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元世界最強が行く地獄の世界大戦〜前編〜
加速する嵐
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エリールに向けて飛ばされた一つの魔法と同時刻ルミアの方でも大物とぶつかっていた。
「あれ、もしかして手ごたえのある人間が来たのかな」
「そうだな。よくも僕の仲間を、殺してくれたね」
ルミアの周りには、ラフルの部下の死体がたくさん転がっていた。そこに来たのは、ラフル3番隊隊長ザーク・ラフルだった。剣に炎魔法と氷魔法を同時にかけて戦うことを得意とする、少し特殊な戦闘スタイルの男だった。
「確か……、君は、ラフルの、ザーク・ラフルだったよね」
「ああ。僕の名も知っていたのか」
「うーん。知っていたとは少し違うかな。だって、これから滅ぼす敵の情報は、必要でしょ」
「そうか……。貴様の兄とは少し違うな」
「あんな、使えない兄さんと一緒にしないでもらえるかな」
兄を口にした瞬間、ルミアの表情が変わる。それは、逆鱗に触れたかのような表情でもあった。
「何故、そこまで、実の兄を嫌う」
「嫌う?少し違うわ。あれは、戦闘だけ突出した。エイリアンよ」
「……。実の兄弟をそういうか……」
ザークは会話をしながら、剣に魔法を付与する。その剣は不思議な色をしている。
「うーん。もう話はお終いでもいい?」
「準備をする時間をくれていたのか」
「まあ。そうかな」
「なら準備は完璧だ」
そん言葉と同時に、両者が踏み込む。その場の雰囲気が一気に変わる。
「ほう。貴様、よくこの攻撃を躱したな」
「うわーお。すごいね。これ……」
両者が踏み込み、一撃を切りあっただけ、ただそれだけだった。
それだけなのに、ルミアの持つ剣が折れたのだ。
「熱と同時に冷ますことで、武器に深刻なダメージを与えると……。厄介だね。君の攻撃」
「これで貴様はそのレイピアを失った。投降するなら、命まではとらない」
ザークは投降勧告を一応行う。だがそれが、ザークの失敗となる。
「誰が武器が必要だって?」
「なっ」
ルミアの信じられない踏み込みで、ザークの目の前にルミアがいた。ザークは慌てて剣を横に振りきる。
「残念。今の反応はいいけど…。私を相手するには不足しているね」
「くそ」
ザークは剣を振るったと同時に、バックステップで逃げるが、ルミアの踏み込みの方が早くルミアの手刀がザークの頬を切り裂く。
「くそ、なんだお前は」
「私?私は、兄さんに劣らずの戦闘狂よ」
ルミアの手刀が休む暇もなく飛んで来る。その攻撃を防ごうと、ザークも応戦をする。その時には、もうザークも剣は持っていなかった。
「くそがあああああ」
「あはっ。ようやく死ねるのよ。仕事も今日でお終い。良いこと尽くしじゃない」
「死が、良いことだと思うな。クソガキ」
「でも、もう君の攻撃見えるもん」
そして、ルミアの手刀がザークの右目を捉える。だが、ザークは叫び声をあげることはなかった。
「なっ」
「クソガキがああ」
それはザークの右ストレートだった。しかも、右拳に、炎魔法も付与していた。
「ぎゃあ」
そんな声と同時に、ルミアが吹き飛ぶ。それと同時に、ザークが膝から崩れる。
「ガハッ。くそが……」
「ザーク様。援軍の到着です。これ以上は……」
ザークのもとに来たのはラフルの部隊員だった。その部下の声に意識を保とうとしたとき吹き飛んだはずのルミアが少し離れたところで立っていた。
「ああ。痛いなああ」
その瞳はとても恐怖を感じるものでもあった。
「くそ、まじかよ……」
「ザーク様、ここは私が……」
ザークの前に一人の部下が立つ。その部下を見て、ザークはその部下の肩に手を置き、指示を出す。
「もういい。もう君は十二分に働いた。もう、撤退しろ」
「ですが……」
「聞こえなかったのか。ここは僕が殿を務める」
その声は、ザークの部下でも聞いたことのないほど大きな声だった。だからこそ、ザークの部下は涙が瞳から流れながら、その場からは走って逃げていく。
「ふーん。君は、すごいなね」
「そうか、僕はここで死ぬ覚悟だよ」
そう言いながら、ザークは右手に炎魔法、左手には氷魔法を展開する。
「正気ですか。ザーク」
「正気だよ。僕は、この日に全てを懸ける」
その瞬間、この辺り一帯は炎魔法による熱の渦と氷魔法による寒気の渦がその場を巻き込んだ。
ーーーーーー
時は少し前にさかのぼる
「さあ。死のうか。エリール」
「簡単に死ねないでしょ」
アラの雷電魔法が、目の前に飛んで来る。その攻撃をエリールは、信じられないほどのサイドステップで避けてみせた。
「なっ。まじかよ」
「一番隊に告ぐ。撤退を開始しろ」
「このタイミングで、撤退だと。そんなことをさせるかアアアア」
アラは叫びながら雷電魔法を放ちまくる。その攻撃は、エリールにとっては、見切れるものとなる。
「くそ」
アラは、とんでもない踏み込みを見せたエリールに向けて雷電魔法を放とうとする。だがそれは放つことができなかった。
「じゃあ。共に死のうか。アラ・クルート」
「何っ」
