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名もない不思議な町
情報を集めよう
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アーティとルークは情報を集めるために町に出てきていた。
「すみません。一つお聞きをしたいことがありまして、お時間は良いですか」
「何でしょう」
「”ゴールド・フルーツ”の件についてなんですが……」
「”ゴールド・フルーツ”?なんですかそれ」
「すみません。いま私たちも調べているところで」
「少し前も聞かれたことがあるけど、知らないのよね。何かしら、めちゃくちゃ気になるわー。真相がわかったら教えて頂戴」
「分かりました。真実が分かればお伝えに来ますね。それでは失礼しまーす」
こんな会話を軽く数百回行ている。
「疲れました。先生」
「確かに疲れるね」
アーティは、町全体を見る。不思議な話だ。ミラは存在しないものを言ったのか。
私はまた考え始める。答えは……出てこない。
「うーん。何か見落としているって可能性もあるのかな?」
「きっと、そーじゃないですかね」
「だとしたら……」
アーティはぶつぶつと、何かを言っている。ちなみにルークはもう話を聞いてはいない。
「先生?」
「どうしたものかな」
「どうかしたのですか?」
ルークは顔を覗き込んできていた。アーティはルークの顔を見て、頷く。
「よし、作戦変更だ。こんなことをしていても時間を無駄にするばかりだ」
実際にはかなりの時間を、無駄にした。反省をするべきだ。
「とりあえず。ミラ・ヴァン・ドラゴンの殺害された理由を探っていこうではないか」
「えええー。それは警察と、その探偵に、任せればいいのではないのですか」
「そんなことを言ってられると思うのかねルーク君」
アーティはルークに指をさしながら言う。
多分、ミラは”ゴールド・フルーツ”の何か大切なことを知っているはずだ。
ならば、それを狙った犯行かもしれない。
その犯人が、もし、もしもだぞ。私達よりも先に捕まえているとなれば、情報源が無くなってしまう。
「善は急げだ」
「これって、いいことなんですかね?」
ルークは疑問に思った。
ーーーーーー
同時刻 ドラゴンの屋敷にて
「ここまで犯行が分からないとなると、さすがに……」
「くそ、煙草をよこせ」
「ここは、事件現場です。外で吸ってください」
「ちっ。使えねーな。ったく、分かったよ外で吸えばいいんだろう」
ミーヤは外に出る。外に出てから箱から煙草を一本だけ出して火の下級魔法を展開する。小さな灯が指先から出て、煙草に火を点ける。
「ふぅー」
勢いよく煙が口から出る。
「何を見落としている。完全犯罪ではない。侵入経路も分かっている。脱出経路も分かっている。ここまで、犯行が明らかになっているのに、なぜ犯人だけが分からない」
ミーヤはゆっくりと煙草を吸いながら考える。
(もしかして、犯人はこの町の人間ではない?)
ミーヤは一つの仮説を立てる。だが頭の中で、すぐに首を振る。
(ありえない。この町はドラゴン家の支配下に入るってことになる。もしドラゴン家の固有魔法が発動したら、死ぬ可能性があるのは、この町に入った人間も同じだ。まて、だとすれば、固有魔法を使わずに話せる人物ってことになるのか)
ミーヤは混乱している。
(やっぱ。アーティかルークが犯人なんじゃねーか)
ミーヤは様々なことを考える。その間にも煙草は吸いながら考える。
この時のミーヤには、だれが犯人なのかは、分からなかった。
ーーーーーー
同時刻 アーティとルークにて
「先生。何かわかったのですか」
「あくまでも仮説の状態だ。正解だとは思えない」
「それでも聞きたいです」
「確信に変わったら言ってやる」
「ケチですね」
「言ってろ。それと見えたぞ、ドラゴン家」
視線の先には家があるはずだった。だが視線の先にいるのは……一人の少女だった。
「誰だ」
「誰ですか」
「初めまして、それから、さようなら。始まりの英雄さん」
次の瞬間、あたり一帯が吹き飛んだ。
どごごごごーん。
聞いたことのないような音がアーティとルーク、近くの市民にも聞こえる。
「これ以上、部外者に、関わらせるわけにはいかないから」
それを最後にその少女はその場を後にした。
「すみません。一つお聞きをしたいことがありまして、お時間は良いですか」
「何でしょう」
「”ゴールド・フルーツ”の件についてなんですが……」
「”ゴールド・フルーツ”?なんですかそれ」
「すみません。いま私たちも調べているところで」
「少し前も聞かれたことがあるけど、知らないのよね。何かしら、めちゃくちゃ気になるわー。真相がわかったら教えて頂戴」
「分かりました。真実が分かればお伝えに来ますね。それでは失礼しまーす」
こんな会話を軽く数百回行ている。
「疲れました。先生」
「確かに疲れるね」
アーティは、町全体を見る。不思議な話だ。ミラは存在しないものを言ったのか。
私はまた考え始める。答えは……出てこない。
「うーん。何か見落としているって可能性もあるのかな?」
「きっと、そーじゃないですかね」
「だとしたら……」
アーティはぶつぶつと、何かを言っている。ちなみにルークはもう話を聞いてはいない。
「先生?」
「どうしたものかな」
「どうかしたのですか?」
ルークは顔を覗き込んできていた。アーティはルークの顔を見て、頷く。
「よし、作戦変更だ。こんなことをしていても時間を無駄にするばかりだ」
実際にはかなりの時間を、無駄にした。反省をするべきだ。
「とりあえず。ミラ・ヴァン・ドラゴンの殺害された理由を探っていこうではないか」
「えええー。それは警察と、その探偵に、任せればいいのではないのですか」
「そんなことを言ってられると思うのかねルーク君」
アーティはルークに指をさしながら言う。
多分、ミラは”ゴールド・フルーツ”の何か大切なことを知っているはずだ。
ならば、それを狙った犯行かもしれない。
その犯人が、もし、もしもだぞ。私達よりも先に捕まえているとなれば、情報源が無くなってしまう。
「善は急げだ」
「これって、いいことなんですかね?」
ルークは疑問に思った。
ーーーーーー
同時刻 ドラゴンの屋敷にて
「ここまで犯行が分からないとなると、さすがに……」
「くそ、煙草をよこせ」
「ここは、事件現場です。外で吸ってください」
「ちっ。使えねーな。ったく、分かったよ外で吸えばいいんだろう」
ミーヤは外に出る。外に出てから箱から煙草を一本だけ出して火の下級魔法を展開する。小さな灯が指先から出て、煙草に火を点ける。
「ふぅー」
勢いよく煙が口から出る。
「何を見落としている。完全犯罪ではない。侵入経路も分かっている。脱出経路も分かっている。ここまで、犯行が明らかになっているのに、なぜ犯人だけが分からない」
ミーヤはゆっくりと煙草を吸いながら考える。
(もしかして、犯人はこの町の人間ではない?)
ミーヤは一つの仮説を立てる。だが頭の中で、すぐに首を振る。
(ありえない。この町はドラゴン家の支配下に入るってことになる。もしドラゴン家の固有魔法が発動したら、死ぬ可能性があるのは、この町に入った人間も同じだ。まて、だとすれば、固有魔法を使わずに話せる人物ってことになるのか)
ミーヤは混乱している。
(やっぱ。アーティかルークが犯人なんじゃねーか)
ミーヤは様々なことを考える。その間にも煙草は吸いながら考える。
この時のミーヤには、だれが犯人なのかは、分からなかった。
ーーーーーー
同時刻 アーティとルークにて
「先生。何かわかったのですか」
「あくまでも仮説の状態だ。正解だとは思えない」
「それでも聞きたいです」
「確信に変わったら言ってやる」
「ケチですね」
「言ってろ。それと見えたぞ、ドラゴン家」
視線の先には家があるはずだった。だが視線の先にいるのは……一人の少女だった。
「誰だ」
「誰ですか」
「初めまして、それから、さようなら。始まりの英雄さん」
次の瞬間、あたり一帯が吹き飛んだ。
どごごごごーん。
聞いたことのないような音がアーティとルーク、近くの市民にも聞こえる。
「これ以上、部外者に、関わらせるわけにはいかないから」
それを最後にその少女はその場を後にした。
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