転生王女は異世界でも美味しい生活がしたい!~モブですがヒロインを排除します~

ちゃんこ

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2章 幼少期編 II

41.授業中1

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───授業中です。



現在のアルベール商会は、公然と独占市場を狙って驀進している。

養蚕業と朱子織りはセットで特許を取り、数年は生産拡大せずに暴利をむさぼるらしい。

シルク以外でも一貫して【少ない労力】で【最大の利益】を……あからさまに単価を高く……苦情は一切無視……



Let's 大儲け!

Viva ボロ儲け!

何のため? For what?

空中街道 Hurry up!

ぶっちゃけ金食い虫だぜ Oh boy!

国防準備! Check it out!♪



数年後の〈秘密の国の秘密の恋〉では、海から山から魔界からと三重の総攻撃を食らうのだ。

軍隊配備と物資の迅速な補給のためには、四の五の言っていられません。







重要ポイント──『ティストーム植民地化計画』

もうひとつ重要ポイント──『ガイアからの侵略戦争』

はい、もういっちょ重要ポイント──『予言の書による"戦場は北方"』







グエンダル、ホーズ、ケムトレイ───
西大陸の北西に位置するこの三国の同盟は、ティストームでは知らぬ者はいない。

その三国同盟の大義名分が『ティストームの富の独占に対する抗議』とやらで、現在この三国は西大陸中に『富の分配宣言』を声高に叫んでいる。

『富の分配宣言』───同盟参加国数により、ティストームが四分割、五分割……となりえる案件だ。

うちのハゲヒゲ軍団(宰相と大臣たち)は激怒してたね。
首脳会議の冒頭に1回だけ出席して、並び立つ輝き・・と対面した事があるのだ。
予言の書が何とかかんとか、前世の武器の知識が何とかかんとか……お父さまに抱っこされたままの顔見せだけだったけど、私だってティストームを安心安全の国にしたいですからね、圧倒的戦力でボコボコにする気満々だと『ティストーム・ダン!』と可愛い声で檄を飛ばしておきました。



今のところ同盟に賛同する諸外国の影はない。
影はないが、三国ともガイナ帝国の暫定属国であるとティストームは判断し、戦争勃発時には帝国も参戦してくると見ている。



ティストーム国王は包み隠さず国中に防衛準備の布告を出した。

戦争勃発の時期は、予言でも調査でも数年先と算段され、時間的猶予がある。
そして民の間では『いつかは来る』と昔から語られ、少なからず気構えが出来ていた。
何より、オマー騒動の現場に国王自身が滞在し続けた事実が民を勇気付け、支えている。


それと、お父さまが用意していた絶賛ヒット中の流行歌もある

『君の隣に』『いつも近くにいるから』

どう聞いても恋人の危機に駆けつける男の恋歌なのだけど、意味深な内容が国王からのメッセージではないかと、歌と同時にそんな噂まで流させて「王様が国民を守ってくれる説」を根付かせた。

歌でプロパガンダか……策士じゃのう。

……ん? 歌? 音楽……行進曲を演奏して兵を鼓舞するとか……鼓笛隊?音楽隊? もうあるかな? 攻撃の合図とかどうしているんだろう。連絡網は? 手旗信号、光の点滅通信……おおぅ、両方とも似たものがあったよ。音通信は太鼓と鏑矢か。うん、音楽隊はないね。音楽堂でこっそり計画して驚かせよう。




お父さまの策が、もうひとつあった。

①今から備蓄の準備をさせて、その備蓄品の入れ替えを定期的に行うこと。
②蔵出しされた保存食を、美味しく調理して露店で販売する『祭り』を各地で開催すること。

『ジャガ祭り』に続けて『保存食祭り』……お祭り好きだな、お父さま。




防衛準備の布告を出した後は税金の引き上げだ。

これに納税不能だと申し立ててきた封地貴族は、軒並み粛清されたそうです。

なぜなら、王国は平時から領地経営の相談に乗っているからだ。
専門の部署だってある。貴族院だって力を貸してくれる。
開墾が難しい土地には産業を、不作の年には補助金を、他の理由で財政難に陥った場合は指導員まで派遣してくれるのだ。

おまけに空中街道建設で人手不足の今は、領民の労働で税を納めることもできる。

それでも尚、税を納めることが出来ないと主張するのであれば、統治能力不足として爵位を返上させ、領地は王国直轄地となる……が、此度は不正を働いている領主がほとんどであった。

お父さまは上機嫌だった。
何でも、1件1件が細かすぎて摘発できずにいた事案だったそうな。




増税に喜ぶ民はいないながらも、不満の声が少なかった理由のひとつに──『アルベール王子が、あんなに切望していた新城建設を先送りした!』──がある。
(超有名らしいよ。ティストーム人なら子供でも知ってるらしいよ。ちょっとした笑い話…和み話になってるらしいよ)

アルベール商会の収益が、新城建設から空中街道の投資に全移行した事も、国中に知れ渡った。

なりふり構わない第一王子の姿勢に、各領地、資産家、民の末端まで、納得ずくの『税金という名の戦争準備』を淡々と受け入れることが出来たのだった。
アルベール王子本人が意図しなかった裏の功績である。



空中街道を通してしまえば、流通によってあらゆる分野が活性化します。
投資したお金は使用料としてガンガン還元されるし、納めた税も巡りめぐって現実的な収入という形で還ってくるのです。
今が踏ん張り時というやつですね。





………続く
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