その瞬間この辺り一帯は炎魔法による熱の渦と氷魔法による寒気の渦がその間を巻き込んだ。
その中には、アラ・クルートとエリール・ラフルも巻き込まれたという。
「あれ、もしかして手ごたえのある人間が来たのかな」
「そうだな。よくも僕の仲間を、殺してくれたね」
ルミアの周りには、ラフルの部下の死体がたくさん転がっていた。そこに来たのは、ラフル3番隊隊長ザーク・ラフルだった。剣に炎魔法と氷魔法を同時にかけて戦うことを得意とする、少し特殊な戦闘スタイルの男だった。
「確か……、君は、ラフルの、ザーク・ラフルだったよね」
「ああ。僕の名も知っていたのか」
「うーん。知っていたとは少し違うかな。だって、これから滅ぼす敵の情報は、必要でしょ」
「そうか……。貴様の兄とは少し違うな」
「あんな、使えない兄さんと一緒にしないでもらえるかな」
兄を口にした瞬間、ルミアの表情が変わる。それは、逆鱗に触れたかのような表情でもあった。
「何故、そこまで、実の兄を嫌う」
「嫌う?少し違うわ。あれは、戦闘だけ突出した。エイリアンよ」
「……。実の兄弟をそういうか……」
ザークは会話をしながら、剣に魔法を付与する。その剣は不思議な色をしている。
「うーん。もう話はお終いでもいい?」
「準備をする時間をくれていたのか」
「まあ。そうかな」
「なら準備は完璧だ」
そん言葉と同時に、両者が踏み込む。その場の雰囲気が一気に変わる。
「ほう。貴様、よくこの攻撃を躱したな」
「うわーお。すごいね。これ……」
両者が踏み込み、一撃を切りあっただけ、ただそれだけだった。
それだけなのに、ルミアの持つ剣が折れたのだ。
「熱と同時に冷ますことで、武器に深刻なダメージを与えると……。厄介だね。君の攻撃」
「これで貴様はそのレイピアを失った。投降するなら、命まではとらない」
ザークは投降勧告を一応行う。だがそれが、ザークの失敗となる。
「誰が武器が必要だって?」
「なっ」
ルミアの信じられない踏み込みで、ザークの目の前にルミアがいた。ザークは慌てて剣を横に振りきる。
「残念。今の反応はいいけど…。私を相手するには不足しているね」
「くそ」
ザークは剣を振るったと同時に、バックステップで逃げるが、ルミアの踏み込みの方が早くルミアの手刀がザークの頬を切り裂く。
「くそ、なんだお前は」
「私?私は、兄さんに劣らずの戦闘狂よ」
ルミアの手刀が休む暇もなく飛んで来る。その攻撃を防ごうと、ザークも応戦をする。その時には、もうザークも剣は持っていなかった。
「くそがあああああ」
「あはっ。ようやく死ねるのよ。仕事も今日でお終い。良いこと尽くしじゃない」
「死が、良いことだと思うな。クソガキ」
「でも、もう君の攻撃見えるもん」
そして、ルミアの手刀がザークの右目を捉える。だが、ザークは叫び声をあげることはなかった。
「なっ」
「クソガキがああ」
それはザークの右ストレートだった。しかも、右拳に、炎魔法も付与していた。
「ぎゃあ」
そんな声と同時に、ルミアが吹き飛ぶ。それと同時に、ザークが膝から崩れる。
「ガハッ。くそが……」
「ザーク様。援軍の到着です。これ以上は……」
ザークのもとに来たのはラフルの部隊員だった。その部下の声に意識を保とうとしたとき吹き飛んだはずのルミアが少し離れたところで立っていた。
「ああ。痛いなああ」
その瞳はとても恐怖を感じるものでもあった。
「くそ、まじかよ……」
「ザーク様、ここは私が……」
ザークの前に一人の部下が立つ。その部下を見て、ザークはその部下の肩に手を置き、指示を出す。
「もういい。もう君は十二分に働いた。もう、撤退しろ」
「ですが……」
「聞こえなかったのか。ここは僕が殿を務める」
その声は、ザークの部下でも聞いたことのないほど大きな声だった。だからこそ、ザークの部下は涙が瞳から流れながら、その場からは走って逃げていく。
「ふーん。君は、すごいなね」
「そうか、僕はここで死ぬ覚悟だよ」
そう言いながら、ザークは右手に炎魔法、左手には氷魔法を展開する。
「正気ですか。ザーク」
「正気だよ。僕は、この日に全てを懸ける」
その瞬間、この辺り一帯は炎魔法による熱の渦と氷魔法による寒気の渦がその場を巻き込んだ。
ーーーーーー
時は少し前にさかのぼる
「さあ。死のうか。エリール」
「簡単に死ねないでしょ」
アラの雷電魔法が、目の前に飛んで来る。その攻撃をエリールは、信じられないほどのサイドステップで避けてみせた。
「なっ。まじかよ」
「一番隊に告ぐ。撤退を開始しろ」
「このタイミングで、撤退だと。そんなことをさせるかアアアア」
アラは叫びながら雷電魔法を放ちまくる。その攻撃は、エリールにとっては、見切れるものとなる。
「くそ」
アラは、とんでもない踏み込みを見せたエリールに向けて雷電魔法を放とうとする。だがそれは放つことができなかった。
「じゃあ。共に死のうか。アラ・クルート」
「何っ」
その瞬間この辺り一帯は炎魔法による熱の渦と氷魔法による寒気の渦がその間を巻き込んだ。
その中には、アラ・クルートとエリール・ラフルも巻き込まれたという。
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