
「ゆっくりで良いよ」
「う、うん……」
え、待って、二回?さっきしたのは一回だけ……。じゃあ、あと一回って……。あれしかないよね……。バレてたの ︎恥ずかし……。まいっか……。今は幸せだけ感じていたい。
「じゃ、じゃあ。するよ……?」
「……うん」
「んっ……」
三度目の口づけ。この世界に来て……。いや、私が生を受けて三度目の……。それは今までで、おそらくこれからもないであろうほどに、濃厚だった……。
そんなムードは一瞬で壊される。
「二人とも!防具が完成した……ぞ?」
「ばかやろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
次の瞬間には、部屋に入ってきた邪魔者を殺すために拳を振るっていた。
「ぶへっ ︎何 ︎何だい ︎」
「マーリンさん……けーわい……」
「え ︎伊織 ︎君までどうしたんだい ︎」
「「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」
「なんだかよく分からないけどごめんなさぁぁぁい!」
《伊織side》
まったく……。マーリンさんには困ったものです!せっかく良いところだったのに邪魔するなんて!せっかくの……さえちゃんとのキスだったのに……。話しかけられなくなっちゃったよ……。
「二人とも落ち着いておくれ……。僕が悪かったよ。この通り……。それより二人とも!防具が完成したんだ!早くおいで!」
「えっ ︎」
「……ん」
「早く早く!早く二人に見せたいんだ!」
「やったぁ!僕達の防具!さえちゃん!行こ ︎」
「ん……!」
手を差し出すと、さえちゃんは僕の手を握ってくれました。
「まったく……。仲睦まじくて悔しいじゃないか。僕もお嫁さんが欲しいな……」
「何か言った?」
「なんでもないよ。それよりほら、早く行こうじゃないか!」
「うん!」
「……ん」
「楽しみだなぁ……」
「うん……」
マーリンさんに促されて、僕達は長老さんの家にきました。居間に通されると、僕達の目の前に長老さんが現れました。
「良くぞおいでなさった。あなた方二人の為に、この村で一番の者共が腕を振るいました。使っていただけたら幸いです……」
「うん!一生大事にするよ!僕達の為にありがとう!」
「……ん」
「言ったろう?心配はいらないって。まだ見せていなくてもこんなに喜んでくれているんだ。気にしちゃいけないよ、長老くん」
「それは良かった……。では、防具をこちらに……」
侍女さんが僕達に防具を持ってきてくれました。僕には、フードがついたコート?みたいなものが渡されました。
「?これが防具?」
「えぇ、伊織様のは耐魔耐物ローブです。魔法攻撃と物理攻撃に耐性を持っています」
「おぉ……。なんかよく分からないけどおぉ……」
「梓様のは……。耐久力メインですが、機動性にも優れるようにアーマー部分を少なくさせてもらいました。少ないアーマーも、服の中に仕込むだけですので格段に動きやすいと思われます。年頃のおなごですから、服装にも気を使えるようにとデザインさせていただきました」
「……ん」
さえちゃんのを見ると、黒いインナーの様なものでした。これが防具なのか……。
「二人とも良かったじゃないか。これで旅も安全だな」
「うん!大事に使うよ!」
「……ん」
「長老くん、ありがとうね。これで一安心だ」
「当然のことをしたまで……」
「はは……。そうかいそうかい。じゃぁ、防具類も揃ったしここを発つよ。よくしてくれてありがとう」
「またいらしてくだされ」
「気が向いたらね。二人も、礼を言いなさい」
「うん!長老さん、ありがとうございました!」
「……ありがとうございました」
「なに、こちらこそじゃ。また二人で来なされ。歓迎するぞい?」
「うん!」
「……ん」
こうして僕達三人は、ガルセルの街を後にしました。
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