17 / 18
二人だけの締め業務
第二話
しおりを挟む
遡ること一年前――。
彼女と付き合い始めて一年ほど経った頃だ。
久々にできた彼女だったこともあり、付き合いたての頃はほぼ毎日のように愛し合っていた。しかし、最近は月に一回ほどに回数が減っていた。
俺は彼女が好きだったし、関係も悪くなかった。だからこそ、したいのにできない状況がつらかった。
しかしそれはそれだ。俺はいつものように終業30分前に事務室へ今日の数字を持って行った。
「あれ、清水くん。今日なんか元気ないね?」
「え、そうですか?」
顔には出さないようにしていたつもりだったが、アケミさんには一瞬でバレてしまったようだ。
「お姉さんに話してみな~? 清水くんより人生経験あるんだから」
笑いながら冗談めかして言ってくるアケミさんのおかげで、少し気がまぎれる。仕事中は誰とも口を利かないので、悪い方向に考えてしまいやすいらしい。
アケミさんとは普段から愚痴を言い合う仲だった。普段はアケミさんの方から息子二人についての愚痴を聞くことが多かったのだが、たまには俺の愚痴を聞いてもらってもバチは当たらないだろう。
「あー……今俺、付き合ってる彼女がいるんですけど……最近ご無沙汰で、はは……」
「あらー、そうなの?喧嘩でもした?」
「いや、そんなことは全然なくて……そのこと以外は全く変わってなくて、むしろ仲はいい方だと思うんですけど」
「へぇ……、じゃあなおさら我慢するの大変だね?」
「ま、まあ、そうっすね」
「嫌がられちゃうの?」
「いや、そういうわけでもないんですけど。誘ったら、『寝る前にしよう』って言われて、いざ寝る時間になったら先に寝てるんですよ。起こすのも悪いし……」
「あら、かわいそうに……それでも気遣ってあげるなんて、優しいじゃない。」
「それで本当に嫌われても嫌ですからね」
「そんなに想われてる彼女ちゃんがうらやましいなー。かわいいの?」
「ま、まあ……」
「照れちゃって~。かわいい」
「からかわないでくださいよ!」
「ごめんごめん。初々しくてつい、ね」
相談してからかわれただけでは納得いかない。何か解決策が無いかダメもとで聞いてみる。
「アケミさん、人生経験豊富なんですよね? こんな時、どうしたらいいんすか」
「私は彼女ちゃんのこと知らないからさ。あんまり的確なアドバイスは言えないかもしれないけど。ちゃんと相談するかもしくは……絶対にバレないように気を付けてよそで発散するか、の2択だと思うわ。」
「ええ? 前者はともかく、かなり大胆なこと言いますね」
「言ったでしょ。彼女ちゃんのことが分かんないからさあ。でも世の中にはいるらしいよ。よそで済ませてきて~って人がさ。私は絶対嫌だけど。」
「まあ、大半はそうでしょ……」
「ま、とりあえず彼女ちゃんに正直に話してみなよ。まずはそこ、大事だよ」
「はい……わかりました。」
こんな話をしているうちに、勤務終了の時間になった。
彼女と付き合い始めて一年ほど経った頃だ。
久々にできた彼女だったこともあり、付き合いたての頃はほぼ毎日のように愛し合っていた。しかし、最近は月に一回ほどに回数が減っていた。
俺は彼女が好きだったし、関係も悪くなかった。だからこそ、したいのにできない状況がつらかった。
しかしそれはそれだ。俺はいつものように終業30分前に事務室へ今日の数字を持って行った。
「あれ、清水くん。今日なんか元気ないね?」
「え、そうですか?」
顔には出さないようにしていたつもりだったが、アケミさんには一瞬でバレてしまったようだ。
「お姉さんに話してみな~? 清水くんより人生経験あるんだから」
笑いながら冗談めかして言ってくるアケミさんのおかげで、少し気がまぎれる。仕事中は誰とも口を利かないので、悪い方向に考えてしまいやすいらしい。
アケミさんとは普段から愚痴を言い合う仲だった。普段はアケミさんの方から息子二人についての愚痴を聞くことが多かったのだが、たまには俺の愚痴を聞いてもらってもバチは当たらないだろう。
「あー……今俺、付き合ってる彼女がいるんですけど……最近ご無沙汰で、はは……」
「あらー、そうなの?喧嘩でもした?」
「いや、そんなことは全然なくて……そのこと以外は全く変わってなくて、むしろ仲はいい方だと思うんですけど」
「へぇ……、じゃあなおさら我慢するの大変だね?」
「ま、まあ、そうっすね」
「嫌がられちゃうの?」
「いや、そういうわけでもないんですけど。誘ったら、『寝る前にしよう』って言われて、いざ寝る時間になったら先に寝てるんですよ。起こすのも悪いし……」
「あら、かわいそうに……それでも気遣ってあげるなんて、優しいじゃない。」
「それで本当に嫌われても嫌ですからね」
「そんなに想われてる彼女ちゃんがうらやましいなー。かわいいの?」
「ま、まあ……」
「照れちゃって~。かわいい」
「からかわないでくださいよ!」
「ごめんごめん。初々しくてつい、ね」
相談してからかわれただけでは納得いかない。何か解決策が無いかダメもとで聞いてみる。
「アケミさん、人生経験豊富なんですよね? こんな時、どうしたらいいんすか」
「私は彼女ちゃんのこと知らないからさ。あんまり的確なアドバイスは言えないかもしれないけど。ちゃんと相談するかもしくは……絶対にバレないように気を付けてよそで発散するか、の2択だと思うわ。」
「ええ? 前者はともかく、かなり大胆なこと言いますね」
「言ったでしょ。彼女ちゃんのことが分かんないからさあ。でも世の中にはいるらしいよ。よそで済ませてきて~って人がさ。私は絶対嫌だけど。」
「まあ、大半はそうでしょ……」
「ま、とりあえず彼女ちゃんに正直に話してみなよ。まずはそこ、大事だよ」
「はい……わかりました。」
こんな話をしているうちに、勤務終了の時間になった。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる